EPISODE,75:手取り足取り
あれから数週間近く、俺は彩音と一緒に京都での行き先を考えていた。
それこそ最低でも毎日30分は話し合ってるほどだ。
「色々話し合ったけどさ、結構まとまってきたね」
「だなぁ。ここまで相当時間かかったしね」
「うん。これでもか!ってぐらい話しこんだからね。そのおかげで良い感じになったよね」
「行くのが楽しみだよ。──あ、てか」
「どうかしたの?」
「気になったんだけどさ、当日って新幹線で行くんだっけ?」
「そうだね。それがどうかしたの?」
「あぁ、いや。新幹線乗るの初めてだからさ、乗り方わかんなくて」
「あぁ、なるほどね。それなら大丈夫だよ、私が手取り足取り教えるし」
「手取り足取り教えるし、ねぇ・・・」
「ん?」
「あぁ、いやなんでもない。ありがとな」
「うん、どういたしまして?」
なんだろ。
『手取り足取り教えてあげる』って言葉に違和感を覚えた。
「てかもうこんな時間。そろっと寝よ?」
「あ、うん。そうだね。寝る準備するか」
その後、すぐに布団の準備をし、2人で眠りについた。
次の日、学校でもまだ引っかかっていた。
「隼斗?どした、なんかダルそうだけど?」
「おー、涼太か。ちょっとねぇ・・・」
「俺にでも相談するかい?」
「いやいいよ」
「なんでだよ!!」
的確なツッコミ。
・・・あれ?涼太ってこんなツッコミしてたっけ?
まぁいっか。
そんなことを考えながら俺は次の授業が始まるまでぼーっとしていた。
「隼斗?おーい?」
「はっ!?・・・あれ、電車?」
「どうしたの?今学校終わって帰ってるとこだけど?」
「あ、あれ?もう学校終わったの?」
「うーん、大丈夫?ずっとうわの空って感じだったけど」
「いやぁ、ちょっと考え事でね」
「考え事?」
「とりあえず帰ったら話しても良い?」
「わかった。じっくり話してもらうからね?」
「目が怖いですよ彩音さん・・・」
いつの間にか学校終わってたのかよ。
普通に記憶ないんですけど?
「それで?何かあったの?」
「いやぁ、なんだかね。引っかかる事があってさ」
「引っかかること?」
「うん」
帰宅後、夕食の席で彩音と自分の中の引っかかってることを話した。
「なんていうかさ、この前『手取り足取り教えてあげる』って言ったじゃない?」
「新幹線の話のときね。それがどうかしたの?」
「いや、なんかそれが引っかかってさ」
「どゆこと?」
「あー、なんつーか。『手取り足取り教えてあげる』って言われたことが引っかかってね」
「ふーん・・・、本当になんで?」
「それが俺にもわかんないんだよね。それでずっと学校で考えててね」
「うーん・・・」
彩音は、少し考えた後に口を開いた。
「私が思うにさ、隼斗ってずっと1人でなんでも乗り越えてきたじゃん?それこそ小さい頃からずっと」
「まぁ、家庭が家庭だったしな」
「それでさ、いざ『私を頼れ!』的な事言われて混乱してるんだと思う。私はそう考えたね」
「混乱?」
「わかんないけど、多分ずっと1人で辛いこととか乗り越えてきたからさ、頼り方がわかんないんじゃない?」
「あー・・・なるほどね・・・」
言われてみて気付いた。
確かにずっと1人ぼっちで、誰にも頼れずにずっと1人で辛い壁とか乗り越えてきたし、高校試験のときもずっと1人で・・・。
「今思うと相当狂ってたんだな、俺って」
「狂ってたの?」
「わかんない。まぁやってることはヤバかったと思うよ」
「そんなに?」
「別にワルになったわけじゃないよ。『1人でそんな事もやったの!?』ってことばっかりだなって話」
「ふーん。・・・今度聞かせて」
「そのうちね」
なんやかんやスッキリしたな。
そう思いながら、夕飯を食べ進めていった。
EPISODE75です。というかお久しぶりです。
まずは謝罪です。普通に悩みすぎて延期期間過ぎてました。しかも9月の初投稿が今日という事実です。マジで時間かけすぎたような感じがしますね・・・。
またこういうこともあるかもしれないですが、なるべく書き上げられるように頑張っていきたいです。
ではまた、EPISODE76でお会いしましょう。




