EPISODE,68:いつぶりかの帰宅と宣言
「え?退院日が早まった?」
とある日、彩音から退院の目処が早くなったことを聞いた。
「うん、なんか主治医曰く『回復力がとんでもないことになってて明後日あたりには退院できるよ』って」
「なんで本人に言わないんだよ・・・」
こういうのって真っ先に患者に言うことじゃないのか?と思っているが、いつも見舞いに来てくれてる彩音に「言っとけばなんとかなるだろ」って思われてそうなんだよなぁ。
「てか明後日?」
「うん」
「そんな治り早かったの?」
「えっ?自覚してなかったの?」
「いやわからんて・・・ってそもそも自覚してなかったから無理もないか」
「ていうかほんとに心配してたんだからね!ほんとに!」
「いや待って?刺され具合からなんとなくヤバそうだなぁとは思ってたけど、そんなに酷かったの?」
「・・・もしかして怪我の容態とか何も知らされてない?」
「え?うん」
「えぇ・・・」
「知ってるなら教えて欲しいんだけど良い?」
「いいけど・・・、驚かないでよ?」
「はいよ」
そう言って彩音は説明しだした──
10分後
「めちゃくちゃ重傷だったのかよ!」
「本当そうなのよ!心配してたんだからね!」
そう言って抱きついてきた。
隙あらば抱きついてくるのには慣れたが、これ本心で不安だったんだろうな・・・。
「てか聞いてた感じ、俺死にかけてたの?」
「うん、余裕で生死の境にいたんだからね」
「うわぁ・・・マジか。・・・なんか心配かけてごめん」
「今が無事だから良いよ〜」
「ありがと・・・」
なんか不甲斐ない感じがするが、これ以上考えても意味ないからやめておこう・・・。
迎えた退院の日。
「うーん、やっぱずっとベッドのにいたから体力落ちてるよなぁ・・・」
「大丈夫?」
「明日からランニングかなんかで落ちた分の体力取り戻さないとだな」
「えぇ・・・私嫌なんだけど」
「待って?なんで一緒に走る前提なの?」
「逆に一人で走るんだ」
「それが普通だからね?てか彩音ってランニング苦手?」
「苦手というか走ること自体が苦手なんだよね」
「あぁ、わからなくもないかな。俺も始めた頃はすぐ息切れしたし」
「ふーん」
「で、やるん?」
「やらない」
「わかったよ」
話聞いて思いっきりやる流れかと思ったが、やらないのね。
と、そんな事を考えてる内に久々の我が家についた。
久々にゆっくり家で休める──
「ただい・・・んんっ?」
「あ、えーっと・・・」
まず目に飛び込んできたのは、乱雑に捨ててあるパックご飯のケースやらレトルトパウチのゴミが目に飛び込んだ。
「なぁ、前から聞きたかったんだけど。もしかして、料理下手?」
「あ・・・はい、そうです私料理下手です」
「なるほどなぁ・・・、オールカップ麺よりはまだマシか」
「それ褒めてるの?」
「褒めてるっちゃ褒めてる。今度料理教えるよ」
「えっ、ほんと!やった!ありがと!」
そう言ってまたドサクサに紛れて抱きついてきた。
ある意味こういうのが一番安心してしまう自分がいる。
EPISODE68です
先週はもろもろの事情で投稿できなかったんですが、原稿自体は完成できてたのが幸いでした・・・。
「俺バレ」といえば隼斗退院しましたね。こういう系の話書いてるとわかるんですけど、時間軸の調整がなかなかキツいんですよね。
ではまた、EPISODE69でお会いしましょう。




