29.王宮での晩餐
部屋をノックする音がする。
「お時間となりました。
広間へお越しください」
長い廊下を2人で歩く。
王様と食事なんて・・・・
なんか・・・・いざとなったら緊張してきたな。
広間の前に着くと、侍女がドアを開けてくれた。
だたっ広いダイニング。
白いテーブルクロスのかけられた長いテーブルには、所せましと食事が並んでいる。
うわ、すごいな・・・・・
こんなのアニメの中でしか見たことねぇや。
そういや俺、腹減ってたんだ・・・・忘れてた。
つか俺たち、一体どこに座ればいいの?
それに、アリスはどこだろう・・・・・
ギイ、と扉の開く音がして振り返る。
そこには・・・・・
ピンクのドレスを纏ったアリスがいた。
胸元には大きなリボン、袖や裾にはたっぷりの白いフリルがあしらわれている。
髪をアップにして、バラとリボンの髪飾りをつけていた。
か・・・・・可愛すぎる!!!!
ボーっと俺が見惚れていると
「ど、どうかな?ロラン」
アリスが聞いた。
「ああ、よく似合ってるよ。
まるでお姫様みたいだ」
柔らかく笑って言う。
「本当に?嬉しい・・・・
ロランもとっても素敵よ!
まるで王子様みたいだわ」
頬を赤らめてアリスが言う。
はいはい、始まりましたよー!
王子様とお姫様の会話ね!
俺は蚊帳の外ってか!ふんだ!
「王子様?
はは、リュカもそんなこと言ってたな。
照れくさいよ」
「リュカ?
あら、リュカも素敵よ!
まるで貴族のおぼっちゃまみたいよ」
ふふっとアリスが笑う。
「へいへい、そうですかー」
俺はひねくれた返事をする。
「なぁに~、せっかく褒めたのに!
ねぇねぇ、私のドレスどうかな?」
くるっと回って見せる。
かーーーーーっ、可愛い!可愛い!!
「お・・・・おぅ。
に、似合うんじゃねーの?
かっ・・・・かわっ・・い・・」
「王様と王女様がお見えになりました」
侍女の言葉に、俺の褒め言葉がかき消される。
俺たちは姿勢を正して待った。
ドアが開いて入ってきたのは、王様と・・・・
息を飲むほど美しい、ドレス姿の王女様だった。
アリスとは対照的に、シンプルで体に沿った形のドレス。
藍色で光沢のある布に金の刺繍が沢山入っている。
腕や背中はレースで覆われたデザインだ。
宝石のついたゴールドのネックレスに、控え目なティアラをつけてアップした髪型をしている。
王女というにふさわしい、凛とした佇まいだ。
俺たちが思わず見惚れていると
「さぁ、座りたまえ。
乾杯しようじゃないか」
と王様にうながされた。
上座に王様が座り、王女は左手側に座る。
ロランが王女と向かい合わせに座り、俺とアリスが向き合う形で座った。
白ワインのような飲み物がグラスに注がれる。
「娘を助けてくれた、冒険者達に乾杯!」
『乾杯』
グラスを掲げて乾杯する。
緊張してたけど、豪華な食事を前に腹はもう限界だ。




