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二人の魔王の世界征服  作者: 魔王
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終わり無きゲームのプロローグ

「お、これにしよ」

俺こと淡河海あわかわかいはそう目の前においてあった500円のバーコードが貼られたいかにも安そうなゲームを手に取るのだった。学校の帰りに俺は暇を弄ぶため、中古屋でゲームソフトの物色をしていた。そんな中、俺が手に取ったのはいかにもクソゲー臭がするRPGのソフトだった。俺はそれを会計まで持っていて店員にワンコイン渡してそのまま渡された袋を受け取り家に帰るのだった。家に帰って俺は早速、今日買ってきたソフトをPCにセットして始める。

「さぁ、今回はどんなクソゲーかな?」

古ぼけたドット絵でいかにも貫禄を感じるゲームである。最初にSTARTとかいてあり、その下にLORDとoptionがあった。俺は最初にoptionを押す。するといくつかの設定が表示されたのだが…。

「なんだこれ?」

言語のところに聞いたことのない言語が設定されていた。

「メギネア語?そんな言語ってあったけ?俺が知らないだけ?」

ネットで調べてみたが検索結果はゼロだった。うん、optionを最初にチェックして正解だったな。たまにあるんだよな、外国語のままのやつが。特に昔のゲームだと。俺は言語を日本語に設定する。そして、ほかの設定も見てみるが変えるものは言語設定だけでそれ以外はあまりいじる必要はなかった。俺は戻るボタンを押してホームに戻る。そういえば、このソフト中古で買ったにも関わらずLORDボタンが灰色だった。つまりデータがないのだ。

(珍しいな、わざわざデータ消して売ったのか。律儀なやつだな)

とか思いながら俺はSTARTをクリック。すると、最初の画面が消えて一瞬だけ真っ黒になった後、キャラ設定の画面が出た。

「おぉ、最初はジョブ設定からなのか」

しかもジョブの数が異常に多い。スクロールしてみていくと。

「まじかよ、最初から上位ジョブになれるのか。クソゲー決定かな?」

わからない人に簡単に説明すると例えばだが、最初のジョブが下位ジョブのレギュラーなやつでいうと戦士だな。これをどんどん育てて強くしていくとその派生として上位ジョブに転生できるようになるのが一般的だ。そうだな、戦士の場合だと勇者だとかが妥当だろ、ゲームによってはそれぞれだが。そういうシステムもRPGの醍醐味なのにこのゲーム、序盤でぶち壊してきやがった。一瞬でやる気が萎えたが渋々やることがないので続けることにした。すると、面白いジョブを見つけた。

「魔王とか国王とかあるのか。ほかのゲームではほぼ見ないジョブだよな?そもそも、こういうのってストーリーに出てくるキャラのジョブだろ!」

いかんせん、ゲームばっかやってると自然と独り言が増えていく。ジョブは数えるのがめんどくさくなるほどあった。英雄、大司教、守護者、賊王、大魔導、復刻者、魔王、国王、帝王、精霊使いとぶっちゃけ見たことないジョブから鍛治師、料理人、薬師などの一般生産職ジョブやらもあった。これは悩むな。作れるデータは一個だけらしいしからな。慎重に選ぶことにした。そうして、数十分悩んで選んだのが恐らく最高位ジョブであろう魔王。

「うーむ、やっぱりこれかな」

魔王という響きに興味を惹かれた。ほかのゲームでも魔王ライフっぽいことはしていたが正式的なジョブとしての魔王はやったことがない。英雄とか勇者とかはRPGでは王道でそもそも主人公が元々持ってるものだからな。だから、最初から敵キャラのジョブを持っているとストーリーが変わるのかとかそういうのにも興味があった。そもそも、魔王にもいろいろな種類がある。一番王道なのは魔法を主力にして戦うタイプ、他にも魔物に変化したりとか脳筋とかもあるのだがこのゲームの魔王ジョブとは一体どんななのか。やばい、いろいろ想像してたら少し興味がわいた。俺は魔王ジョブをクリックする。すると、画面が真っ暗になった。

「あれ?フリーズした?」

俺はいつまで経っても次の画面にいかないからてっきりフリーズしたのかと思いいろいろといじってみるが反応がない。俺は仕方なく再起動しようとすると、急にPCから声が聞こえた。

『今から、あなたの適正審査を行います』

俺は慌ててPCの画面を見るとそこには文字が枠で囲まれていてその中にさっき女性ボイスで喋っていたことと同じ内容が書かれていた。そしてその下にSTARTのコマンドがあった。

(なんだ、ロードが長かっただけか)

古いゲームだとよくありがちな現象である。しかも中古品だから仕方ないだろう。俺はSTARTをクリックして先を進める。というか、こういうのがあるのがあるのなら先にやれや!て思いながらも俺は適正審査の質問に答えていく。

『1、あなたは悪逆非道を貫きますか?』

おお、確かに魔王だな、それは。いがいにちゃんとしてるんだな。しかしここはあえてノーを選択しておこう。魔王が戦うのは勇者パーティーとだけでいいんじゃね?って俺は思うし。俺自身、そういうことをあんまりしたい派じゃないし。じゃ、なんで魔王を選んだかって?それは中学生の頃のあだ名魔王だったからだよ!

『2、国を作りますか?』

え、なにこれ。国とかそういうの作れちゃうの?RPGなのに?そしたら昔のゲームにしては相当凝ってるよな。まぁ、ストーリーが薄っぺらくなってそうだが。国か〜、で国作ったら冒険できないよなきっと。俺は国とか作ったら最終的にそっちをメインでやってしまう癖がある。本編そっちのけでね。これもノーだな。

『3、奴隷に興味はありますか?』

奴隷、そんなシステムもあるのか。しかし、奴隷かぁ。いいな、可愛いキャラクターの奴隷集めてハーレムルートもありなんじゃないだろうか、男の夢である。よし、これはイエスだ!

『4、魔法と武力、どちらを選びますか?』

これはあれか?魔王ジョブのパラメータとかその他諸々これでどっち派の魔王になるのか決まるんじゃないだろうか?うーむ、迷う。魔法を主体にするのが王道といえば王道なのだが。筋力バカの魔王も少しだが興味がある。でもまぁ、最初だし今回は魔法でいいかな。魔法にクリック。

『5、最後の質問です。今の生活を捨てる覚悟はありますか?』

おう?なんだこれ。こんな質問まであるのか。これの意味はつまりこうか?やりこみ要素あり過ぎるから今の生活を失うかもよという遠まわしな忠告かな?いいだろう、乗ってやろうじゃないか。高校がなんだ!サボってやるわ、ははは!今なら魔王になれそうだわ。ということで。俺はイエスをクリック。すると…

『世界適性クリア。素体適性クリア。本人認証を確認。ジョブ適性百パーセント。『レムリア』との接続確認…クリア。ジョブ更新を確認しました。本人適性に合わせたジョブに更新します。確認をお願いします。以後、確認後のジョブを変更することはできません』

「お?」

なんかいろいろでた、感じ的にわかるのは多分このゲームの世界の名前がレムリアで、俺の選んだ魔王ジョブから、他のジョブには変更できないということぐらいかな?いや!そもそも本人というか、さっきの質問に合わせたジョブになってて確認後、変更できないってことだよな!?選んだ意味無いじゃん、ぶーぶー。じゃあれは、ジョブ確認みたいなものなのか?とりま、ジョブの確認をするために俺はクリックして次の画面に進むことにした。

『 名前 アワカワカイ EXジョブ 魔王

< 本人ステータスを更新します。更新しました。パラメーターを表示します。>

総合パラメーター

Lv.1

STR 19810

DEF 56008

AGI 34006

INT 99014

CHR 90004



スキル

魔王サタニック革命リボルド

効果・全魔法をノータイムで使用可能です。(回復魔法を除く)

魔界の瘴気

効果・味方以外の相手を恐慌状態にする。味方の魔力を底上げします。

魔眼

効果・相手の『目』と照準が合ったときにその相手を『石化・睡眠』状態にします。自身の任意で発動・解除が可能です。

エクストラスキル

デーモンズ・エンペラード

効果・全魔物を使役可能です。(一部除く)


クラスジョブ 旅人

Lv.1

スキル

世渡り

効果・交渉成功率が上昇します。なお、成功確率はレベルに比例します。


サポートジョブ 錬金術師

Lv.1

スキル

錬金

効果・複数のアイテムを調合・生成できます。なお、成功確率はレベルに比例します。


ハイドアビリティ

観察眼

効果・目で捉えたものを分析・解説します。


<以上が現在のパラメーターになります。よろしければ確認ボタンを押してください。>』


「うぇ!?なんだこれ、Lv.1の時点で万単位のステータス?チートかよ!」

って叫びたいほどに頭がおかしかった。それとも、万単位のステータス世界なのか…。やってみないことにはわからないだろう。にしても、スキルもチート級だ。回復魔法を除くとはいえ全魔法をノータイムで。つまり、詠唱時間やらなしに速攻で魔法を撃てるということだろう。やばいな。しかも驚いたのはそこだけじゃない。

「クラスジョブとサポートジョブまであるのかよ。でもまぁ、こっちは至って普通の効果なんだよな」

そう、EXジョブの魔王とは違ってクラスジョブの旅人とサポートジョブの錬金術師はごく普通のスキルだ。錬金術師に関してはむしろないとなんの意味があるのかわからないしな。それよりも、俺が恐怖を覚えた部分がある。

「おれ、いつ名前を打ち込んだ?」

EXジョブの表記の左に名前が書いてある。俺の名前がフルネームで…。ゲームにフルネームを打ち込むタイプじゃない俺が、フルネームで。そして、気づいた。バックボタンがない。

「ハックとかそういう類じゃないよな?」

若干の冷や汗を書きながら俺はカーソルを次へのボタンに合わせる。別にハックされて困るようなデータは何一つとしてないが怖いものは怖いのだ。俺は強くまぶたを閉じてクリックする。すると、最初の時に聞こえた女性ボイスが聞こえてきた。

『確認認証クリアしました。転生を開始します』

その声とともにからだが中に浮くような感覚がする。その浮遊感覚もすぐに終わり俺は空から落とされるように後ろにこけた。

「いて!?」

俺は後頭部をうちその痛み見悶える。というか

(なんでこけた?確か椅子に座ってたはずなのに…)

そんな疑問は一瞬で解決された。風が頬をなでる。窓を開けた記憶はない。つまり…。俺はゆっくりとまぶたを開ける。そこには鬱蒼と生い茂る草木がジャングルみたいになっている。正直に言おう、わけがわからない。なんだここ、どこだよ。アマゾンか?

「どこだここーーーー!!!」

俺はそう大声で叫ぶのだった。

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