EPISODE,70:少しの息抜きと覚悟
(なんの用なんだろ?)
休みの日の朝、彩音から「伯父さんから伝言、『朝食食べ終わってからでも良いからすぐに談話室に来い』だって」と言われ、朝食を食べ終えて軽く身支度をした後、談話室に来ていた。
「おぉ、隼斗。よく来たな」
「はぁ、どうも」
「んでまぁ、早速本題に入るか」
「あ、はい」
・・・何の話だ?
家賃の滞納・・・、いやそれはないか。
毎回ちゃんと払ってるし。
「来週の休み。旅行へ行ってくれないか?」
「旅行・・・、もしかして、彩音とですか?」
「あぁ、ちょっと心配なことがあってな」
「心配なことって?」
「最近、彩音はお前のいないところだと生気を失ったかのような感じになってるだ」
「え?そうなんですか?」
「あぁ、形だけとはいえ、私はあの子の親だからな」
「そうですね」
まぁ、養子とはいえ、自分の子供が不安になるのも無理はないか。
・・・てかそもそもの話、彩音ってそんなことになってたの?
「・・・ってことがあったんですよね」
「私の知らないとこで何があったの?」
休み明け、俺はバイト先の水無瀬先輩と昨日あったことを話した。
「それで気になったんですけど、俺がシフト外の時ってどんな感じなんですか?」
「うーん、そうねぇ・・・。あっ」
「えっ?」
「ここ最近ずっと上の空というか、ボーっとすることが多くなったりしたし、あとはすごいぐったりしてることが多くなったかな」
「いやそれ大丈夫なんですか?」
「大丈夫でしょ。だってさっき言ってたときに君の話題出すとすごい食い付いてくるし」
「うん、あからさますぎません?」
思ったんだけどなんか俺、彩音の生命維持装置の役割になってない?聞いた分だといつの間にかなんか依存してるっぽい感じがするし。
「ねぇ、今日早めにあがってもいいよ」
「えっ、いいんですか?」
「なんか、うん。あの子のことだから多分すごい寂しくしてるかもだし」
「そうですね。じゃあお言葉に甘えて」
そう言って俺はバイト先をあとにした。
「ただいま!」
「あれ、隼斗?早かったね」
「今日は早めにあがれって言われてね」
「へぇ、珍しい。なにかあったの?」
「あぁ・・・、実は──」
帰宅後、彩音が心配になり、先輩から早くあがってもいいと許可をもらい、早く帰ったことを説明した。
「そんなに心配?」
「うん・・・。なんというか、その・・・」
「まぁ、仕方ないか。伯父さんも私のこと心配してたし、絵名とか水無瀬さんも最近大丈夫?って心配されるし」
「気になったんだけど、俺がいないときってどんな──うわっ!?」
気になったことを聞こうとした途端、彩音はいきなり飛びついてきた。
「ううっ、どうしたのいきなり・・・」
「心配かけたくない」
「・・・えっ?」
「今私がどんな感情してるのかわかんない。隼斗がケガして入院してずっと一人ぼっちでいるのが辛かったから、その分一緒にいないと辛いからかもしれない」
「そっか・・・」
「迷惑だった?迷惑だったらスキンシップ控えるから・・・だから──」
「何度も言ってる気がするけど」
「えっ?」
「そもそも迷惑だったら迷惑ってはっきり言ってるから。あと、なんか初めて自分の悩んでることはっきり言ってくれた気がする」
「確かに・・・」
「正直うれしいよ。はっきりそう言ってくれて」
「迷惑じゃないならさ、お願い良い?」
「なんなりと」
「この先もさ、こういうことが多くなるかもしれないの」
「うん」
「だからさ、家の中関係なく。私が寂しくなったり不安になったりしたらさ、その・・・」
「こういうスキンシップしてもいいかって?」
「・・・はい」
「まぁ、わかった。なるべく他の人に見られないようにしたりとか、そういう感じにすれば良い?」
「できれば、そうしてくれると嬉しい」
「わかった」
「ほんとにごめんね?私のわがままで」
「別に良いよ。寂しくさせた分、わがままの1つや2つ構ってやらないと」
「・・・ありがと」
「いいってことよ」
安堵したようで、彩音の表情は少し柔らかくなってる感じがした。
EPISODE70です。
こういう連載作品ずっと書いてると、少し違う路線のものを書きたくなる事がよくあって、長めに書くのも疲れるから短編で書いたりしてるんですけど、今日ちょっと見てみたらかなりの量が溜まっててどうしようか考えてる最中だったりします。このままボツにするのも良いんですけど、個人的に良くかけてるやつもあったりで
もったいない気がするんですよね・・・。
だから今度連載形式の短編集にしようかなと考えてます。本格的に始めることになったらまた宣伝やるかもしれないです。(もしかしたら新しい連載作品の連載も遅れるかもしれないです・・・)
ではまた、EPISODE71でお会いしましょう。




