EPISODE,38:オラクルな協定会合
協定を結んだ日から数日たった日曜日。
美空ちゃんと涼太を意地でも付き合わせるために協定を結んだことを彩音に説明
した後、そのためにどうするべきかを考えていた。
「もう無理矢理キスさせる?」
「彩音がそれ言ったら色々と終わりだよ?」
・・・とまぁ、この通りのザマである。
そもそも俺達は他人の恋路を応援したり、サポートするいわゆる『恋のキューピッド』的な経験もないので話し合いは初手から詰んでいた。
「というか、それもうすでにしちゃってるんだよね」
「えっ、何を?」
「何って、彩音がさっき言ってたじゃん」
「・・・キス?」
「うん。なんか告った直後に美空ちゃんの方からしてきたって」
「・・・マジなの?」
「マジです」
「うわぁ・・・」
「まぁ、そうなるわな」
『知らぬが仏』とはよく聞くが、この事を言うらしいな。
彩音の表情からそれを物語っていた。
「なんか、すごいね・・・。勢いのままで感じ?」
「いや、元からする予定で。『有言実行』ってやつだよ」
「っ・・・・・・」
「絶句してるなぁ・・・」
彩音も絶句しているが、一番酷い目にあっているのは、涼太だ。
あいつもいきなりファースト奪われたら逃げるよな、そりゃ。
恐怖で腰抜かしてそうだし。
それに本人曰く「生命の危機を感じたよ」って言ってたしね。
まぁ、美空ちゃんと付き合わせたらセカンドもサードも奪われるんだろうな。
それも確実に。
そう考えていた時、ピンポーンと家の呼び鈴が鳴った。
「誰だろ?」
「あぁ、多分・・・」
そう言って俺は玄関のドアを開けた。
すると、玄関の外には美空ちゃんがそこにいた。
「どうもです先輩。先に来てたんですね」
「あぁ」
「そういえば今日来るって言ってたね」
「うん。あ、そうそう紹介しておくね。この人が例の」
「あぁ、あなたが。はじめまして、文瀬美空です」
「小窪彩音です。あの隼斗、例のって?」
軽く自己紹介させたあとに、彩音に涼太と彩音のいざこざを美空ちゃんに説明したことを伝えた。
そして、ざっくりとした説明しかしてなかったので、詳細を彩音からしてもらうよう頼んだ。
「──って感じかな?」
「なるほど。すごい嫌がってるってことで良いんですよね?」
「そうだね・・・、正直不快だと思ってるし」
「もう、涼太いつストーカーになってもおかしくないからなぁ」
そういえば、涼太の話題になると彩音いつも死んだ魚の目みたいになってたな。
そもそも気になってたんだが、美空ちゃんも彩音もその目のハイライト消すやつどうやってるの?
もう恐怖通り越して、興味しかないよ?
「ところで隼斗先輩。一つ気になってたことがあるんですけど」
「気になってたこと?」
「その・・・、先輩方って付き合って──」
「「ないです」」
「あ、はいわかりました」
2人して否定するのにはもう慣れちゃってるなぁ、明らかに。
まぁ、付き合って無いのは事実だし
「それにしても不思議です」
「えっ?何が?」
「ご存じないんですか?彩音先輩は男子を毛嫌いすることで有名なんです。それにめちゃくちゃ綺麗ですし、校内の男子の付き合いたい女子一位と言われてるんですよ」
「へぇー・・・って、え?学校の女子みんな知ってる感じなの?」
「はい。それなのに・・・」
「あー、なるほどなぁ・・・」
噂の彩音はと言うと、俺の腕にしがみつき、頬ずりして甘えてますね。
どうしましょうか、これ。
「ま、まぁ、それは一旦置いといてさ話し合い始めようか」
「そうですね、今はそれどころではないのは確かなので」
こうして、うやむやにおいた挙げ句の会合が始まったのであった。
EPISODE38です。
今回紹介するのは「チルドレン・オブ・ボドム」の「イフユーウォントピース…プリペァフォーウォー」という曲です。
このチルドレン・オブ・ボドムはよく自分がブチ切れかけたり、ストレス溜まったときに聴く曲です。
かなり激しめのメタルなので、みなさんもストレス溜まった時に聞いてみてはいかがでしょうか?
ではまた、EPISODE39でお会いしましょう。




