21.プレゼント
宿屋で3人で夕食をとる。
前の宿より高いこともあって、夕食もいくらか豪華だ。
俺たちのテンションも上がる。
「このお肉美味しいね!
デザートもつくって聞いたから、今から楽しみ!
さすが都会の宿は違うなぁ」
アリスは嬉しそうだ。
「そうだよな!
こんな柔らかい肉は、久しぶりだぜ。
なぁなぁこのソース、バゲットにつけてもうまいんじゃないか?
ソースも残さず食べられるし」
「んん!そうかも!
家ならお行儀悪いって怒られる所だけど、ここならそんなことないよね。
リュカったら天才ね!」
俺とアリスはきゃっきゃしながら食事をする。
「ところでアリス、探し物は見つかったのか?」
ロランが聞く。
「ううん、見つからなかった」
そうなのか・・・・一体何を探してるのか・・・・
「残念だったな。
まぁそう落ち込むなよ、次の街ならきっとあるさ」
「うん!」
デザートは、りんごのような果物をシロップで甘く煮たものだった。
冷えてさっぱりしていて、疲れた体に染み渡る。
食事をすべて食べ終えて、席を立とうとした時。
「あ、そうだアリス。
渡したいものがある」
言ってロランが出したものは、アリスの目と同じ色をしたリボンだった。
「え・・・・私に・・・・?」
アリスがキラキラした目で、ロランとリボンを交互に見ている。
「ああ、大分汚れてきていただろ?
高いものじゃないけど、新しい方がいいかと思ってな」
アリスの頬がみるみる赤くなる。
「ありがとう・・・・嬉しい!
明日からさっそくつけるね!」
嬉しそうなアリスと、それを優しく見つめるロラン。
はぁ・・・・俺は・・・・・
心の中で泣きそうになる。
「あ、そうだ。
リュカ、お前にも渡したいものがあったんだ。
ほら」
『え?』
ロランの手には新しい小手。
「大グモと戦った時に大分使ったろ?
アーチャーは手を大事にしないとな。
2人には命も助けてもらったし、そのお礼だよ」
やだぁ、ロランったら素敵!しゅき!!
こいつは男心もときめかせるほどのイケメンなのだ。
が・・・・・
アリスがジトッとした目で俺を見ている。
俺、この微妙な空気にどう反応すりゃいいの・・・・?
そんな空気に気付かず
「さ、各自部屋に戻ろうぜ。
明日は情報収集の日だしな」
ロランがのんきに言う。
このイケメンは・・・・・
俺が思っているより、大分鈍感なのかもしれない。




