EPISODE,17:その子が満足するまで・・・
フリーズ中─────・・・
「・・・大丈夫?」
「はっ!?」
「あ、戻った」
「ふぅーっ・・・。結構長い時間フリーズしてたなぁ・・・」
「えっ?五分ぐらいだったよ?」
「あ、そんなに短い時間だった?」
「うん」
(ていうか、あれ?なんで俺、フリーズなんかしてたんだっけ?うーん・・・・・・)
「・・・って、あ!そうだ!」
「っ!?どうしたの?」
「いやいや。思い出したけどさ。さっきの『同居してください』って、あれどゆこと!?」
「いや・・・そのままの意味なんだけど・・・」
「そうじゃなくてだな・・・」
俺がフリーズする五分前。
彩音さんと、今後どうしようかの話し合いで、彼女から「同居してください」という、びっくりワードが飛び出してフリーズしてしまった・・・。
というわけである。
「まあ、驚いちゃうよね。いきなりそんな事言われちゃったら」
「驚くってレベル超えてたけどな・・・」
「そっか・・・。あ、あのさ・・・」
「どした?」
「い、いいかな・・・?その・・・」
「あー・・・同居の話?」
「うん・・・。ダメ、かな?」
「そうだなぁ・・・」
俺は少し考えた。
親と離れるために、自分の身のために一人暮らしの準備や計画を立てている。
でも、未だにそのめどは立っていない。
資金に関しては、今年というか、最近始めたバイトで確保ができた。
それでも、住む場所は、まだ決まっていない。
そんな中、彼女からの「お願い」という名の提案は、俺にとっては、大きなチャンスであり、二度とあるかわからないくらいのチャンスだ。
そう考えた俺の結論・・・まあ、こうなるよな、絶対。
「えっと・・・。正直に言うとさ。俺は家を出て一人暮らしをしようと計画してる」
「うん」
「でも、まだ何もめどが立っていない。そんなとき、さっきの話は俺にとっては、二度とないチャンスだと思ってる」
「うん」
「この話は、俺にとっては大きな得がある話なんだよ。だから・・・」
俺の気持ちを素直に吐き出すとするなら。
俺の気持ちは。
俺の答えは───
「俺は・・・ここに住みたい」
これが俺の答えだ。
一晩共に過ごしてわかったことがある。
彩音さんの家、彼女は一人暮らしだ。
でも、そこに孤独な人間である「俺」という存在が加わった途端、心に温かみを感じた。
そして確信した。
あぁ、ここが俺のいるべき居場所なんだ。
そう確信した。
その確信を踏まえての答えだ。
「隼斗さん!!」
「ちょっ!?」
彩音さんは、嬉しさのあまり俺に勢いよく飛びついてきた。
「やったぁ・・・。嬉しい・・・・・・嬉しすぎるよぉ―・・・」
「言っとくけど、『住む』って決めただけで、『同居する』とは言ってないけど?」
「やだ。『住む』じゃなくて、『同居する』にして。もちろん私と」
「でもいいのか?男の俺と同居しても?」
「私が『良いよ』っていってるんだよ。あなたなら何も問題ない」
「そうか・・・。なら、いいか?同居しても?」
「むしろして!!」
「あ、はい」
抱きしめながら俺は、同居する決意を伝えた。
それにしても、「氷の高嶺の花」だなんて呼ばれている彼女自ら同居を希望するなんて思わなかったなぁ。
それだけ、彼女に気に入られたってことなのかな?俺。
「あ、そうだ」
「どうかした?」
「いや、同居するってこと、伯父さんに言っておかないと」
「え?大丈夫だと思うよ」
「いやいや。同居するには許可とかいるでしょ?さすがに無許可で住む訳にはいかないよ」
「そっか・・・」
落ち込んでしまった彼女に対し、俺は
「大丈夫だよ。きっと」
そう言って、また頭を撫でた。
少し撫でた後、やめようとしたときのことだった。
彼女は、撫でていた俺の手の手首を掴んだ。
「やだ。もうちょっとだけ」
「わかった。あと五分だけな」
「三十分にしてくれない?」
「増やしすぎじゃない?」
結局、その半分の十五分。
俺は彼女の頭を撫でた。
俺に抱きついて、たまに俺の顔を見上げてくる姿が、とても愛おしいと思ったことは、彩音さんには内緒だ。
「さてと、行くか」
「うん」
そして俺は、彩音さんとともに「ネクラ荘」の大家。
もとい、彩音さんの伯父さんのもとへ向かった。
「俺と彼女の同居」を認めてもらうために。
EPISODE17です。
隼斗が、ついに彩音との「同居」を決心した記念すべき回です。
いかがでしたでしたか?
僕としては、二人の仲が一層深まった気がします。
ところで、皆さんの「朝ごはんの定番のおかず」といえばなんですか?
僕はベタに「玉子焼き」ですね。
家では、塩昆布を混ぜて焼きますが、塩っ気のある味が気に入ってます。
よかったら作ってみてください、とても美味しいですよ。
では、EPISODE18でお会いしましょう。




