9.ダンジョンへいこう(2)
ダンジョン内に灯りはないが、ヒカリゴケが自生していて真っ暗ではない。
出てくるモンスターもナメクジや虫のような小型のものが多い。
ソードファイターのロランが先頭になり、マジシャンのアリスが補佐をする。
アーチャーの俺は、コウモリのような飛ぶモンスター専門に攻撃する。
弓なんか使ったことがないが、リュカの体が覚えているようで、問題なかった。
というか、思っているより敵を逃さず正確だ。
ただ・・・・弓に威力がないように感じる。
腕力が足りないのか・・・・。
アリスはナメクジ型のモンスターを嫌がって、マジックロッド(足りない魔力を補う魔法石がついた杖だ)を振りながらキャーキャー言ってファイアーを打ちまくっていた。
ロランが魔力切れを心配してたしなめる。
「アリス、そんなに魔法を使ったらもったいない。
俺が倒していくけど、もし逃した場合は魔法で叩いてくれ。
あとはヒールを頼む。
俺は背後に気が回らないから、リュカは後ろを頼んだぞ。」
至極もっともなアドバイスだ。
レベル1の俺たちは、体力も魔力も少ない。
初心者ダンジョンの最深部まで行けても、戻る途中で回復する手段がなくなる、なんてこともあり得る。
回復をアリスだけに頼るのは心もとないので、ポーション(回復薬)だけは持ってきているが。
この世界では、怪我の回復はある程度できても、死んだら生き返る手段がない。
魔法も使える異世界とはいえ、命懸けだ。
安全に同じような敵を倒しまくって、レベルは4~5ほどになった。
初のダンジョンにしては美味しい。
まだ最深部までは到達していなそうだが・・・・・
「ダンジョンって、思っていたより怖くないのね!
ロランが前にいてくれるからかな?
すっごく安心だよ」
アリスが熱っぽい視線をロランに向けている。
俺だってアリスの背後を守ってるんですけどねー!
「!!」
ロランの足が止まる。
「どうしたの?」
「しっ」
ロランが振り返り、アリスを守るように肩に手をおいて、口に人差し指を当てる。
なんだこのイケメンムーブは。
俺にもやらせろ。
「何か・・・・でかい影が見えた。
ボスかもしれない」
『!!』
もうそんな場所まできていたのか?




