EPISODE,1:一人ぼっちの朝の習慣と女子生徒
朝日の光が自分の部屋の窓差し込む。
俺、橋沢隼斗はこうして目覚める。
時刻は午前五時。
普通の人だったら、「なんだー、まだこんな時間か・・・よし、二度寝しよう」と思うだろう。
しかし、俺はこの時間にはもう朝の支度をしている。
制服に着替え、朝食を簡単に済ませ(ちなみに、今朝はトースト2枚に目玉焼き、カフェオレだ。自慢ではないが用意と片づけはすべて一人でやるのが習慣になっている)
昨日のうちに作った弁当のおかずと、今朝作った玉子焼きを弁当に入れて、
これで自分の弁当は完成。
そして、ここまでの作業をこなし現在五時四十分。
自分の乗る電車は、六時十分の始発。
家から駅まで徒歩で約五分で着く距離だが、もうこの時間には家を出発している・・・・・・
これが俺の毎朝の過ごし方であり、習慣になっている。
中学二年のあの日から平日、休日関係なくこの過ごし方になっている。
俺は、家族であって他人のようでもある存在になってもう三年になる。
もとは俺が、あんなことをしたのが悪いけど、いくら謝っても、親は許してくれなかった。
あれから三年、俺はこの三年間で悟った事がある。
俺は家族の縁を既に切られているということだ。
「法律において」の縁を切るではなく「家族の間では」ということ。
つまり、他人から見れば家族のように見えて、家族の間では赤の他人だということだ。
実の息子に対しての暴言や暴力の数々。
それらを考えてしまったら、やるべきことは一つ。
「家出しよう」
その計画を立てているのだが、いまだにそのめどが立たないのが現実だ
った。
早く家出ねえと・・・・・・
そう考えたらいつの間にか駅についていた。
駅で電車を待とうとしたとき、ふと、その視界に入ってきた景色に疑問を抱いた。
駅に人がいたのだ
・・・・・・・・・・・・だから何?と思うかもしれないが、俺がこの疑問を抱いたのには二つの理由があった。
一つは、「この時間の電車が始発である」ということ。
俺が利用する駅「七宮駅」は、住宅街に存在しながらも、「全国始発列車が来るのに利用者が少ない駅ランキング」があるとするなら(今、自分が勝手に作った)この駅は絶対一位に入ると思うぐらい始発列車の利用者が少ないのだ。(というか、もう『いない』と断言したいくらいに少ない。
そこに人がいることにも驚いたのだが、最も疑問に思い、最も驚いたのが、もう一つの理由。
それは、「俺と同じ高校の生徒であり、女子生徒である」という事実。
自分の住んでいる近所に自分と同じ高校に通う人がいるのか。
知ろうとしなければ、知りたくもなかったので、知らないのだが、
あんな女子が自分の近所にいるのなんて聞いたことも見たこともない。
だが、もしかしたらきっと自分と同じ「この街に引っ越してきた人」なのかもしれない。
とりあえず、話しかけずあの人と少し距離をとって、電車が来るまで様子を見よう。
今、俺は電車の中にいる。
あのあと、電車が来るまで約十分だったので、その時間を使って様子を見ていたのだが・・・・・・
結論を言うならば、「何もわからない」だ
様子を見ているときに気づいたのが、「俺は自分の高校の学年どころかクラスの女子生徒の判別すらできない」ということだ。
つまり、在校生か、転校生かもわからないというのが現実だった。
ただ、外見でわかったことがいくつかあった。
1,身長は、160cmくらい
2.黒髪ロングで、スタイルがいい。
3.ただし、胸は控えめ。(BよりのC・・・って!変態か、おれはっ!!)
・・・・・・とまあこんな感じだった。
ちなみに、降りた駅は俺の通う高校の最寄り駅だった。
(てことは、俺と同じ高校か?)そんなことを考えながら駅を後にした。
この時俺はまだ知らなかった。
あの「少女」と奇妙な関係になるということ。
自分の家族に他人のように扱われている理由をあの子に話すこと。
そして、俺と彼女の犯した罪を共有することになるのは、もう少し先の話だ。
というわけで、第一話です。
いかがでしたか?プロローグがあれだから、どうやって一話につながってそのあとどうなるのか。
そう考えてくれた人が、もしいたなら嬉しい限りです。
ここで、ちょっとお知らせ。
「俺の秘密が転校生女子にバレたら同居することになりました」は、
EPISODE,2以降から、毎週土曜日の投稿の予定になります。
誠に勝手ではございますが、これからもよろしくお願いいたします。
ちなみに、次回の投稿は、4月15日の予定です。
こちらの都合上、たまに違う曜日に投稿することもあるので、ご了承ください。
では、またEPISODE,2で。