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EPISODE,81:京都へ行こう 〜その6〜

EPISODE81 京都へ行こう 〜その6〜


宿、もとい俵屋に着いてから少し休んでいた頃。


「そういえばさ、彩音」

「どうかした?」

「いや、あのさ、あれどうする?」

「あー、あれねぇ。・・・うーん、どうしよう・・・」


『あれ』とは今から数日前のことだった。




それは彩音と観光やらの予定を考えてるときのことだった。


「隼斗、ここどう?」

「どれどれ?」


彩音が示したとこは、高台寺のライトアップだった。


「おー、綺麗だね」

「ね?綺麗でしょ?でもこれ夜中なんだよね」

「夜中と言っても、日が落ちた頃合いだよ」

「それはそうなんだけどさ・・・」


何やら言いづらそうな事情があるような感じを感じた。

なんというか、これを言ったら怒られることが分かってて、どうしても言えない子供みたいな感じがする。


「せっかくの旅行だしここ行こうよ。俺行きたいよ、ここ」

「うーん・・・でもさぁ」

「ん?」

「ここ結構人多そうだし、なんか・・・。怖い」

「もしかしてさ、なんかトラウマある感じ?」

「うん、小さい頃にね。お母さんと遊園地行ったとき、ナイトパレード見たんだよね。それであまりにもはしゃぎすぎちゃって動き回っちゃって、お母さんとはぐれちゃったんだよね」

「はぐれた?」

「うん。結構人がいてね、それで人混みに巻き込まれちゃって迷っちゃったって感じ」

「そういう感じか・・・」

「それでさ、隼斗。暗い夜中のはずなのに、キラキラと光り輝いてる雰囲気。そんな中で一人ぼっちだったんだよね。その時、本当に怖かったんだよね。なんていうか、一人ぼっちが怖かったっていうか、自分の感じたことのない空間、知らない世界でただ一人ぼっちって状況だったのが怖かった」


淡々と話す口調とは裏腹に、彩音の目はどこか怯えていた。


「・・・意地悪っていうか、嫌がらせで言ってるわけじゃないんだけどさ。行こうよ、ここ」

「えっ・・・、でも」

「『トラウマ克服!』って名目じゃないってのはあるけどさ、今は俺がいるからさ」

「うん・・・」

「旅行の日まで時間あるからさ、それまで考えててよ。すぐに答えは出さなくてもいいからさ」

「うん・・・ありがと」




その日から数日経った今、タイムリミットは間近に迫っていた。

そんな中彩音の出した答えは───


「隼斗」

「ん?」

「行く。一緒に行く」

「わかった。・・・まだ怖い?」

「うん、正直怖い」

「もし怖い思いとかしちゃったら俺を殴るなりなんなりしていいから」

「うーん、そこまではしないかな?・・・でも」

「でも?」

「期待はしてる」

「ご期待に添えられるよう頑張るよ」


そういった後、女将らしい人が来て夕食の提供時間の要望を聞いてきたので、ライトアップを見終わってからにすると話した。

EPISODE81です。

下書きの少ない文章から、一気に展開できて完成できたことに驚いてたりします。

そういえば、以前知り合いから「創作意欲を削がれることとかってあるの?」って聞かれたことがありまして、正直何回かはあったりしましたけど、そういうとき寝て治っちゃってるんですよね。だからあるかないかと聞かれてもわからないってのが結論だったりします。



ではまた、EPISODE82でお会いしましょう。

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