15.次の街へ(2)
ダンジョンの近くまできた。
今日はここで野営して、明日からダンジョンに入ることになる。
野営の手順はリュカの体が覚えていて、俺の指示のもと、ロランと二人でテントやかまどを設営した。
「へぇ~、リュカってこんな特技があったのね!
役に立つじゃない」
「へっへっへ、そうだろ~。
ダテに親父と山に入ってないからな」
アリスに褒められた!
リュカになって初めて良かったって思えたわ。
サンキュー、リュカ!
火を起こして夕食の支度をする。
干し肉があるからそれをダシにして、さっき採った野草を入れたスープにしよう。
チーズもあるから、バゲットに乗せて軽くあぶって食べることにして・・・・
果物なんかがあるともっと良かったけど、あいにく道中では見つけられなかった。
居酒屋の副店長をやってた俺だ。
この程度の料理は難しくない。
アリスとロランは、俺がテキパキと用意をするのをボーっとみている。
「さぁ、できたぞ~」
座っている2人に、干し肉のスープとチーズをのせたバゲットを差し出す。
「熱いうちに食べてみてくれ」
由緒正しい家柄のぼっちゃんのロランと、メイドのいる家に住んでいたアリス。
そんな2人が果たしてこの料理をどう評価するのか・・・・
ちょっとドキドキするな。
2人がそれぞれスープとバゲットを口に運ぶ。
「ど、どうかな?」
沈黙に耐えられず、俺が聞く。
「2人はうまいもん沢山食べてきただろうから、俺の料理が口にあうかどうかわからないけど・・・・」
「おいしい!」
「うまい!」
同時に声が上がる。
「すごいよ、これ、美味しいよ!
干し肉って、こんな美味しいダシが出るのね」
やった、またアリスが褒めてくれた。
「バゲットって、あぶるとこんなにうまいんだな。
こんな食べ方したことなかった。
お前・・・・ホントに俺の知ってるリュカなのか?」
ドキッ・・・・・!
こいつするどいな。
「な、何ヘンなこと言ってんだよ~!
俺だってなぁ、あれだよ、色々と勉強してんだよ」
「そうか・・・そうだな」
ロランが少し寂し気に見えたのは、気のせいか。
なるべく焚火を消さないように交代で起きて過ごしながら、俺たちの初の野営の夜は平和に更けていった。




