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もったいない暗黒小説ボツネタをエッセイ風に紹介

作者: 浅賀ソルト

最初の公開日は 2024年1月です。それを把握の上でよろしくお願いします。

 初のエッセイジャンルです。どうしても私の力では小説に変換できないネタがあったのでエッセイで消化しようと思いました。

 単純に使えないネタならそれは書かなければいい。しかしこれはどうしてもネタとしては面白いので何か形にしたかった。できれば小説にしたかった。現時点では私の力不足ということで小説ではなくネタについてつらつら書かせていただきます。


 ネタというのは静岡の中山真珠元県議についてです。

 https://look.satv.co.jp/?s=%E4%B8%AD%E5%B1%B1%E7%9C%9F%E7%8F%A0


 静岡朝日テレビで検索すると最新のニュースは『無免許運転の中山真珠元静岡県議に罰金50万円の略式命令 運転免許失効中に運転 静岡簡易裁判所』という2023年12月19日のものが出てきます。

 ソースとしては検索結果から経緯を追っていただけるとありがたいです。私の方で簡単にまとめると以下のような流れです。すべて2023年の出来事です。


 5月16日に免許失効。失効に気づいたのが8月1日。その翌日2日に運転免許センターに自分で運転して(つまり無免許運転で)更新に行き時間外だったので手続きできなかった。無免許のまま運転して帰った。そして8月4日にも運転していて、横断歩道の歩行者を妨害したということで警察官に声をかけられて無免許運転が発覚した。

 発覚した直後の記者会見では、運転免許センターからの帰宅には代行を頼んだと嘘をつき、監視カメラによって嘘がバレたというおまけもついた。

 議会から辞職勧告が出され、本人は議員を辞職した。

 上に書いた最新のニュースにあるように罰金の略式命令も出てほぼすべて決着がついたようである。

 この人は騒動の最中の9月14日に note を開設していて( https://note.com/nakayama_shinju/ )自己紹介では以下のように書いている。『大阪生まれの28歳。議員をやってました。盛大にやらかしましたが…笑 思いついたことを気まぐれに書きます。』


 私は暗黒小説が好きで暗黒小説を書いている。このジャンルは「馬鹿が馬鹿なことをして馬鹿な結果になる」というのが主な筋書きである。本によってはなんとかハッピーエンドになることもある。しかし展開としては馬鹿を基本とした展開が基本である。主人公がひどい目に遭って『ちゃんちゃん』と終わる。

 なんでこんなジャンルが好きかという理由はよく分からない。自分は、悪人が出てきて怖い思いをするホラー小説やサスペンス小説、その悪人をやっつける正義側の小説がうまく書けなくて、悪人側から悪人視点で「俺は悪くない。悪いかもしれないけど俺のせいじゃない。俺のせいかもしれないけどほかの奴だってやってるから俺だけじゃない。世の中なんてそんなもんで俺だけが悪いわけじゃない」といった言い訳をぐだぐだ書く方が楽しいのである。試行錯誤して結局馬鹿側の視点から書くことでまとまる。

 もちろん書いてる自分の方は「うるせえ。黙れ。死ね」と主人公に対して思いながら書く。読む人もがっつり主人公にツッコミながら読んで欲しいと思うけど——読み方は人それぞれだけど私が暗黒小説を読むときはそんなスタンスで読んでいる——普通の小説とはスタンスが違うので切り替えがめんどいジャンルだとは思う。どこか突き抜けたとんでもない悪人の都合のいい言い訳というのは人間のある面を見せてくれているような気もして、読んでいるうちに気持ちよくなってくる部分があることも否定できない。

 悪人は自分で自分に嘘をつくので、何が真実か分からなくなるのもこのジャンルの特徴だ。


 実名を出しているので誹謗中傷にならないように気をつけたいが、それでもこの中山真珠元県議の言動というのは暗黒小説の主人公そのまんまで、アレンジする場所がない。県議の部分を芸能人にアレンジしても代わり映えしないし、無免許運転を別の犯罪にアレンジするのも違うと思う。この事件は無免許運転だからいいのである。免許が失効しているのに気づいても、まあいいだろう、という自分への甘さ。バレたときの言い訳の中途半端さ。なぜ8月4日にも運転してたのかという点について以下のように説明している。「免許証の失効から3カ月間は復帰が可能だということを聞いて、その間は乗っても大丈夫なのかなと、そのように勘違いをしておりまして」こういう言い訳は私の好物である。勘違いしていたということだけど、人間というのはこういう『自分に都合のいい勘違い』をしがちである。そしてこれは厳密には勘違いというのとはちょっと違う。そもそも8月2日に運転免許センターに行って、「何で来ましたか?」「車で来ました」「それは無免許運転です。帰りは運転しないでください」と注意されているのである。ようするに勘違いしていましたという言い訳が嘘なんである。嘘でなければ真面目に聞いてなかったんだろう。勘違いしてましたと言えば「じゃあしょうがないか」と言ってもらえるという計算が見える。実際、まわりの普通の人はそういう恩赦をやりがちである(万引常習犯が「会計済みと勘違いしてました」とか言うのに似ている)。

 余談だが無免許で免許の更新に運転して来る人間というのは一定数いるらしく、珍しいがゼロではないそうな。

 こんな風に書くと個人攻撃をしているようにしか読めないだろうけど、私自身は、この元県議を個別に責めたり叩いたりする意図はない。こういう言動は暗黒小説の主人公としてはかなりのステレオタイプなので、こんな感じの人間を主人公にして暗黒小説を一本書きたいなーと思っていたのである。おいしいネタだと思っていた。

 思っていたのだけど、実話があまりに完成度高すぎて、フィクションにアレンジできない。

 発覚した件が、横断歩道の歩行者への妨害というのもいい。人が横断しているのにそこを無理矢理車で割り込もうとしたとかそういう内容である。自己中心的なドライバーがよくやる振る舞いである。


 というわけでエッセイとしてこのネタは消化させていただいて、ここで終わる。読んでいただきありがとうございました。


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