18.ピンチを切り抜けろ
唯一の攻撃手であったロランが捕まってしまった。
アリスの魔法も効くが、無駄打ちは出来ないし、何よりロランが捕まっている今、魔法は危険だ。
「いやっ!ねぇ!!リュカどうしよう!?」
アリスは目に涙を浮かべて動揺している。
ロランは必死に糸を切ろうと剣を振る。
考えろ考えろ、考えろ俺。
異世界アニメや小説は沢山見てきただろ!
こんな時、主人公たちはどうしてた!?
魔法の使える世界で、ピンチをどうやって切り抜けた!?
魔法・・・・
カチン、と俺の矢が背中で音を立てた。
そういやこの矢・・・・
ほんのわずかだが魔力を帯びていたはず
出来るかは分からないが、イチかバチかやってみるしかない!
「アリス!!
俺がアイツめがけて矢を放つから、それにファイアーをかけてくれ!」
「え、矢に魔法をかけるの?」
「出来るかはわからないけど、今は試してみるしかない!!」
「わかった!」
頼む・・・・どうか・・・・成功してくれ!!
渾身の力で弓をひく。
狙いは定まった。
手を離したと同時に叫ぶ。
「アリス!!
今だ!!!」
アリスも今までにない速度でファイアーを唱える。
矢はファイアーの炎を纏いながら大グモの目をめがけて飛んでいく。
頼む・・・・!!アイツに届いてくれ!!!!
キュルルルルル!!!!
大グモが悲鳴を上げる。
ファイアーの炎を纏った矢は、見事に右目に届いた。
矢は粉々に砕け散ったが、効果はあった!
捕らえられていた糸が緩んで、ロランが地面に降りてくる。
「ロラン!今だ!
とどめを!!」
俺の目を見てうなずく。
「うおぉおおおおお!!」
力強い声を上げて、ロランが渾身の一撃を振りかざす。
ベルセルク家の家紋の入った美しい剣が、大グモの息の根を止めた。
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「うっうっ・・・・・良かったよぉ~~」
アリスがヘナヘナと座り込みながら言う。
「ああ・・・・2人共、本当にありがとう。
お前たちがいなければ、危ないところだった。
俺の命の恩人だな」
「なんだよ、大げさなこと言いやがって。
仲間なんだ、当たり前だろ。
んじゃアリス、ロランの怪我の手当を頼む。
俺はこの先に行って、出口が近くにないかどうか探してくるよ」
「おい、そんなに急がなくても・・・・
お前は怪我はしていないか?」
ロランが心配そうに見る。
「ヘーキヘーキ、俺はかすり傷だから」
そう言って2人から離れた。
アリスもロランと話がしたいだろう。
それに俺は・・・・今回の戦いではあまり役に立てなかったからな。
2ギルの弓に、魔法を乗せられたのはラッキーだった。
あの弓が、魔法に耐えられるかどうかは正直賭けだったからな。
俺自身に魔力はなくても、道具に魔力があれば、魔法を乗せられる。
これは大きな収穫だった。
でも多分、ロランの剣は無理だな。
なんせ由緒正しいベルセルク家の剣だ。
微量の魔力は感じるが、魔法なんかかけたら、攻撃と思われて弾き飛ばしてしまうかもしれない。
そんなことを考えながら歩いていると、背後からブーンという羽音がした。
モンスターだ。
ハチに似た初見のモンスターを弓で倒す。
先程の戦いで、レベルは16まで上がっていた。
こういうヤツが出てくるということは・・・・
やっぱりあった。
出口だ。
ほっと胸をなでおろす。
さっきの戦闘で大分疲弊したからな。
さぁ、2人の所に戻ろう。
出口が近いことを知ったら、きっと喜ぶはずだ。




