理由
どうしたら読みやすい文章を書けるのか・・・・
人を助けるのは仕事上珍しい事じゃ無い。
俺の仕事は守れと言われれば守り、殺せと言われれば殺す仕事だ。
だから今回も助けを求めてきたのが平民や貴族だったら迷わずに行動していた。
そして危険を取りさった後に金を取る。
だがこの少女は欠落者。
直接聞いたわけでわないが平民や貴族の子供がこんな場所で兵士に捕まる理由が見つからない。
金無し平民の子供が店の商品をくすねてそれをたまたま目撃した兵士がわざわざここまで追ってきた。なんて可能性も無いわけでは無いが。
とにかく俺は助けを請われても欠落者のガキを助けたりなんかしない。
ただでさえ欠落者なのに加えまだ子供だ。
軍の人間に手を出すデメリットが生じるのに金と言うメリットが無い。
欠落者が兵に捉えられる光景は少なからず見てきた。
捕まった欠落者は決まって周りにいる野次馬に手を伸ばし助けを請う。
だが誰もその手を取りはしない。
実際欠落者を救うのは別段難しいことじ無い。
兵士は平民以上の保護下にある欠落者を拘束出来ない。
ただ欠落者に指を向け「これは私の所有物だ」と言えば事は収まる。
しかしそれにはデメリットが大き過ぎる。
基本的に欠落者を雇う職場など無い。
だからやらせることと言えば自宅での雑用だけ。
勿論住む家も無いので必然的に人一人を養わなくてはならなくなる。
これは金があれば何とかなるが問題は欠落者が神に背いた許されざる反逆者だという宗教的風潮が国民に強く根付いていることだ。
欠落者を雇っただけで十年の絆が断ち切れる何てことも大袈裟では無いだろう。
だから誰も欠落者の手など取らない。
だったら何故俺は少女の手を取ったのか。
理由はひどく単純で下らないものだ。
昔の恩人に似た顔の女を放っておけなかった。
ただそれだけ。
まったくしょうもない。
取り敢えず報酬は望めない。
ならしばらくは家で働いてもらうとしよう。
さて、帰ったらあいつが何て言うか・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
おぶられながら話を聞いたところどうやらアレンさんは私を拾ってくれるらしい!
それを聞いた瞬間大声を上げてしまい恥ずかしい思いをしてしまった。
だけど許して欲しい。
これでようやく兵士に追われる日々が終わるんだ!
しかし拾うということは雇うと同義だけど何をさせられるんだろか。
奴隷見たいのだったら嫌だなぁ。
アレンさん優しい人みたいだし無いとは思うけど欠落者拾う人はそんな人が多いって聞くし。
「それで、私は一体何をすればいいんですか?」
「家の家事だ」
結構普通の事だった。
でも家事かー、ボロボロ廃墟に住んでたからお掃除技術は手に入れたけど服は今着てるボロボロワンピースだけだし食べ物は露店から盗んでばっかだったし・・・
「か、家事ですか・・・私掃除は自信ありますけど料理や洗濯なんかはやったことありませんよ?」
「教えるさ」
・・・え?、教えられるってこ事は家事が出来なくて困ってるわけじゃないの?
というか欠落者の私にわざわざ料理の仕方とか教えてくれるの!?
アレンさんいい人過ぎだよ。
うっかり惚れてしまいそうだ。
しかし自分で家事ができるならなんで私を拾ったんだろ?
・・・人手が足りないとか?
だとしたらアレンさんの住む家は大きな豪邸だったりするのだろうか。
着ているものはただの黒地のコートだけと実は貴族のおぼっちゃまだったりして!
あ、でも貴族のおぼっちゃまが一人でパンやリンゴ買いにきたりしないか・・・
・・・
「おい、降りろ」
「へ?」
どうやら私が想像を膨らませているうちにいつの間にかアレンさん宅に到着していたみたいだ。
その全容を見てみると・・・普通の家だった。
というか普通より少し小さいぐらいのこじんまりとした家。
このサイズの家なら私を雇う必要なんか無いんじゃ?
それはそれで困るけども。
でもなら何で欠落者なんて雇って拾ってくれたんだろうか?
「鍵が取り出せない。降りろ」
「あっ、ごめんなさい・・・」
深く考え込んでアレンさんを無視したみたいになってしまった。
アレンさんは優しい人だけど身分は上だし失礼のないようにしなきゃ。
私は扉を開けて家の中に入って行ったアレンさんの背中を足を引きずりながら追った。
話し進まね〜