14.次の街へ
あの夜の後、俺はアリスに内緒でロランと話をした。
アリスの考えていたこと、この先どうやって2人でアリスを守るか。
「アリスがそんなことを?」
ロランは驚いた様子だったが、神妙な顔つきで聞いていた。
「俺は・・・・アリスは冒険に向かないんじゃないかと思ってた。
無理に俺たちと旅を続けるべきじゃない、って。」
これが、こいつなりの優しさなんだろう。
顔だけじゃなくて、思考までイケメンなのだ。
「でも、お前の話を聞いたら、俺が間違ってたんだなって思ったよ」
今後のことや、装備のこと等も話す。
前のダンジョンで稼いだギルで、武器や防具を少しだけ良いものに変えることにした。
アリスには防御が強くなるグローブを。
ロランと選んで渡した新しいグローブを、アリスはことのほか喜んでくれた。
「私、もっと頑張るね!」
良かった、元気が出たみたいだ。
ロランは、家から持ってきた装備がすでにそこそこ良いものなので、そのままで。
俺・・・・リュカは、うっすらと魔力を帯びた矢を買った。
1本2ギル。
いわゆるセール品だ。
魔力が弱すぎて、使う人はほぼいないと道具屋のオヤジに言われた。
魔力なんか最初からあてにはしていない。
2ギルなら沢山買えると思っただけだ。
あと、とりあえず前の矢より重みもあるので、弓の威力のない俺には向いているんじゃないかと思う。
ものは試しだ。
次の街へは、洞窟状のダンジョンを抜けていくしかない。
前のダンジョンより遠いから、街まで3日程はかかりそうだ。
野営の準備もして、すでに財布はすっからかんだ。
「ねぇねえ、次の街はどんな所かな?
私、自分の住んでる街以外にはあまり行ったことがないから、楽しみなのよね」
はずんだ声でアリスが言う。
「王都が近いからな。
ここいらよりも栄えてるかもしれないぞ。」
「ホント!?
私、王都に行ったら欲しいものがあったの。
その街にも売ってるかな?」
「さあ、どうかな」
2人で楽しそうに会話が弾んでいる。
微妙に入れない俺。
くそぅ。
視線を逸らす。
あ、この野草、食べられるヤツだ。
リュカの記憶が教えてくれる。
せっかくだから採っていくか。
それにしても、アリスの欲しいものって何だろ?
プレゼントしたら、またあの笑顔が見られるかな・・・・




