表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
9/92

EPISODE,7:女心とは、精密機械以上に扱うのが難しいものである その②

「隼斗さんはズルい」


昼休み、一緒にピアノ室で昼食をとっていたら、こんなことをいわれた。


「何で?」

「まあ、それは置いといて」

「スルーされた・・・」


それにしても、涼太もあの時、こんな気持ちだったんかな?


「隼斗さんは、その・・・私のこと、どう見える?」

「ええと・・・・・・ってあれ?もしかして、俺らの会話聞いてた?」

「どっちかっていうと、『聞こえてきた』って言うほうが正解かな」

「おおう・・・」


あれ聞いてたんかい・・・いや聞こえるような声量で話してた俺らも悪いけど。


「それで?どうなの?」

「それでって・・・あぁ、どう見えるかって話?」

「うん」


改めて、すごい興味津々の目で俺を見てくる。

少し考えた結果はというと・・・。


「一言でいうと、『かわいい』」

「・・・・・・・・・ぽ」


あ、赤くなった。

照れてるな・・・・・・。


「なんで赤くなってんの?」

「だって・・・人に『かわいい』って言われるの、私・・・初めてだし」

「十七年生きてても、一度はあるだろ」

「ううん、ないよ。だって冷酷すぎて『怖い』ってよく言われてたし」

「あぁ・・・」


小さい頃何があったんだろう・・・それはともかく、冷たい女子って

結構寄り付きにくいってよく言うもんなあ。


「ていうか、具体的に言ってよ。『こういうとこがかわいい』って

いうかさ、・・・・・・・・・超・・・・・・気になるんだけど」

「俺から見た彩音さんのかわいいところねぇ」


どうしよう・・・多分上げたらキリなくなるぞ・・・って、まあいいか。

言える分だけ、言っときゃ間違いない。


「ええと・・・まず、その黒髪だろ、きれいにしているのがよくわかる。

めっちゃサラサラしてるし遠目で見ても、わかるくらいキレイだ。

それと、淡いピンク色の唇だろ。それと、少女漫画のヒロインを連想させられる小さな鼻と、今にも折れちゃいそうな華奢な体格と肩と腕。

それから、無垢な少女を連想してしまうその小さな胸、それに近くで見たら向こうが透けてしまいそうなきれいな肌。それから・・・」


「ストーーーーーーーップ!!」


顔を真っ赤に染めた彩音さんが大声で叫んだ。


「一体いくつ出てくるの!?すごすぎて・・・ちょっと・・・

 引いてるんだけど・・・」

「ああ、ごめん!考えながら言うと止まんなくなっちゃって

 ・・・すまんな・・・」

「うん・・・でも、めっちゃうれしかった」

「そうか」

「女子はみんな男子に褒められるとうれしくなるんだよ・・・多分」

「多分かよ」


改めて思い返すと、本当に一体いくつ言えば気が済むんだっていう

ぐらいの量を言った気がする。



そう思い返すと、昼休み終了の予鈴が鳴った。


「あ、もう行かなきゃだね」

「そうだな」

「じゃあ、また明日」

「ちょっと待って」

「ん?どうかした?」

「これだけ言わせてくれ」

「何?」


俺は言い忘れていた「どうしても言いたいこと」を伝える。


「俺は、()()()『目』が()()()()()。一見、怖いように見えるけど、よく見ると

俺にはおびえている目に見える。怖い。でも、近づきたい。歩みたいって思う。そんな気持ちが伝わってくるんだよ。だから・・・」


一息おいてから俺は伝えた。


「俺には・・・()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()?って思ったんだ。」


言い切った。

なんか後々恥ずかしくなりそうなことを言った気がする・・・。

そう思ったとき、彼女は優しく俺に伝えた。


「隼斗さん・・・それは・・・()()()()()()()()()()

 というか・・・()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 でも、そういってくれてありがとう・・・ちょっと自分が

 見えてきた気がする」


そう言って彼女は微笑んだ。

その微笑みは、昨日のよりも可愛く見えてしまった。


「とりあえず、行こっか」


そう彼女から言われるまで、俺は呆然と立ちつくしていた。






『おまけ』


下校中、ふと気になったことを思い出し、彼女に聞いた。


「そういや、言わなくてもいいけど・・・」

「ん?どうしたの?」

「彩音さんって、誕生日いつ?」

「私?十月十六日」

「・・・・・・」

「隼斗さん?」


意外だった・・・言ってくれるなんて。

まあ、それだけ信頼されてんのかな?俺。


「そういう隼斗さんはいつなの?」

「俺は、九月十七日」

「ふーん」


そういうと、彩音さんは見いたことのないイタズラな笑みを

浮かべた・・・。

でもそれが、良いことか、ヤバいことの予兆なのか、わからない。

これは、当分先の話になりそうだな。


「楽しみだ」

「え?」

「いや、何でもない」


ウソだけどな。

本当は、これからの彩音さんの姿がちょっと楽しみに

なっちゃったんだよな、本当は・・・な。

EPISODE7は、予告なしの『おまけ』付きでございます。

いかがでしたでしょうか?


これ実は、昨日思いついて一日で書いたものなんですが、次話投稿にしては短いので、

今回のおまけというわけで投稿に至ったというわけです。

こんな感じにおまけ投稿を時々するのでお楽しみ。


では、EPISODE8でまたお会いしましょう。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ