表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
30/33

30.王宮での晩餐(2)


「さあさあ、遠慮せずに食べてくれ。

 なんたって君たちは、娘の恩人だからな」


「身に余る光栄です、陛下」


「ロランよ、そうかしこまらずとも良い。

 そなたの父君は本当に勇敢で素晴らしい騎士だ。

 我がエストゥルードの誇りだ。

 そなたも、父君の後を継ぐ立派な騎士となるだろう」


「はい・・・・・精進致します」


歯切れの悪い返事だな。

と思いながら俺は2人の会話を聞く。


「イリーナも小さい頃からよく知っておる。

 護衛を頼んだこともあるからな」


「ええ、本当に良くして頂きましたわ。

 私の憧れでしたのよ」


「ほっほっほ、これ、このように騎士に憧れるなどと言ってな。

 とんだじゃじゃ馬な姫で困ったものだ」


「まぁ!じゃじゃ馬だなんて。

 お客様の前なのに、お父様ったらひどいわ」


「おやおや、こりゃいかんな。

 なんぞ、ついつい楽しくなってしまっての。

 こんな若い客人は久しぶりだからのう」


はっはっはっ、と笑う。

ロランのおかげで、実に和やかな雰囲気だ。

俺だけだったら、何を話したらいいか分からなくて困っていただろう。




目の前の豪勢な食事を、俺たちはたらふく堪能した。

公務があるとかで、デザートの前に王は席を立った。


「今宵はゆっくりとしていくと良い。

 イリーナや、この後のお客人のおもてなしは頼んだぞ」


「はい、お父様」


王がダイニングを出ていく。

4人だけになった。


「ねぇねぇアリス、そのドレス、気に入ってくれた?」

イリーナが聞く。


「はい、とっても!

 こんなに素敵なドレスを着たのは初めてです」


「ホント?良かった!

 絶対アリスに似合うと思ってたの。

 選んで正解だったわ、本当に可愛らしい」


服を選んだのは、この王女様だったのか。

アリスを可愛くしてくれたのはグッジョブだ。

心の中でイイネを100回くらい押す。


「そんな・・・・

 王女様に褒めていただけるなんて、光栄です」


「やだ、お父様もいないんだから、そんなに気を使わないで。

 私達きっと、年もそんなに変わらないわ。

 そうだ!ねぇアリス、今日は私の部屋に泊まらない?」


「ええっ!?私がですか!?」


「女の子同士なんだもの、いいじゃない」


「え・・・えぇ~、でも~・・・・」


「ね、ね、お願い!

 私、王宮で育ったから、同年代の女の子と話したことがあまりないの。

 こんなチャンス滅多にないわ!

 可愛いあなたの話を、ゼヒ聞かせて頂戴よ」


随分くだけた話しぶりだ。

森で会った時は、男だと勘違いするほど凛としていたのに。

こう見ると、ドレスを纏った姿は実に優雅な王女様だ。

だが話すと、決して飾らない人柄が垣間かいま見える。


「アリス、お受けしたらどうだ?

 くれぐれも失礼のないように出来るなら、ではあるが」

ロランが言う。


「ロランがそういうなら・・・・・

 でも、本当に私でいいんですか?」


「もちろん!

 こんなに可愛らしいあなたが、なぜ彼らと冒険者をしているのか、ゼヒ聞きたいわ!

 今までの旅のこともね!

 それに・・・・・」


とチラッとロランの方を見た気がした。


「ま、色々とね!

 じゃあ決まり!

 アリスは今日は私と一緒に過ごしましょ」


と半ば強引に王女様・・・・イリーナは決めてしまった。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ