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EPISODE,23:この唯一は絶対だと願う

「「ただいまー」」


こんな何気ない帰宅でも、俺にとっては特別感があった。

それはまるで、やっと信じられるなにかに巡り会えたような。

そんな感じがした。

今まで、散々苦しめられてきた家族と決別し、ようやく自分の居場所と思える場所に居られる。

まさに念願の「一人暮らし」が叶ったかと言われれば、そうとは言えない。

なぜなら・・・。


「改めまして、ようこそ。私の家へ!」


一人暮らし・・・、じゃない。

これ()()だよな、うん。

俺の友達であり、通っている高校の転校生、小窪彩音。

彼女から同居の誘いを受けて、彼女の住むアパート、「ネクラ荘」の大家さん(彼女の伯父に当たる人)との面接後、自分の親と決別後、それを報告して、ここに住む権利を獲得して今に至る。


「あぁ、改めてよろしくな」


なんというか・・・うん。

今の状況を高校の同級生に見られたら、マズいぞ、これ。

「自分の通ってる高校の友達と同居」ってだけならわかってくれる人もいるだろう。

でも、「高嶺の花(氷の)と呼ばれるぐらいの美少女と同居」という事実に対しては、敵意と殺意のパレード確定だね、間違いなく。

なんなら、俺と友達だということすら知ってる人なんて、一人もいないからね!


「隼斗さん、ちょっといい?」

「いいけど、どした?」

「あのさ、私達が同居してるってこと、他の同級生とかが知ったらヤバくない?」

「というか、どっちかって言うと俺だけ男子から滅多刺しにされるね、確実に」

「あー、ヤバイねそれ」

「そう、だから俺たちが友達関係だってことを隠すように、この同居してるっていう事実も隠すのは間違いないよ」

「そうだね・・・」


今思ったんだが、これ女子にもバレたら「付き合ってたの!?」の質問オンリーコーナーのお時間になって、もう色々終わるな、うん。


「ところで、一番知られたくない人とかっているの?」

「あー、俺は女子全般かなぁ。『付き合ってたの!?』とかそういう質問ばっかしてきて大変なことになる」

「あぁ、うちのクラスの女子ってすごい恋愛煩悩だもんね」

「そんなにかよ・・・」

「休み時間の恋バナなんか当たり前のようにしてるからねぇ」

「そんなにかよ・・・。あ、ところで彩音さんはいるの?知られたくない人とか」

「誰だっけ?あの、ほら。いつも隼斗さんと一緒にいる男子」

「あぁ、涼太のこと?」

「そうそう、あの人にだけは知られたくない」

「そう言えば、いつもしつこく話しかけてきてたもんね」

「そうなんだよねぇ。というか、あの人どんだけ身体強いの?あの人、もう正直引いてる」

「ごめんね、俺の親友が」

「え?親友だったの?」

「あぁ、言ってなかったっけ?親友なんだよ、俺と涼太」

「へぇ、仲良さそうだったからもしかしてって思ってたけど、ほんとにそうなんだ」

「言ってなかったもんね、そういえば」


こうして雑談のあと、俺は夕食の準備に取り掛かった。





夕食(彩音さんリクエストのチャーハンを作った)も食べ終わり、食休み中のこと。


「そういえば、明日日曜だね」

「そうだな。でもやることないな」

「それがあるんだよなぁ」

「ん?なんかあったっけ?」


同居に必要な書類とかならまとめて色々書いたから特にないと思ってたけど、なんかあったっけ?


「お隣さんへの挨拶だよ」

「あー、なるほどね、すっかりわすれてたな・・・」


そうだった、ここアパートだ。

彩音さん以外の住人も居るのもおかしくはないのか。


「まあ、挨拶は必要だと思うよ。急に知らん人が隣に住んでたらビビるもんな」

「そうならないためにも大切だもんね」


こういうことも含めて大切なんだけど、どうも気になることがある。


「ていうか、お隣さんに俺の存在って知られていいの?」

「大丈夫だと思うよ。別に他人にあれこれ言わない人達ばかりだし」

「そうなんだ」


まあ、とやかく言う人達はあまり居ないってことだな、良かった。


「ていうか、もう寝よ?もう夜遅いし」

「あぁ・・・」

「ん?隼斗さん?」

「いや、その・・・、布団一つしかないんだが?」

「何言ってるの?だから一緒に寝るよ」

「あ・・・、はい」

「それともう一つ」

「はい?」

「家にいるとき、お互い呼び捨てにしたいんだけどいいかな?」

「いいけど、慣れるのに結構時間かかるな」

「だからさ、間違えた時に罰ゲームを執行するね」

「マジか・・・、って何するの?」

「それは・・・」

「それは?」


少し微笑んだ彼女は、俺に向かって


「・・・明日、決めよ?」


といった。


「あ、明日かよ。まあ、わかった。じゃあ、おやすみ彩音さ・・・。んっ、()()

「ふふっ、おやすみ。隼斗」


今日から呼び捨てで呼び合おう。

なんだろ、こんなことでドキドキする自分がいることに、ちょっと不思議な気分に囚われたまま俺は眠った。



EPISODE23でございます。

今年の夏も暑いですね。

本当に外に出ただけで、後悔してしまうほどです。

なので自分は極力出ないようにしてます。

というわけで、熱中症には気をつけて。

では、EPISODE24でお会いしましょう。

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