Re.作戦
__ピロリロリン
あたしの携帯に一通のメールが届いた。
『ウラカワユウスケ』
ロック画面の通知欄に、表示されたその文字を見て心が躍る。いそいそとロックを解除し、メールのアイコンをタッチすると、いつもの絵文字がないメールにたどり着いた。
『件名:Re作戦
こんばんは。夜分遅くにすみません。この前かれんさんの言っていた作戦を言われた通り実行します。では、明日、あの公園で19:00に会いましょう。浦川祐介』
別に夜分遅くないのに……。時計は9時を指していた。あたしはそのメールを二、三度読んだ。にやにやした。浦川祐介って書くんだ。
あたしのことなんて今はどうでもいい。とりあえず、明日。明希と桜ちゃんがもう一度会ってくれればそれで__。
未練なんて、とっくに捨てた。それに今は……。あたしは口元を緩ませながら眠りについた。
次の日の夕方、あたしは中学校の門の前で、桜ちゃんを待ち伏せした。それにしても、最近涼しくなってきたなぁ。制服姿の吹奏楽部の中から、遠目で桜ちゃんを確認した後、あたしは手を振った。
「桜ちゃーん!!」
薄暗くて顔はよく見えないけれど、桜ちゃんはあたしに気づいた様子で、ぺこりと会釈をして走ってきた。
「かれんさん!どうしたんですか?」
「あのね……!」
大丈夫、きっとうまくいく。




