EPISODE,33:帰ってきたら知らんやつがいたんだが?(二名)
彩音の超人的なバイト力(とでも言うのだろうかは知らんが・・・)のおかげで、彩音は採用された。
「こんな夜遅くまでお疲れ様」
「ありがとう。でも、隼斗も頑張ってたよ」
「いやぁ・・・、彩音が一番すごかったよ」
「二人共唖然してたけど、そんなにすごかったの?私」
「唖然してたけど、どっちかって言うと先輩驚いてたからなぁ。現に普通2、3日かかるうちの研修を1日で終わらせちゃってるからね」
「そう考えると、すごいね・・・」
「だろ?」
「うん・・・。あ、ジュースありがと。今度返すね」
「別にいいよ、おごりだから。それと今日頑張ったご褒美だからね」
「・・・それは別にしてほしかったなぁ・・・・・・」
「ん?どした?」
「ううん、なんでもない」
「ならいいけど・・・。とりあえず、帰ったら遅くなったけど夕飯作らねぇとな」
「はぁ・・・、こんな夜遅くの炭水化物は絶対太る・・・」
「毎日じゃなきゃ大丈夫だよ。それに今日は胃に優しいもの作るから」
帰り道、そんな他愛のない事を話しているうちに、いつの間にか家についた。
最近じゃこういうことはよくある。
疲れていたのか、無意識にドアノブに手をかけた時
ガチャ
・・・と、明らかにドアノブが回った音がした。
というか、完全に回っていた。
「・・・・・・」
「彩音・・・?」
「ごめんなさい、鍵・・・、かけ忘れちゃった・・・」
「おおぅ、マジか・・・」
とにかく、空き巣がいたらヤバいと思い、ドアを開けた。
するとそこには、予想外の光景が広がっていた。
空き巣犯らしき人物と・・・、OL?がいた。
それだけでも十分驚くが、そのOLさんが空き巣犯を卍固めしていた。
そんな状況に対し、俺はと言うと・・・。
「このOLさん、誰??」
そう彩音に聞くことしかできなかった。
あのあと、空き巣犯を警察へと突き出し、謎のOLさんを招き入れた。
「ふぅ・・・、一仕事した後のお茶は染みるわぁ・・・」
一口お茶を飲みほっと一息ついたこのOLさんは、一条寺葉月と名乗った。
彩音や、葉月さんに事細かく教えてもらった情報をまとめると
・年齢28歳(彼氏募集中)
・『ネクラ荘』で住み込みの夜間警備員をやっている
・服装がOLを連想させるスーツ姿なのは、本人曰く「仕事着としてしっくりくるから」とのこと。
・・・などと、色々と教えてもらった。
葉月さんの話によると、いつも通り警備の仕事をしていたら、俺たちの部屋が開いていて、開けたら案の定空き巣犯がいて襲ってきたため、執務をこなし今に至る。
「「本当にありがとうございました!!」」
俺たち二人は、深々と頭を下げた。
「次から気をつけてね。最近の空き巣は何をしてくるかわかんないし、出会い頭に襲ってくることもあるんだからね」
「あ、それなら多分大丈夫ですよ」
「えっ?なんで?」
「この人が、私を守ってくれるので」
「彩音・・・?」
そう言うと彼女は、俺の腕にしがみついた。
「彩音ちゃん?さっき聞きそびれちゃったけど、その人は?」
「あ、橋沢隼斗です。最近彩音と同居してまして・・・」
「隼斗くん?さっき彩音ちゃんが『この人が私を守ってくれるので』言ってたけど、武術の類はとか習ってたの?」
「えぇ、習ってたといいますか、独学で柔道を・・・」
「なんですって!?」
いきなり立ち上がった葉月さんは、俺に向かって言い放った。
「な、なら!明日。うちの道場に来なさい!あなたが人を守るほどの力があるのか、私達が見極めるから!」
「なんかとんでもないことになってない!?」
まさかの柔道対決を申し込まれた俺は困惑した。
だが・・・
「でも、逃げたら色々と面倒なことするんでしょ?」
「まぁ、そうね。大家さんに不純異性交遊してましたよって訴えるのもいいわね」
「それ完全なデマっすね・・・。こうなりゃ腹くくりますよ。明日、本気でいきますからね」
「その意気や良し!後々怖気づくんじゃないよ!」
「はい!!」
せっかく手に入れた俺の「ここにいていい場所」を、そう簡単には諦めるわけにはいかないのだ。
EPISODE33です。
今回はわりと変な展開ばかりでしたね。「家の中に空き巣犯」、誰だって居てほしくはないでしょう。ちなみに言うと、僕は柔道経験無いです。
そんな中、今週は珍しくいい曲を見つけました。
アンスラックスの「who cares wins」という曲で、個人的に結構好きな展開の曲ですね。
最初は暗いイントロが流れ、そこから畳み掛けるようなメロディが流れてくる、といった曲です。
良かったら聴いてみてね。
では、EPISODE34でお会いしましょう。




