浮気は許しません!!
みなさんこんにちは!アオです!
前回の短編小説「ウソ告被害者の会」が思った以上に伸びていて
それに続けて"ざまぁ"系を書こうと思い書かせていただきました!
見どころとしては主人公たちが成敗する修羅場となっているところです!
それでは「浮気は許しません!!」をどうぞ!
「紬さんのことが好きでした!付き合ってください!」
「えっ.......うそ........こんな私でよければよろしくお願いします!」
そんな普通の女子高校生から生活が一転したのは三か月前。
私、火乃宮紬は大翔君と充実した毎日を過ごしている。
彼とは付き合う前からときどき話す仲だった。そして私も彼も気が付けば
お互いを好きになっていた。これが私たちの恋の始まりだ。
しかし、そんな楽しい毎日が崩れるとはこのとき思ってもいなかった。
「紬、ここ教えてもらえる?」
「えっと確か、そこは.......」
今、私と大翔君で図書室で勉強をしている。お互いに苦手なところを
補い合って勉学にも力を注いでいた。目指すは県内有数の大学を二人で行くこと。
その日の帰り、大翔君と一緒に帰りたかったものの、用事があるとのことで
先に帰ってしまった。正直、少しのわがままはダメかなと思っていたが大翔君を
困らせるわけにはいかない。そんなこんなで下校の道を一人で歩いていると
「紬、ちょっといいかしら」
とクラスのカースト上位である村見さんだった。一応何度か
絡んだことはあるが、それでも仲が良いと言われると微妙なラインだ。
「何ですか?村見さん」
「あなたに一つ忠告をと思って。今の彼氏、大翔とは別れた方がいいわよ」
帰りあってそうそうこの人は何を言い出すんだ。
「なんで別れた方がいいんですか?それに理由があってもそれは
私と大翔君の中での話でしょ。部外者の村見さんが関わってくる必要はない」
そう私が言うと、村見さんは一呼吸おいて......
「部外者ねぇ......、この際だから言うわ。そのうち
あなたも私と同じの部外者になるわよ。」
「は、どういう意味?」
「あなたの彼氏、大翔は浮気を繰り返しているクソ男よ!」
村見さんの言葉で一瞬、私の頭の中が真っ白になった。
「ないわ!大翔君はいつだって私の味方だから!」
「あなたがそう思うならそれでいいわ。でもいずれ終わるわ」
ああは言ったものの家に帰った後も村見さんの言葉が脳裏で繰り返されている。
ないない。あんな優しい大翔君が浮気をするなんてありえない。
村見さんは私たちへの嫉妬心から来ているんだ。きっとそうだ。
私はそう自分自身に言い聞かせて、大翔君とメッセージのやり取りを行った。
翌日、昨日のことがあって別に疑っているわけではないけど少し気にしてしまう。
しかしそんな私とは真逆に大翔君はあまり良い気ではない様子だ。
「大翔君どうしたの?大丈夫?」
「ちょっといろいろあったな......」
なんだろうか。この心にあるもやもやは........
そんなことはあったものの数日何も変化がなく、村見さんの忠告の言葉を
忘れかけていたときの出来事だった。大翔君に放課後呼び出された。
「なあ、紬。別れてほしいんだ」
「えっ?どうして.......何か私が悪い気にさせた。なら謝るから.......」
「いや、紬が悪いわけじゃないんだ。なんていうんだろう。
最近、紬と話しているときよりも他の女子と話しているときの方が楽しんだ。」
えっ......もしかして私終わったの.....初めての彼氏ができて、デートにも
奮発してさらに好かれるようにしていたのに。大翔君が見ていたのは他の女子.......
そんな思いを抱いていると涙が出てきそうになった。
「わっ......わかった。大翔君と過ごした約四か月楽しかったよ。バイバイ」
私はそう言って教室から学校から走って去っていった。
帰り道、私はずっと泣いていた。幸いなことに周りには誰もいなかったので
思いっきり泣くことができた。そして家に着いたときにやることは決まっていた。
家に帰った私はさっそくメッセージアプリを開いた。
【村見さんの言った通りでした......】
【でしょ。で、あなたはどうしたの?】
【彼女がいるのに他の女を見る男は終わっています。やることは一つ、復讐!】
【わかった。明日放課後、学校に残ってくれる。話したいことがあるの】
翌日の放課後、昨日と同じ教室に私と村見さんだけしかいなかった。
「やっぱりあの男、女たらしだったんだ。最低だわ。」
「村見さんって大翔とどういう関係だったんですか?」
「大翔とは、中学のとき一緒でね。先に大翔の方から惚れたらしくて
私も惚れて結局、付き合ったのよ」
私と同じような感じだ。
「それで、確か付き合い始めて一か月くらいだったかな。急に
大翔から別れを告げられてさ、いろいろ思うことはあったけど
昨日の紬と同じように別れを受け入れたわけ」
村見さんと大翔の過去にはそんなことがあったのか。
「で、私なりに気になったところを調べていったら案の定浮気だったわけ」
「確かに大翔のやつ、惚れさせるのは上手いんよな......」
「そう、だから告白をされた女子はもろもろOKして最終的に今ってわけ」
「そういうことか......あいつ.......絶対に復讐してやる!!」
「よかった。これで人数はそろったわね」
「村見さん以外にもいるんですか?」
「もちろんよ、あいつかなりのやり手で被害者が多すぎるのよ」
その後も浮気男を貶めるにはどうしたらいいか作戦を練っていた。
そして、ついに作戦決行の日。ちなみに村見さんから聞いた話では
あいつの被害者は私と村見さんを含め13人もいるらしい。最低だわ。
今回の大翔のターゲットは学校一美少女と言われている一つ下の学年の子だ。
とうとう年下にまで手を出し始めたようだ。
そしてその子は、かなりの友達と繋がっていてその情報網を駆使すれば
あいつの高校生活は無いや、終わりに等しい状況を作れるのだろう。
「渚ちゃん、いきなり呼び出してごめんね」
物陰に隠れている私たちはさっそく吐き気がしてきた。
別にそんなに親しくもない女の子に"ちゃん"付け。気持ち悪すぎる。
しかし、そんなことを気にしていない彼女渚は
「いえ、全然大丈夫ですよ。でもいきなりどうしたんですか?」
「前から渚ちゃんのことが好きだったんだ。笑うところも
何かに頑張って突き進んでいるところも全部!だから俺と」
大翔がそう続きを言おうとした瞬間
「いや、無理無理無理無理無理無理無理無理。絶対無理!!!」
と"無理"を連呼し始めた。隠れている私たち一同も?な状態だ。
「先輩、最低な男ですよね」
「えっ、いきなりどうした?」
「いや、噂で女たらしをしている先輩がいるっていうことを聞きまして
その瞬間にあっ、これは大翔っていう浮気男のことなんだなってわかって」
すごい。渚が本当のことを全て言っている。その姿に圧巻されている一同。
「ちょっ、待ってくれよ。それは噂なだけで違うから!」
慌てた様子で言う大翔。そして余裕な恵美を浮かべる渚。
「へぇ~、そうなんですか......他の先輩方出てきてください」
渚はそう言って私たちのいるところに目をやる。
もしかして、私たちが隠れているところを全て知っていたのか。
村見さんを先頭にしてぞろぞろとメンバーが出てくる。
「えっ、どっ......どういうことだよ」
「どうもこうも、この人たちに見覚えもちろんありますよね。先輩」
渚の言葉に黙る大翔。
「後は先輩方に任せますので私は一足先に帰らせてもらいます」
そう言い残して渚は去っていった。
大翔は、たった今の出来事に茫然としていた。
「やあ、大翔覚えているかしら。中学のときに大翔っていうやつに
振られた、村見よ。」
そう言い放ち大翔の頬にビンタをくらわす村見さん。
そして次はあなたよと言って村見さんは去っていった。
「大翔.......正直、振られたときはすごく悲しかった。あんなにも努力して
大翔の彼女にふさわしい女になるつもりだった。でもこの浮気男!!
お前なんか地獄に落ちてしまえ!!」
もしいつもの私がそばにいたら驚いてたであろう。頬にビンタをくらわした。
その後も大翔に振られた女子たちが不満を垂らしてビンタをしていく。
その姿だけで私は大満足だ。
後日、聞いた話によると渚は大翔のことを知っていて大がかりな情報網で
浮気男ということもつかんでいたらしい。そして大翔のターゲットが
渚になったことを知った渚は、私たちと同じ復讐を思いついたそう。
まあ、そのおかげで私たちの復讐もうまくいったのでラッキーだ。
一方、大翔の方はというと全校に"浮気男の最低なやつ"というレッテルを
貼られて完全に学校での居場所を失った。男子からは「浮気男!」
女子からは影口を言われていた。もちろん、大翔に味方をする人はいなかった。
元カレが地獄に落ちたことで私は清々した。
読んでいただきありがとうございました!
書いた感想としては、浮気はろくでもないということですね(笑)
まあ見ているこちらとしては、修羅場が大好物なのですが(笑)
それでは今回はここら辺でまたお会いしましょう!アオでした~!