EPISODE,86:今後話すことがないであろう思い出話
中学3年橋沢隼斗(15)
今以上に寝れる気がする、でも眠れない。
こんな憂鬱な日は寝るのが一番なのだが、喧騒な教室の中で眠れるはずもなかった。
「最悪だよ・・・ほんとにさ」
昨日の半ば殺し合い一歩手前までいった家族ゲンカから一夜開けても、まだ疲労がひどい。
ただでさえ昨日眠れたのかさえも覚えていないのに。
「おーい、橋沢?」
「・・・・・・」
「はーしーざーわー?」
うるさい。
なんでったって俺を呼ぶんだよほっといてくれ。
眠いんだよこっちは・・・。
「橋沢!!」
「んだよおい!」
そう言って自分の机を殴りながら顔を上げたとき、右手に激痛が走った。
見ると真っ赤な鮮血が染めていて、机の端っこが折れていた。
「マジですんませんでした」
「いや、うん。こっちこそごめん」
あのあと、保健室へと連れてかれて手当てを受けた。
浅賀涼太。
なんでもクラスの保健委員だそうで、怪我の手当てはお手の物だった。
「しっかしビックリしたよ。いきなり机の端っこ殴り折りながら顔上げるもんだからさ」
「自分でも驚いた。まさかあそこまで疲れてるとは」
「いやいや普通逆だろ。なんで疲れててあんなパワー出せるんだよ」
「こっちが知りてーよ」
そんな話をしながら手当てを終えて、教室へと戻った。
「んでまぁそれ以来、話す機会が増えて今に至るって感じ」
「そんな事があったんだね・・・」
「まぁあれは自分でもビックリしたからなぁ・・・」
思えば机折ってよくあれだけの怪我で済んだよなぁ・・・。
「そういえばお土産どうしようか」
「そのことなんだけどさ、ここからは二手に分かれない?」
「二手?」
「うん、私が水無瀬さんと、絵名のお土産買うから」
「俺は他の人達の分を買うと」
「そういうこと」
「決まり。じゃあそうするか」
そう言って俺たちは二手に分かれて、それぞれの担当のお土産を買いに向かった。
EPISODE86です。
前回の後書きで、「スランプ」に付いての話をしたんですが。
どうにもこうにも克服できる兆しが見えつつあります。
マジで危なかった気がする。
書く意欲があることがせめてもの救いですね。
ではまたEPISODE87でお会いしましょう。




