特別編
特別編
ドジャース、ワールドシリーズ2連覇Vおめでとうございます!
まさに死闘でしたね!
今回の対決は、野球に興味ない人でも興奮できたのではないでしょうか。
さて、色々感想や思うことがありますが、わたし、みやびあいが色々言うより朝日七花の方がいいかな?と思い、ここからは、朝日七花にお願いしましょう。
2025年11月○日
ほのかと七花がいつもの喫茶店にいる。
中学から31歳になる今でも通う馴染みのお店だ。
「七花、今回のワールドシリーズどうだった?」
ほのかは、ダージリンティーを飲んだあと、おもむろに話し出した。
七花はミルクティーを飲んでいる。
そっとティーカップを置くと口を開く。
「そうだなー‥どっちが勝ってもおかしくなかったね」
「確かにそうね、でも、ドジャースが勝った。その勝因はなにかしら?」
「うーん、まず、大谷翔平がチームにいたってことかな」
「そうね、確かに彼の存在は大きいわね!でも、ワールドシリーズで思ったより活躍出来なかったと、わたしはみてたんだけど、七花はどう?」
飲もうとしたミルクティーをまた置いて話出す七花。
「んー、確かにもっと活躍できたかもしれないし、結果も残せたかもしれない‥けど、彼は、そこまで望んでいなかったかもね」
「というと?」ほのかは、七花の考えを聞きたくて自分の考えより七花を優先した。
「そうだなぁー、チームで勝てればいい、自分はその歯車の一部でいいみたいな感じかな‥」
「ふふっ、七花らしいわ。でも、それは、わたしも思ったわ。自分の成績を意識してないというか‥ね」
「そうなんだよ。あれだけチームのことを考えてプレイできる人はいない。だってプロの世界だよ?誰だってヒーローになりたいものだよ」
それを聞きながらダージリンティーを飲むほのか。
飲み口を指でさっと撫で静かに置く。
「でも、ある意味ヒーローだったんじゃないかしら?」
その言葉に2人が目を合わす。
「そうだね、ヒーローはヒーローでも、心のヒーローだったね」
七花の言う心のヒーローという言葉を、ほのかは理解できた。
「精神的な柱よね」ティーカップを見ながらほのかが言った。
「精神的な柱で、みんなをリードしていく立場でもあったかな」と七花が付け加える。
ほのかが笑う。
「勝ちます!って言葉がレプリカじゃないのよね」
七花も笑う。
「レプリカはレプリカだからね。重みも裏付けも責任もないもんね」
「本当よね‥」そういい、ティーカップの持ち手のところを指でなぞるほのか。
「彼の背中が、言葉が、チームを奮い立たせるんだよね」七花はそう言ってミルクティーを飲む。
「自分だけ‥とか、自分がやらなきゃ‥とか、自分、自分がないわよね」
ほのかが、静かに話す。
「敵チームの選手まで、彼の虜になるくらいだよ?」七花が少し笑いながら話す。
「そういう意味では、七花も似てると思うわよ」そういい、頼んであったシフォンケーキを一口食べるほのか。
「そうかな?似てても、彼とは次元が違うと思うよ」
七花のその言葉は真実なんだと、ほのかは思った。
「七花、今回のワールドシリーズで気になることとかあった?」
ブルーベリータルトを食べる手が止まる。
「気になること‥か‥」
「ええ、七花視点での」
ほのかは、七花を見つめる。
「うーん、喜び方かな‥」
そう言って窓の外を見つめる七花。
「喜び方?」
ほのかは、そんな七花を見つめている。
「そう、あれだけお互いの力が均衡したなかで、ヒットで出塁して、塁上でパフォーマンスをするじゃない?そこでのドジャースと、ブルージェイズの選手では、それが違って見えたんだよね」
「相変わらず、七花は面白いところをみてるよね」
ほのかにそう言われて、頬杖ついてほのかをみる七花。
「だってさ、そう感じたからさ‥」
「教えてくれる?」ほのかがダージリンティーを飲む直前で止まり、首を傾げて微笑みながらそう言った。
「なんていうかさ、ブルージェイズの選手の喜び方はさ、軽く感じたんだよ」
「軽いか‥」
「そう、うん。オレがやったぞ、やってやった!どうだ!みんな!さあ、こい!‥みたいな」
ほのかが笑う。
「七花、それ、わかる気がするわ」
「でも、悪いことではないんだよ?だけど、違和感はあったんだよね」
そう言ってミルクティーを飲む七花。
「そうね、自分を奮い立たせる、チームを鼓舞する‥なら悪くはないわよね」
ほのかはニコリとする。
「でも、ドジャースと違って見えたんだよね。ドジャースはさ、覚悟が底に見えたというか、あったというか‥」
「なるほどね‥」ほのかは右側の髪を掬いながら頷く。
「経験、喜びと怖さを知ってるからこその、パフォーマンスだったのがドジャースだったかな‥上手く言えないけど、諦めるな!まだまだだぞ!みたいな感じかな」
「なるほどね、七花の感性ゆえの感想とも言えるわね」
「ほのかは、どうだったの?」
「わたし?七花もわかっているだろうけど、仲間を信じている差かな。もちろん、両チームここまで勝ち上がって来てるわけだから、ないわけではないけど‥」
「彼だね」七花がミルクティーを飲む手を止めてほのかをみる。
「やっぱり、大谷翔平くんなんだよね」といいほのかも七花をみる。
「わたしの分析とか意味ないレベルだからね」ほのかの口元が緩んでいる。
「‥にしては、嬉しそうに見えるよ?」
「バレちゃった?‥だって、七花もそうだったから」
そう言って、じーっと七花を見つめるほのか。
「あ、あんまり見つめるな!」
「いいでしょー!親友の特権だよ」
「はずいな‥まっ、今回のワールドシリーズは本当に色々よかったし、勉強になったよ」
そういい七花は最後の一口のミルクティーを飲み干す。
「そうね、でも、わたしたちの話はまだ終わらないわよ?」
「え?ミルクティー飲んじゃったよ」
「おかわり、頼めばいいじゃない」
「んー、どうしようかな?」
「頼まないの?頼んだら、次は山本投手のお話なんだけどなぁ‥」
「え?‥すみませーん!」
七花は右手を元気よく上げ、店員を呼んだ。
(本当に、七花は野球が好きねー)
ほのかは、心の中で笑っていた。




