10.ダンジョンへいこう(3)
ズズズ・・・・ズズ・・・・
となにかを引きずるような音が近づいてくる。
「キャーーーーッ」
アリスが悲鳴を上げて青ざめる。
そこにいたのは・・・・・
俺たちの2倍はあろうかという、ナメクジ型のモンスターだった。
「こいつには、ファイアーが有効だ!
アリス!」
ロランが叫ぶ。
「あ・・・・あぁ・・・・」
アリスは青ざめたまま震えて動けない。
「くそっ!」
ロランがボスナメクジを切りつける。
青い体液があたりに飛び散るが、傷はさほど深くはつかない。
体がでかいのと軟体なのとで、物理攻撃はイマイチ効果が薄い。
「ロラン、2人でとにかく攻撃を続けよう!
こいつには手数で勝負して、体力を削っていくしかなさそうだ」
アリスをかばいながら、俺も弓で攻撃していく。
時々口から吐き出される体液の攻撃(といっても毒もないので大した痛手ではないが)をかわしつつ、とにかくガムシャラに攻撃を続けた。
2人の体力が尽きるのが早いか、コイツが倒れるのが早いか・・・・
ポーションのストックがあって正解だったな。
しばらく攻撃を続けていると、ギエェエエエーという叫び声をあげてデカナメクジは倒れた。
『よっしゃー!!!』
ロランとハイタッチで喜ぶ。
自然にそのようになったから、これは俺じゃなくリュカの記憶がそうさせたんだろう。
3人のレベルも上がり、8~9程になった。
これで帰りは楽に引き返せる。
ギルも稼げたし、ちょっとしたアイテムも落としてくれた。
貧弱なパーティーにはありがたい。
おそらくこいつは中ボスくらいなんだろうな、と思ったが言わないでおいた。
ロランは涼しい顔をしていたが、俺はもうヘロヘロだ。
どうなってんだこいつの体力は。
初めてのボス戦に高揚感と疲れを覚えながら、ふと我に返り思い出す。
「アリス!大丈夫か!?」
振り返るとそこには、泣き顔のアリスと肩を抱いてなぐさめるロランの姿があった。




