19.戦い終わって、夜は更けて
「おーい、出口が・・・・・」
と言いかけてやめる。
アリスがロランにもたれかかっているのが見えた。
ロランは優しくアリスの髪を撫でている。
胸が苦しい。
俺・・・・ホントに恋してるんだな。
アリスの隣にいるのが俺じゃないことが・・・・
悔しい。
3人で出口へ向かう。
外はもう日が暮れていた。
洞窟の出口は小高い丘の上にあったようで、眼下に小さく目指している街の灯りが見えた。
今日もこの付近で野営だ。
3人共疲れた顔で、口数少なく野営の準備をする。
何かこの疲労感を回復させるものを食べたいが・・・・
お、そういえば。
出口に向かう途中で倒した、ハチに似たモンスターが落としたポーションがあったな。
袋から出してちょっと味見してみる。
琥珀色でとろっとしていて、甘い。
かすかにフルーティさもある。
しかしふと、毒の可能性もあることに気付く。
げっ、まさか毒じゃないよな・・・・?
ゴクリと飲み込んでから、何ともないことを確認する。
いやな汗をかいたぜ。
よし、今日の晩餐は、ハニー風チーズバゲットに、干し肉のスープで決まりだな!
2人に食事を渡す。
焚火の暖かさが、緊張していた気分を和らげてくれる。
元の世界でも、癒されるとかでキャンプが流行っていたけど、なるほど悪くないもんだな。
まぁ俺、元の世界でキャンプなんかしたことねーんだけどさ。
「わぁ、あま~い!
あまいのに、チーズにあってて美味しい!
この上にかかってるトロトロしたのは何なの??」
アリスがはずんだ声でたずねる。
ふっふっふ、そうだろそうだろ。
女子は好きな味だと思ったんだよ。
「それはな、あのダンジョンで倒したハチみたいな敵がおとしたポーションだよ」
「ええっ、モンスターの落としたものってこと!?」
アリスは驚いて目を丸くしている。
「おう」
俺はバゲットを頬張りながら返事をした。
「はっはっは、すごいなリュカは。
それでこんなにうまいもんを作っちまうんだから。」
ロランが笑う。
「今日の弓の使い方といい、お前は本当にすごいやつだよ」
「よせよ、照れるじゃねぇか。
つうか、俺がすごいなんてよく言うよ。
自分はかの有名なベルセルク家の次男のくせにさ」
「いや・・・・俺は・・・」
ふっと顔に暗い影が落ちた気がした。
「ねぇねぇ、リュカ。
私これもっと食べたいな~。
まだ作れる??
こんな所であまいものが食べられるなんて、思ってもみなかったわ」
「へいへい、お客様。
少々お待ちくださいね」
俺はおどけた声で言う。
「あはははっ、なぁに、その返事~」
コロコロ笑う声も可愛い。
食事をして腹がふくれると、3人共すぐに寝てしまった。
明日には街へ向かう。
そこでなら、もっとゆっくり休めるだろう。
ここまで読んで頂きありがとうございます!
土日は更新できないため、次回は月曜の昼頃を予定しております。
見切り発車的にスタートしておりますので、おかしいところもあるかと思いますが・・・・
引き続きお付き合い頂ければ幸いです。




