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EPISODE,52:モヤモヤにバレンタインデーを添えて

その日、何事もなく護衛は終了した。

でも、俺には1つの引っかかるものが残った。


「自分の将来ねぇ・・・」


正直今までの自分の中に将来を考える余裕なんてなかった。

自分のクソ親がいろいろと虐待紛いのことをしてきたせいだ、最悪にもほどがある。


「どうかした?」

「えっ?」

「いや、なんかものすごい険悪な顔になってたから。相談に乗ろうか?」

「あー、大丈夫・・・、ではないかな?」

「やっぱり、思い詰めはよくないよ。それで、なにかあったの?」

「あぁ、実はな───」


かくかくしかじかと事情を説明する。


「将来考える余裕なんてないかぁ」

「まぁ、正直やりたいこととかなくても大丈夫だとは思うけどね」

「なんで?」

「普通職に就いても楽しいことばかりではないだろ?」

「まぁ、辛いこともあるからね」

「それに加えて、やりたくもないこと押し付けられるとする」

「繁忙期とか最悪らしいからね」

「俺ってそういうのあんま効かない質なんよね」

「そうなの?」

「考え方の問題なんだろうけど、今まで親から喰らってきた仕打ちに比べればまだマシな方だと思うんだよね」

「ふーん・・・」


それにしても、彩音に心配されるとか俺も甘くなったなぁ。

バイトの先輩とか学校の先生とかにも言ったこと無いのに。


「そういえば気になってたことがあるんだけどさ」

「ん?」

「隼斗って学費とかってどうしてるの?」

「高校の?俺が出してるけど」

「え?そうだったの!?」

「まぁ、俺が出してるっつーかちょっと違う気もするけど」

「どういうこと?」

「前におばさんの話したじゃん?」

「あー、夏休みの?」

「そうそう、あそこのおばさんが半分払って、もう半分が俺って感じ」

「でも、それでも結構な額にならない?」

「知り合いに教育委員会の人がいてね。その人に相談してちょっとまけてもらってる」

「なんか・・・すごいね」

「『親が育児放棄してる』って言ってしまえばこっちの勝ちだよ。証拠もバッチリ用意してるし」

「具体的には?」

「隠しカメラと盗聴器」

「うわぁあ、意外とガチだ」

「そうでもしないと認めてもらえないからね」


実際、今俺の親権はおばさんになっている。

しかし、彩音との同居の了承をきっかけに一人暮らしの訓練的な感じになっている。

(あれ今思ったけど、彩音に親権とか学費の話したことなかったっけ?)


「よく認めてもらったね」

「だって、あの人『可愛い子には旅をさせよ』がスローガンの人だからね」

「それってスローガンっていうのかな・・・」 

「まぁ、正直俺もわからんわ」


ことわざだしね、可愛い子には旅をさせよって。

そもそもスローガンとして使えるかも怪しいし。


「あ!」

「っ!?いやどしたん!?」

「ちょっとごめん!渡したいものがあって」

「渡したいもの?」

「うん、ちょっと待ってて」

「あ、はいわかりました」


そう言って彩音はキッチンへと向かった。

すると数分もしないうちに戻ってきた。

その手にはなにやらハート型の箱を持っている。


「はいこれ、バレンタインのチョコ」

「え?いいの?ありがとう!めっちゃ嬉しい!」

「ごめんね、めちゃくちゃ遅れちゃって」

「なんならバレンタインデー終わってもう10日ぐらい経ってるもんね」

「うぅ、先輩といっぱい練習したんだけど。渡す勇気なくて・・・」

「俺仮にも同居人だぞ・・・。まぁ、とにかくありがとな。ホワイトデー楽しみにしててね」

「うん!楽しみにしてるね」


良かった、てかホワイトデーどうしようか・・・。

自分の将来はまた今度考えるとすっか。

EPISODE52です。

はいみなさんわかってるかと思いますがバレンタインデーはもう過ぎてます。正直このエピソード投稿するの忘れてました\(^o^)/マジですいませんでした。

今度ちょっと気をつけます。

さて今週はインペリテリの「ウィキッドメイデン」です。ハイトーンシャウトが売りの曲でロブ・ロック(Vo)がもうほんとに最高です。

ぜひ聞いてみてください!


ではまた、EPISODE53でお会いしましょう。

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