3話:大賢者との出会い
「お前たち!戦うのをやめろ。私は今からこいつと話をする。散れ!」
「「「「ははっ。」」」」
後ろを見たらメスのライオンがいた。もしかしてボスか?普通ボスはオスだと思うけど。それにしてもなぜ久しぶりと言われたんだろう?冒険者になって出会った人一人もいないはずだけどな…。もしかしてあの神様の使いかな?
「あ~、今思い出したけど今のレオは私と会ったことがないんだっけ。私は大賢者ミリア。今はわけあってライオンに変身してボスをしてるけどもとは人間、いや、マナ民族というエルフと言った方がいいか、まあそういう感じ。」
「俺はレオです。」
「もう知ってるわよ。これから一緒に冒険しない?。一応氷系の魔法が得意よ。」
何で俺のこと知ってるのだろう。こういう人が意外と裏切りとかの危険があるんだよな。でもそうだとするとライオンになって会うというのはなんか変だな。こういうのはスカラベに聞くのがいいかも。
「さっきの会話からミリア_さん?のことどう思いますか?」
「ナゼレオヲシッテイルカ、フメイ。シカシ、テキイハ、カクニンサレマセンデシタ。」
つまり安全ってことだな。おそらくだけど。
「周りに子分たちもいないし、ここでなら元の姿を見せてもいいかな?」
「服って来てますよね?」
「大賢者なんだからもちろんよ。まさか着てないこと期待してる?」
「いやいや。そんな変な思考の持ち主ではないので。」
そういってミリアさんは元の人間?(エルフと言っていたな)の姿を見せてくれた。純白の髪に青い瞳、鼻筋も整って体系もいい美人だ。あそこは控えめだけれど…まあ触らぬ神に祟りなしだな。あとエルフと言っていたけどとがった耳じゃなくて猫耳だ!あ、そういうエルフもいるってそういえば本で読んだな。
「やはり何か失礼なこと考えてるでしょ。一応相手の思考を読破する魔法もあるのよ。」
「いえ、遺憾でございます。」
「ソノヨウナジジツハ、カクニンサレテイマセン。」
さすがスカラベ様!こういうときも俺を助けてくれる。最初にダサい虫だと言ったのは申し訳ございませんでした!これからはあがめさせてください!
「怪しいけどまあいいか。で、仲間になってあげようかという問いの答えは?」
「イエス、デイイトオモイマス。」
「いいよ!これからよろしく!」
スカラベ様もそう言うし、美人な女性とデーいや冒険できるのは普通に嬉しいからもちろんOKする。
「そのスカラベやっぱり便利よね。翻訳機能とか解析機能とかあるでしょ。まだ片言だけど。あとあなた、正直に言ってレベル的にはまだ1かそこらへんじゃない?だって冒険始めてすぐっぽいし。このままじゃ私に戦闘とか頼りきりでいつまでたっても魔王を倒せないよ?」
「……セイカイデス。レオハ、マダレベル1。デモ、カイセキキノウハ、アリマセン。」
図星。俺がまだ冒険開始1時間もたってないこと、俺がレベル1だということ、すべて当たっていた。でも機能はどうだろう?そういえばスカラベ様の機能まだ確認してなかったな。
「よし、それならレオ、先ずは私や今の私の子分と戦闘の訓練をしましょう。それが終わってから私と冒険しましょう。」
「強くなれるのならもちろんやりますよ!あと解析機能とかってあったっけ?」
「まさかあなた自分のバッジの能力確認してない?それなら私から宿題。今日中にそのスカラベの機能と自分の能力をすべて把握すること。それが終われば明日から訓練をするわよ。」
「了解です!ミリア先生!」
「普通にミリアでいいわ。これから1年以上はお世話になるんだから。」
とりあえずミリアに言われた通りスカラベ様の…
「サマ、トヨバレルノモアキマシタ。フツウニ、スカラベト、ヨンデクダサイ。」
まじか。飽きるの速すぎだろ。まあいい。おそらくこういうものだと予想はしていた。
「じゃあスカラベ、今ある機能を全部解説して。」
「ワカリマシタ。」
「あとその片言って進化できる?」
「シンカジョウケンヲ、ミタシテイマセン。ゲンザイハ、フカノウデス。」
スカラベのしゃべり方を進化させるにはまだ条件がいるらしい。まあいい。俺が成長したらいつかは滑らかなしゃべりになるだろう。今のところは機能を解説してもらう。
***
1時間後、スカラベの力を借りながらだいたいの機能や自分のステータスを理解して説明できるようになった。
「スカラベの機能は今のところ3つ。
1つ目、『ワープマップ』
二日に一回地図上の好きなところをタップしてそこにワープできる。自分の魔力をためることでワープするのでレベルアップして魔力が上昇すればワープできる頻度を上げたり、より遠くへワープできるようになる。
2つ目、『翻訳アメ』
相手の言葉がわかり、自分の発言を相手に伝えることができる。動物にも使用可能。
3つ目、『質疑応答』
疑問に思ったこと、知りたいことを教えてくれる。スカラベに内蔵された知識以上の返答はできないが、それでも機能とか武器の使い方などがわかる。
4つ目、『戦闘画面』
戦闘時、RPGの戦闘シーンのようにHPバーが出たりして自分や相手のおおよその情報がわかる。
5つ目、『人間認識』
普通の人間にはその姿がただの人に見えるようになる。ミリアのような大賢者級の実力者には意味はない。
自分の今のステータスは
レベル1 HP:24 MP:2 魔力:2 攻撃力:6 素早さ:10
装備:スカラベ・ペンダント、猫手
使用可能な技:
キャットクロー:レベルが上がれば3回まで連発可能になる。使用制限時間は30秒。
猫パンチ:無制限に使える。でも威力はそんなに高くない。」
という感じだ。他の人に説明してもわかってもらえるだろう。おそらくミリアからも高得点がもらえるはずだ。早速宿題ができたことを伝えに行く。
「宿題終わったよ!」
「へえ、結構早いじゃない。それなら説明どうぞ!」
俺はできるだけわかりやすく話をした。
「……以上です。」
「いいじゃん!完璧100点満点!そこまで理解できたなら次の戦闘訓練早めにやってもいいかも。よし、今日の夜に第一回目の訓練を行うわ。私から仲間たちに話をしとくから、あんたは寝ておいた方がいいと思う。」
「え?まだ午後1時ですけど…。」
「いやだってライオンって夜行性じゃん?だから夜じゃないと機嫌が悪いのよ。」
納得。あのチンピラのような奴らの機嫌が悪いときに戦闘訓練をするのは自殺行為だ。なら今は休んで夜に備えておこう。
「夕食まで自由時間!おそらく今日の戦闘訓練は明日になるまでやるから今のうちに寝だめしといたほうがいいよ。夕食になったら起こすから。」
「でも寝れそうにないんだけど。」
「日陰で目をつぶれば寝れる!猫だからそれでいけると思うよ?」
無理やりだな。まあいいか。とりあえず今のところは休んでおこう。
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