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彼女ーミサキーがいた日々  作者: itako8
第二章五節 カズの告白 ~カズの告白~
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第3話 尾行されてた?

1996年9月3日(火)


あの丹波の馬鹿は……。

ホント、どうしようもない。


昼休みに図書室で勉強会の準備をしながら

その前の休み時間での出来事を思い出していた。


あいつはちょっとおバカだと思っていたが

あこまでバカだったとは……。


本日の勉強会出席者は今のところアカリと俺だけ。

他の面々はそれぞれに委員会があって遅れるようだった。


そういえば丹波は図書委員だったはずだ。


俺自身は勉強会に集中していて気付かなかったが

丹波は図書室での勉強会を見ていたのかもしれない。


それで勘違いしやがったか……。


俺はアカリから言われるがまま、

トモサカから新しく借りた過去問やミニプリントを整理していた。

前もって5人分印刷してある。

あとはプリントの整理とスケジュールを作らんとな。

アカリにはスケジュールを考えてもらっていた。


「アンタ、意外とこういうのマメよね。ホント裏方向きって感じ」

アカリから貶されてるか、褒められてるかよく分からない言葉を頂戴する。

おそらくは前もってミニプリント類を整理しコピーしていた事についてだろう。


「うるせーよ」

好きで裏方をやってるわけじゃない。

アカリやトモサカのように主役を張れるだけのモノが俺に無い……。

その中で自分のやれることをする。

……すると自然と裏方になった。

ただそれだけのことだ。


「誉めてるんだから、素直に受け取りなさい」

どうやらお褒めの言葉だったようだ。


「そうそう。アンタも友達は選びなさいよ」

多分、丹波の事だろう。


「丹波の事か?」


「アンタの友達で他におかしな奴っている?」

……他にはトモサカと遠藤ぐらいしか喋らないしな。


「馬鹿だけど、悪い奴じゃねーよ」

と思っている。今のところは……。


「まさか。アイツを勉強会に……」

顔に不満を張り付けて、アカリが問うた。


「入れねーよ!」

アイツは悪い奴じゃないかもしれないけど

それは駄目だと考えていた。


「だったらいいわ」

アカリの表情がすぐ変わる。分かり易い。


それにしても

勉強会の人数か……。

これ以上はもう増やさない方がいいんだろうな。

図書室のテーブル一つに収まる人数が良いだろうし。

これ以上、人数が増えると収まりそうに無いのは明らかだった。


そして、ホントは減らない方がいいんだろうな……。


そんなことをぼんやりと考えながら

プリント整理に手を動かしていた。


そんな中、図書委員さんが俺に声を掛けてきた。

「もう居眠りしなくなっちゃったのね。少し残念……」

また俺に居眠り防止のツボでも突きたいんだろうか?


その残念そうな面差しのまま、

いきなり図書委員さんはブッ込んできた。


「それと祭りの帰り道。良い雰囲気だったのに……。なんで告白しなかったの?」


「なっ! なっ!」

図書委員さん。あんた何言って……。


「こいつ。見た目と違ってヘタレだから出来ないんですよ」

アカリが意地の悪い返答をする。


「ちょ。ちょっと。待て! 

何で!なんで、俺が清水さんが

祭りの帰りに一緒だったこと知ってんすか?」


「えっ。……。偶然、帰る方向が一緒だっただけよ」

図書委員さんが素知らぬ顔で、しれっと答える。


だがそれは……




嘘だっ!!




これからお祭りが花火が上がり

盛り上がる直前というタイミングで

俺達は解散した。


普通だったら帰るタイミングじゃ無い!


ということは……この人。




俺達の後を付けてたな!!!!




「告白するんだったら、また図書室使ってみる?」

図書委員さんが女神もかくやという笑顔を見せて、優しく囁く。

ただしそれは他の人から見ればの話である。




俺からしてみれば悪女の誘惑である。




この人……。遠藤の告白を録音した時と同じように

またテープレコーダーで録音する気だ。



「いいじゃない! あんたも図書室使って告白してみれば!?」

アカリが図書委員さんに同調する。



いや。お前も俺の告白聞きたいだけじゃねーか?



「遠慮しておきます……」

二人の魂胆が読めたので、俺はすぐさま断った。


「この。ヘタレ!!」

アカリが大声で俺を罵った。


図書員さんは残念そうな顔をしている。


そんな顔に騙されねーからな……。

俺は!


その後、清水さん、遠藤、高宮が遅れて図書室にやって来た。


アカリと図書委員さん二人の

「声を掛けたらどうなの? そしてさっさ告白しなさいよ!」という無言の圧

を完全無視し、俺は黙々と過去問などを皆に配り

アカリに作ってもらったスケジュールの説明を始めた。

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