好きの後
奏音くんと付き合い始めて、私は少しずつ変わっているような気がしていた。土日、部活が終わると、2人でちゃんと勉強するようになったし、過去の話もする必要がなくなった。奏音くんも、もう明希先輩のことは聞いてこない。
「今日、僕の好きなバンドが始めてテレビに出るんだ!」
「そうなの?なんていうバンド?」
「book member 」
「へー!聞いたことないなあ……」
「歌おうか?」
私は、奏音くんに敬語を使わないようにお願いしている。その変化にすぐ対応してくれて、本当に優しい人だななんておもう。
「会いたいんだ 今すぐそのドアを ノックして 来てくれないか♪秋の恋しさとっぱらって 君の笑顔で〜♪」
ハスキーな歌声を披露して満足げな彼の隣で、私は楽しかった。
「今度……今度カラオケ行こう!」
「うん!桜は、なんの歌が好きなんで……好きなの?」
「わたしは、ラビッツかな!あの独特な歌詞と声がたまらない……」
私たちは幸せだった。というか、奏音くんがそうなるように頑張ってくれていた。魔法が解けないように。ずっと、続くように。
「桜、好きだよ」
時々別れ際に不安そうに、奏音くんは言う。そんな様子が仔犬みたいで、私はくすぐられる。
「私も、奏音くんのことが、好き」
短すぎてすみません、次からは!次からは頑張りますので!




