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1 私はここにいるよ。

 ねえ、一緒に帰ろうよ。


 私はここにいるよ。 


「あの、どうして湖ちゃんがここにいるんですか?」 

 晩御飯の準備をしながら、同じように晩御飯の準備を手伝ってくれている、青竹湖に若草糸はそういった。

 青竹湖は清志郎の妹だった。

 少し歳の離れた妹。

 そして、その妹は、歳の離れたとても優しいお兄さんのことが大好きだった。

「あら? いけませんか? 私、お邪魔ですか?」

 じっと、冷たい目をして、糸を見ながら湖はそういった。

「いや、お邪魔ではありませんけど……、でも、どうして?」と糸はいった。

「私がこの家で食事をしてはいけませんか? もしいけないというのなら、夕ご飯の準備を終えたら、そのまま一人で帰りますけど……」と湖はいう。

「いいえ。別に一緒に晩御飯を食べましょう。みんなで食べたほうが食事は美味しいですから」とにっこりと笑って糸は言う。

「それにもう直ぐ、清志郎さんも仕事を終えて帰ってくるころだと思いますから」古い振り子時計(それは清志郎のお気に入りの古風な時計だった)を見て、時間を確認して糸は言った。

 時刻は七時。

 家の外はもう真っ暗になっていた。

「どうもありがとうございます」きちんとお辞儀をして、白いエプロン姿の湖は糸に言った。

 でもそれから晩御飯の準備も終えて、(今日の晩御飯はカレーライスだった。カレーライスは清志郎の大好物だった)二人でお茶の間に移動をして、ちゃぶ台の上に食事を用意し終えて、じっと、清志郎の帰りを待っていたのだけどでも、七時半、八時を過ぎても清志郎が糸と湖の待つ、古い家に帰ってくる様子はなかった。

「……兄さん。遅いですね」ときちんと座布団の上に正座をして座っている湖が言った。

「ええ。本当に」とすごく心配そうな顔をして、古い振り子時計を見て糸が言った。

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