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EPISODE,3:氷の転校生女子が2-Cを凍結させた件

予冷が鳴り、クラスのみんなが次々と席に着く。

涼太と俺は、最初から自分の席で話していたから特に問題はなかった。


「・・・・・・いよいよだな、隼斗」


急に、涼太が真剣な顔になったから、思わず吹き出してしまった。


「おい!?そんなに顔やばかったのかよ!?」

「・・・・・・違う・・・お前・・・なんで急に・・・・・・真剣な顔に・・・なってんの・・・バカかお前・・・」

「いいだろ、別に。誰だって、かわいい女子転校してきたら仲良くなりたい

 だろ?」

「いやだから、その転校生が『女子の可能性が高い』ってだけで、

 『女子だ』とは確定してねえから」

「あれ?おまえ『確定した』って言わなかったっけ?」

「言ったのは俺じゃなくて、お前だ・・・」

「・・・・・・・・・・・・・・・あ!!ホンマや!!」

「急に関西弁かよ・・・」


ただ、「可能性が高い」というだけで、「確定した」と決めつけたのは

 お前なんだよなあ。


「・・・おっ、噂をすれば・・・・・・」


先生が入ってきた。

この学校は最初に「ショートホームルーム」という(略して、SHR)、

いわゆる、「朝の連絡事項を生徒に伝えるための時間」というやつだ。

しかし、このC組の担任は、「とにかく話が長い先生」で有名だ。



SHRは、十五分の時間が設けてあるのだが、この先生は、一回のSHRで

「三十分」の費やすほどの話が長いなのだ。

倍の時間。

もう、十分休みどころか、授業の最初の五分潰れてしまっているのだ。

 なので、二年になってから最初の授業の休み時間を、「休んだ」ことがない。

しかし、今回は様子が違った。

「えーーっと、今日は連絡が一つだけだ」

少し間をおいてから先生は、

「転校生を紹介する」

そう宣言した。

すると、涼太が先生に対して、


「転校生って、もしかして女子ですかー?」


と、聞いてきた。

先生は、ただ静かに

「正解だ」

こう言った。

この一言で、クラスの陽キャどもは狂喜乱舞した。

(なぜ世の陽キャは『転校生が女子』という事実だけでこんなに喜ぶのだろう?)


「静かに。ああ、入ってきていいよ」


ガラッ。

扉の開く音が教室に響く。

入ってきた転校生女子にクラスの男子全員の視線が注がれる。


「自己紹介お願い」

「・・・はい」


転校生女子は、落ち着いた口調で自己紹介を始めた。


「今日からこのクラスに転入した、小窪彩音(こくぼあやね)です」


やっぱり・・・あの駅にいた子だ。

それにしても、駅で様子見てた時よりもわかることが出てくるけど・・・

俺から見たこの子の第一印象は「暗い」ということ、ただそれだけだった。

正直に言うと、いろいろな意味で分からないことが多すぎる。

暗すぎて、質問すらしにくいほど暗い。

そんな印象だった。

そう思っていると、元気よく「陽キャを代表して」みたいな感じで

涼太が勢いよく質問した。



「好きな人のタイプは!?」



すげぇ・・・。

こんな暗さ前回の子によくそんなこと聞けたなあ、と思った矢先、

静かな口調で答えた。



「なぜあなたに言う必要があるのですか?いくら質問とはいえ、

こんなくだらないことに、答えなきゃいけないんですか?

あと、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()、私」



・・・正論。

そして論破してしまった。(したのかは詳しくは知らんが)

涼太はというと、一言で言うなら『萎縮』していた。

かわいそうに・・・。



「最後に一言だけ」



そういうと、彼女は冷たい視線のまま



「あまり・・・()()()()()()()()()()()()()



言った。

というか、言いやがった。

完全にクラスから孤立してしまうきっかけの一言を、

堂々と言ってしまった。

EPISODE,3です。

いやあ・・・ヒロインの登場シーンを、冷たい感じにしたら

なんか、エラい「インテリ系氷の女王」みたいになっちゃいましたねえ・・・


えーそれはさておき、EXTRA EPISODEについてなんですが、まあざっくりいうと

EPISODE,1を、彩音視点だったら・・・というストーリーです。

ここ一週間、ずっとEPISODE,1を読んでて大変でした。

でも、いいストーリーに形を成したので、ぜひ、読んでいただけると幸いです。



では、またEXTRA EPISODEで

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