嘘つき少女の能くある咄
あるところに、嘘つきな少女がいました。
でも、彼女は一つも嘘をついたことはない、と思っていましたし、事実嘘をついたことは一度としてありませんでした。
じゃあ何故、嘘つき少女と呼ばれるようになったのでしょう。
それは、お義母さんが嘘つきだったからです。
かのじょが本当のことをいっても嘘つきのお義母さんが「それは嘘よ」といって正してしまうのです。
とうぜん、お義母さんのいうことは皆が信じてくれます。
少女はお話を作るのが好きだったので、皆が「それはお話のなかの咄でしょう?」と嘲笑ました。
少女は、それに気づいた時、なんにも言えないような気になりました。
それから、本当に嘘をつき続けました。“わるいこと"もいっぱいしました。
そうすると、世間体を気にするお義母さんによって殺されてしまいました。
そうして、晴れて本物の“嘘つき少女"となった少女は今日も愉快に嘘をつき続けるのでした。
めでたしめでたし。
はっはっは、さーせーん