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EPISODE,8:俺は心に「仮面」という名の「嘘」を付けている

彩音さんが転校して来て二週間が過ぎた。

彼女は、相変わらず男子には冷たい人なのだが、男子である俺とは、最初「ピアノ室」でばったり遭遇して、そこからなぜか「お昼食べよう」と、向こうのほうから誘われ、今ではもう普通に共に昼食を食べる仲になっている。

最近では、教室でも時々だが、会話を交わすようになった。

また、それまでは男女関係なく冷たい対応だった彼女は、クラスの女子とも話すようになり、ちょっとずつクラスの女子のみだが、心を打ち解けていくようになった。

そんな彼女に対して、男子たちは「怖いけど、かわいいとこあるよな・・・あのかわいい表情を自分だけのものにしたいぜ・・・・・」

という、独占欲を持つようになり、ついには告白する奴らも増えてきた。

転校初日は「お近づきになりたい」だったのが、今では「告って、オッケーもらって、デートしたい」というような具体的な感じになってしまった。

そんな彼らを、いつものように精神を凍らせたり、無言で相手を投げ飛ばしたりと・・・もう手段を選ばなくなってきたところもある。

(そういえば前に、『人投げ飛ばすほどの力あるの?』って聞いたら、

本人曰く『小学生の頃、柔道やってたんだけど。でも、小学三年の時に柔道の師範というか、先生を投げ飛ばしちゃって、その柔道教室・・・つぶれたんだよね。なんか、やる気がなくなったって言ってたし』っていっていたのだが、大の大人が、小学生女子なんかに投げ飛ばされたらそりゃやる気なくすよと、コメントしたが。あの後冷静になって考えて『どういうことしたらできるんだ?』と、疑問しか浮かばなかった)



まあそんな、ギャップが受けたのか、今では学年の「高嶺の氷の花」のような・・・・・・というか、もうそのキーワードがぴったり合う存在になっている。


「それにしても、なんか引っかかるんだよな・・・」


と、涼太が突然、そんなことを言ってきた。


「どした?」

「いや、気のせいかもしれないけどさ」

「ん?」

()()()()()()()()()()()()()()?」

「っ!?」


あ、ヤバい・・・。

涼太が勘繰りしてきた。

どうしよ・・・このままテキトーに返したら、根掘り葉掘り聞いてきて、

最悪の場合「いつも一緒に昼食を食べてます」という紛れもない事実が

知られてしまったら・・・・・・間違いない。

俺は八つ裂きどころか「サイコロステーキ」にされてしまう。

(というか、下手したら『みじん切り』、もしくは、『ささがき』にされるかもしれない・・・・・・)

ここは、「疑問に疑問を重ねる作戦」でごまかそう。


「ていうか、なんでそう思ったん?」

「ああ、なんとなく『小窪さん、隼人と話すとき、めっちゃ可愛いなあ』って言ってたやつがいたから、そこから疑問に思ったんだよ」

「そうか?いつも通りだと思うけど・・・・・・」

「そう?なら俺の気のせいか」


あーよかった、こいつバカで。

しかし涼太め、ものすごく鋭いとこついてくるなあ・・・・・・。

あいつの言う通り、「彩音さんは、俺と話している時だけ甘々になる」ということは、俺でもわかっているが、どうやら本人は自覚していないらしい。

でも、明らかに女子と話すときとも違う対応になっている。

いくらなんでも甘すぎないか?・・・というぐらいに。

にしても、やっぱり具体的な対策を考えたほうがいいな。

彩音さんに相談しとくか・・・・・・。




「・・・・・・・・・ってことがあったんだよ」

「ふーん」


どうもしっくり来ていない彩音さんと俺がいるのは「ピアノ室」。

俺たちはいつもここで昼食を食べている。


「まあ、何が言いたいかって。このままの調子だと、いろいろ誤解招いて

面倒なことになるよって話」

「・・・・・・」

「どうした?・・・・・・彩音さーん?」

「・・・やばくない・・・それ」

「うん、さっきからそう言ってたよ、俺」


この様子だと、そんなこと全く眼中になかったって、感じだな。

しっかりしている印象強いから、そこんとこちゃんとしてるのかと思ったら・・・このザマか。

でも・・・


「そういうとこも含めて可愛いんだよなあ・・・」

「ふぇっ!?」

「あ・・・しまった声に出て・・・」

「・・・・・・」

「あ・・・彩音さん?」

「そういうとこだよ・・・隼斗さん・・・」

「すみませんでした」


温かみのある視線を向けられながら怒られてしまった・・・。

もしこれが、冷たい視線だったらと思うと・・・・・・怖いじゃすまないな。

一応謝ったものの、どういうとこを直せばいいのか、分からん・・・。


「ところで、話変わるけどいい?」

「いいのか?今後の対策とか考えなくても?」

「もし、そうなったら・・・私に・・・任せて・・・・・・ね?」

「あ・・・はい」


そうだった忘れてた。

もし仮にそうなったとしても、彼女は間違いなく相手の精神凍らすじゃ

すまない対応するだろうな・・・。(ていうか、『私に任せて』って

言ってくれた時はうれしかったけど・・・あのとき、目のハイライトって

どうやって消した?)


「それで、話なんだけど」

「ああ、何?」

「もしかして、隼斗さんって、家族と仲が悪かったりする?」

「いや、そんなことないけど」

噓だ。

本当はある()()で嫌われている。

けど、俺はこのことを彩音さんに話す気はない。


「でも急にどうしたの?」

「その・・・あまり家族の話しないなあって、思って」

「彩音さんもしないじゃん」

「あ・・・」

「ね?そういうことだよ」

「うん・・・わかった」


彩音さんが納得したところで昼休み終了五分前のチャイムが鳴った。

それと同時に俺たちは教室へ戻った・・・。


「隼斗さんも・・・私と同じ?・・・・・・・・・ふふっ、そうであってほしいな・・・」



彩音さんが小声で何か言ってた気がするが・・・まあいっか。

EPISODE8です。

今週は「GW」こと「ゴールデンウィーク」ということで、皆さんは満喫しているでしょうか?

私はというと、特に旅行へ行くこともなく、家で趣味の時間を楽しんでおります。

連休明け、体内時計が狂わないように気を付けてお過ごしください。


では、EPISODE9で、またお会いしましょう。

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