EPISODE,26:絶対に負けてはいけない戦い 〜前編〜
昼休み。
それは学校生活の1日に一度は必ずあると言ってもいい長めの休憩時間、もとい我々高校生の至福の時間だ。
だが、今日だけは違った。
「なんで今日に限って球技大会なんだよー!」
そう、今日は魁星高校の行事の一つ、『球技大戦〜夏の陣〜』である。
うちの高校は全国でも珍しい、『体育祭がない高校』だ。
なぜないかというと、それは数年前に今の校長の一つ前の校長が、ある日の全校集会で全生徒の前で
「私は昔から『体育祭』というものが嫌いだった。だから私は君たちに問いたい!」
と前置きしてから
「私は問おう!君たちは体育祭は嫌いか!?」
と、全生徒の前で問いかけたところ、全生徒が挙手、まさかの満場一致になってしまった。
その光景を見た校長は
「なら私はここに宣言する!今年から体育祭を廃止することを!!」
この一言に全生徒は狂喜乱舞し、先生たちは混乱し、動揺した。
そして、その宣言通り体育祭は廃止され、今に至る。
「でも、なんで球技大戦ってのができたの?」
「あぁ、それは当時の体育科の先生方が『生徒の体力不足を防ぐ』って理由で球技大会ってのができたんだけど、生徒会の人達が行事っぽい名前にしたいってわけで改名して『球技大戦』ってのができたんだって。ちなみに、夏の陣ともう一つ、冬に行う『冬の陣』ってのがあるんだよ」
「年に2回もあるんだね。・・・ていうか、なんでそんな事知ってるの?」
「涼太いるだろ?あいつのお姉さんと面識があってね。その人から聴いた」
「え?姉がいるの?」
「うん、いるんだよね、姉」
「へぇー」
会場の一つである第二体育館近くの廊下で俺は彩音と雑談をしていた。
ちなみに、さっき「そういえば、この高校、体育祭がないって聞いたんだけどほんとなの?」と聞いてきたので、さっきまでの話題を話していたというわけだ。
「そういえば、橋沢くんって何に出るの?」
「俺はバドミントンのダブルス」
「へー、ということはクラス代表ってこと?すごいじゃん!誰と組むの?」
「涼太と」
「なぜ?」
「あぁ、去年の夏の陣で一学年バドミントンダブルス部門で優勝したんだよ」
「すご!え?橋沢くんが!?」
「んなわけ無いでしょ。涼太ともう一人別のやつが組んでてね。その二人が優勝したんだよね」
「そうなんだ。もしかしてだけど、それがきっかけでモテ始めたの?」
「まあ、そうだね」
「なんかあの人、いつも私を口説こうとしてきて困ってるんだよね」
「あぁ、あいついろんなことに諦め悪いからな」
「なんとか私を諦めさせる方法ないかなぁ」
「あるんだろうかね。てか、そういえば小窪さんって何に出るの?」
「全員参加のドッチボール」
「いいなぁ、ドッチボール」
「羨ましいんだ、ドッチボール」
全員参加のドッチボールに参加している彩音を羨む俺であった。(一人一種目制しか参加してはいけないんだよね。ていうか楽しいもんな、ドッチボール)
「さて!今日は頑張ろうぜ!隼斗!!」
「いや、ものすげえ元気だな」
第二体育館で涼太と合流したんだが、涼太はやる気満々だった。(ちなみに、うちの高校は2つの体育館があり、ドッチボールとバドミントンはここ第二体育館で行われる)
「すげぇやる気湧いてるなぁ。なんかあったん?」
「ふふふ・・・、理由を聞きたいかい?」
「うん、聞くも何も。小窪さん関係だろ?」
「おお、なら話は早い!頼む隼斗!俺たちで優勝しようぜ!!」
「あ・・・、はい」
「よーし!勝つぞー!!」
「お、おう!」
涼太のペースに飲み込まれた俺は、なるべくこいつの足を引っ張らないように気をつけようと思った。
そしていよいよ、絶対に負けてはいけない戦いが始まる。
EPISODE26です。
この夏も(8月)あと12日で終わる中、小説内で夏休みネタを断念した九条桐揶は、夏=スポーツ大会の方程式を作り出し、それを前編、後編に分けることにして無理矢理夏ネタを作り出しました。(すいません、来年はちゃんとしたの書きます)
という訳で来年の夏にリベンジしたいと思うので応援していただけると嬉しいです。
ではまた、EPISODE27でお会いしましょう。
p.s後編へ続く・・・




