EPISODE,22:答えの先には・・・
時刻も回って午後六時。
俺は彩音さんと共に談話室に来ていた。
親との決別を果たし、ここ、「ネクラ荘」に戻ってきた。
これから、彼女の伯父さんに決別の報告をするところだ。
「どうだ?終わったか?」
「きっちりと、終わらせてきました」
「そうか・・・。まあ、俺が言うのもちょっと変かもしれないが・・・」
「はぁ、なんでしょう?」
「その・・・、ご苦労だったな。今日までよく頑張って生きてきたな。今日からここがお前の住むべき家・・・、いや、違うな」
「え?」
「悪い、言い直すとだな。今日からここがお前の居場所だ。今まで傷ついた身体や心を、ここで存分に癒やすといい」
「あ、ありがとうございます!」
「ただな、くれぐれも『あの家に戻りたい』とか思うなよ」
「わかってますよ。───本当に、ありがとうございます」
それは、今まで親からの仕打ちや、精神的疲労から、ようやく解放された瞬間だった。
「良かったね!隼斗さん!」
「うん、やっと自分の居場所と思えるところに巡り会えたよ・・・」
「良かったな。ところで、どうやったんだ?決別つっても」
「「あ・・・」」
「何だ二人して?・・・ってまさかだけど、切ってな」
「いやいや!隼斗さんは切ったから!」
「じゃあ、どうやって?」
「実はですね・・・」
スマホを取り出した俺は、ある写真を見せた。
「これを見てください」
「これは・・・、手紙か?」
「そうです。自分の親への思いを、いったん別の紙に書き出してから、彩音さんに文章化してもらったんです」
「『置き手紙』ってやつか・・・。なるほどな。てことは、親には直接言ってないってことか?」
「そこは私が」
「彩音?」
そして、彩音さんが俺の親に対して、精神的ダメージを負わせてしまったこと。今日に限って母親しかいなかったことを話した。
「あははっ。なるほどな、要するにいつも通りの『あの性格』が出ちまったってことか。そりゃ仕方ないな」
「あの性格?」
「あぁ、こいつは昔から自分の友達とかが傷つけられたりしたとき、その傷つけた相手に自分のしたことを反省させるまで問い詰める性格があるんだよ」
「そうなんですね・・・」
だからあいつ(母親)気絶っつーか、倒れてたのか。
まあ、どれだけ彩音さんに追い詰められたのかは、本人に聞かず自分の想像におまかせしとこう、うん。
「それにしてもよかったな、彩音。好きな人と暮らすことができて」
「「え!?」」
「え?違うのか?」
「違うよ!?」「違いますよ!?」
「本当に、そうなのか?」
ハモったり、似たようなことを言っちゃつたけど、一応こう見えて付き合っていませんからね・・・。
「そうかぁ、俺てっきり、『ついに彩音にも彼氏が!?』って思ったからなぁ。すまんな、二人共」
「いえ、大丈夫です・・・」
「能天気にならないでよ。伯父さん・・・」
「はいよ。気をつけるよ」
帰り道、彩音さんはと言うと。
「なんで、隼斗さんが私の彼氏だと思われたんだろう?」
疑問の嵐に見舞われていた。
「さあな・・・。ところで、小中学校の頃って男友達とかいたの?」
「ううん、いないよ。だって、男自体嫌いだったからね」
「あー、なるほどねぇ」
「ところで、今日の夕飯中華系かいいです」
「あー、わかった。でも、時間あんまないし、チャーハンとかでいいか?」
「うん、いいよ。チャーハン好きだし」
「それなら良かった。あと、洗い物はお願いな」
「オッケー、任せて」
・・・あれ?
「「なんか、新婚みたい」」
あ・・・。
「またかよ・・・」
「っ・・・、ごめん」
「いやいや、謝んなくていいよ」
こうして二人は帰宅するのだった。
お久しぶりです。
俺バレ、EPISODE22でございます。
ここ数週間、休止期間として休んでいましたが今週から再開させていただきます。
これからも読んでいただけると幸いです。
では、EPISODE23でお会いしましょう。




