EPISODE,24:本当にお隣さんなんですよね?
今朝は散々な目にあった。
目が覚めたとき、身体の不自由さを感じた。
しかもなぜかものすごい既視感があった。
・・・まあ、その理由はわかる。
同居相手に抱き着かれて動けなかった、これが正体だ。
別に俺は怒ってはいない、というか、怒るに怒れないのだ。
いや、だって同居相手の女子に抱き着かれて、しかもちょっと寝ぼけた顔で『おはよう』って言われて怒るやつなんてどうかしてるよ。(※個人の感想です)
そんな今日は、俺たちが住んでるここ、『ネクラ荘』のお隣さんさんに同居の挨拶をする予定だ。
「そういえば彩音、菓子折りかなんか持ってくの?」
「あ、うん。それなら大丈夫。伯父さんがこれ渡せって」
「・・・え?これ?」
彼女の伯父さんが用意したもの。
それは、もういかにも高そうな羊かんだった。
俺の羊かんに対するイメージはというと
「謝罪に使うイメージしかない菓子折りなんだけど」
「そうなの?まあ、いいんじゃない?これいつ食べても美味しいし」
「いつ食べてもって・・・、あれ?もしかしてこれ前にもらったことあった?」
「え?うん。中学の頃に友達泣かせた男子がいてね」
「あぁ、なるほどね。それでその親からもらったと」
「うん」
そういえば、相手が謝罪するまで問い詰める時に、それが重い精神ダメージ負わせるとかなんか言ってたな。
「中学の頃から羊かんとか食べること多かったから和菓子好きになったんだよね」
「羊かん好きじゃなくて?」
「たまにおまんじゅうとか八ツ橋とか。あとほら、なんだっけあれ?名前わかんないけど花の形した和菓子」
「あー、あれね。確かになんて名前なんだろ?」
「ねー。急に言われると出てこないしね」
「わかるなぁ、それ」
和菓子ねぇ・・・。
俺も甘党だから気持ちわかる。
「今度和菓子専門のカフェ行く?」
「え?そんなのあるの?行きたい」
「じゃあ、今度の休みの日に行くか」
「やった。楽しみにしてるね」
楽しみにしてるね。
たったこの一言だけで、誘ってよかったと思えるのはなぜなんだろうな?
ところで、さっきの話が盛り上がったせいで、支度が済んでいなかった俺は、急いで済ませて向かったのだが・・・。
「すっかり忘れてたから今になってすごい緊張してるんだが・・・」
「まあまあ、リラックスだよー。隼斗」
俺たちは今、202号室の前に居る。
201号室に住んでる俺たちから見ればお隣さんであることは間違いない。
(ちなみに、番号でわかると思うが、俺たちは二階の一番端の部屋に住んでいる)
彼女曰く、お隣さんとは面識があるという。
しかも性格もいい人だという。
「こんにちはー」
「ちっ、ちょっと!?」
ド緊張のままの俺をほっといて彩音は202号室の部屋を訪ねた。
すると、部屋のドアが開いた途端、その緊張が一気に解かれた。
「おう、どしたー?」
ドアを開けた202号室の住人は、あまりにも幼いように見えた。
それはまるで
「えっ、中学生!?」
「は、隼斗!」
「・・・・・・」
その時いきなりおれの胸ぐらをつかんだお隣さんは、そのまま部屋の中へ連れ込もうとしてきた。
連れ込まれないように抵抗する俺だったが、
「いや、力強っ!?」
いとも簡単に引きずり込まれてしまった。
「おい・・・。俺を中学生呼ばわりするとは、えぇ?どういうつもりかなぁ?」
「あ・・・」
ヤバいこれ、話通じないやつだ。
ど、どうしよう・・・。
EPISODE24でございます。
いつの間にかもう8月になっている今日この頃、みなさんはどのように過ごしていますか?08/05といっても特になんもないように思えますけど、中高生の方々は夏休みも半ばに突入した人が多いでしょう。今ある夏はもう二度と来ないので、一日一日を大切に過ごしてほしいと思いながら書いてました。(そんな私は書き終わったあと、1日中ゴロゴロしちゃってました・・・、まあ、後悔しなけりゃ大丈夫ですよ)
ではまた、EPISODE25でお会いしましょう。




