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彼女ーミサキーがいた日々  作者: itako8
第二章五節 カズの告白 ~カズの告白~
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第2話 ハーレム?

1996年9月3日(火)


昨日、遂に2学期が始まった。

新学期早々、アカリからは「いつ告白するんだ」と詰め寄られた。

しかも席替えでアカリの席が俺の右隣になった。

つまり、明日も明後日も罵詈雑言を浴びる羽目に……。


散々な事この上無い。


そして今日は、今日でテニス部男子一年のバカ、丹波に振り回されることになった。


「頼む。カズ。俺も仲間に入れてくれ。でなかったらやり方を教えてくれ!!」


休み時間。

別のクラスの丹波が俺のところにまで来て

顔の前に両手をピタリと合わせて、俺に頼み事をしてきた。


なんのことやらさっぱりである?


丹波からここでは話せないコトだと伝えられ

教室を抜け、人通りの少ない廊下まで連れてかれた。

その途中で、アカリと高宮が怪訝な表情をしていた。


「なんだ。丹波。仲間に入れるとか? やり方? って何の話だ?」

勉強会だろうか? とふと頭によぎる。

勉強会なら断ろう……。


コイツは女子に嫌われ過ぎている。


「ハーレム作りたいんだよ。俺!」


「はぁ!?」

違っていた!?

勉強会では無いようだが……。


はぁーれむ、だって?

俺はそんなもの作ったことも無いし

当然、作り方なんて知らない。


「作り方教えてくれよ。カズ!」

丹波が頭を下げて懇願してくる。

地面に頭を擦り付けんばかりの勢いがある。

いや。うん。何かそんな必死になるもんじゃないと思う……。


「はぁぁあぁ??? そんなもんの作り方なんて知らねーぞ!」

そもそも何で俺にそんなもん聞く!?


「嘘つけ! お前。いつもキレイどこ連れてるだろうが!!!!」

顔をこちらに向け、必死の形相。

真剣そのものである。

ただし言ってることは……お間抜けである。


「お前! 何言ってやがる??」


「とぼけんなー!!!!

図書室では清水、

部活では高宮、

下校する時は愛川とイチャコラしやがって、

果ては図書委員の木ノ本さんと図書室で密会してたんだろうが

キレイどこ四人つれて毎回、イチャコラしてるだろーが!!!!!」


……。

清水さんとは二人だけで図書館で勉強していたこともある。

高宮から頼まれれば、確かに走り高跳びを一緒にしたこともある。

アカリと二人で下校したこともあると言えばある。

図書委員さん(木ノ本さん)と密会してるのでは……とアカリが責め立てられたこともあると言えば……ある。


思い当たる節が無いわけでは無い……。


が……。




はぁーーーーー???




確かに俺はその四人と一緒にいる事が多い。

けど、別に付き合ってるわけじゃない。

このおバカ。何を勘違いしてるんだ!?


「お前は俺のことをなんだと思ってるんだ!?」


「男の永遠の夢であるハーレムを叶えた漢!」

聞いた瞬間、俺は丹波の頭の上に拳骨を落とした。


「ふぐおおぉ……」

膝を曲げ、頭を抱えて丹波は苦しみだした。


"行き過ぎたバカは殴らなきゃ分からん。ただし殴っても分からんバカもいる"

というのが俺の持論だ。あながち間違えてないと思ってる。


少しだけひるんだ丹波を俺は睨みつけた。

こいつは多分、殴らなきゃ分からんバカの方だ……。と思う。


「はっ!? 暴力なのか。女を引き付けるには暴力なのか?

お前はそれを教えようとして…

叩けば女は付いてくる。そういう意味か????」


……こいつは女に関しては相当なバカだとは知っていた。

だが、自分は思い違いをしていたようだ。

どうやら丹波は殴っても分からないバカの方だ。

丹波の頭の中にはおそらく都合のよい色欲しか無い。


声が大きかったせいもあるのか

俺達のいる廊下に人と視線が集まってきていた。


「ちげーよ!!」

周りに集まってきた奴らに

変な誤解を与えるとマズいと察し、否定する。


「俺は誰とも付き合ってねーよ」

残念ながら今は"未だ"である。


「嘘だろ? そうなのか?」

丹波が気の抜けた表情をみせた。


清水さんとはお付き合いしたいとは思ってる。

だが、残念ながら"未だ"の状況である。


「……。お前なぁ。ちょっとは自分の身になった考えろよ!」

腕組みしながら丹波を問い詰める。


「自分の好きな子が他の男とつきあってたらつらくならねぇか?」

……。少し考えてこのバカを説得出来ないか試みる。


「なるに決まってるだろ!」

このおバカにもそういう気持ちは分かるらしい。


「だったら分かんだろ? 同時に複数人と付き合うっていうことは、

付き合ってる子達全員に辛い思いさせるってことなんだよ!!」


世の中には複数人と同時に付き合う人もいるそうだ。

そんなことをすれば全員を悲しませることになる。

だからそんなことはすべきじゃない。

何か他の国とかだと一夫多妻制とかあるらしいが

あれはどうなんだろうね?


ま。俺が複数の人から想いを寄せられるなんてこと

有る訳が無いから関係の無い話だが……。


「だからさ。それをどうにかする方法をカズは知ってんだろ??」

……。こいつ。

頭ん中には虫でも湧いてんのか?

どうやらコイツとは一生、分かりあえ無さそうだ。


さて。どうしよう……?

と考えていたところに

アカリ、高宮、清水さんが通りかかった。

少し怪訝そうにこちらを見ている。

ギャラリーも増えてきた。


ふと、名案が浮かんだ。


「おい。アカリ」

こちらを一瞥して、さっさと通り過ぎようとしているアカリを呼び止める。


「何よ?」


「丹波がお前から平手打ち喰らいたいってさ」


「ちょっとーーーーー!!」

丹波が叫ぶ。

周囲の視線が一気にこちらに集まった。

しかし丹波め。

迷惑そうに見えて

少し嬉しそうな表情をしている。

やっぱこいつ、Mだな……。




「……嫌よ。そいつキモイから。触りたくない」

そんな丹波をアカリが言葉でぶった切った。

流石の毒舌美少女っぷりである。

しかしアカリの奴。本当に嫌そうな顔してら……。


そしてアカリ、高宮、清水さん

そして俺達の近くにいる女子達全員から

汚物を見るような視線を喰らって……



キモイ男代表の丹波が崩れ落ちた。



遠目でこちらを覗っていた女子達もあきらかに眉をひそめている。


「お前さ。こんだけ女子に嫌われていれば

そもそも無理だぞ……

ハーレムなんて……」


うん。しっかり反省して欲しい

無理かもしれないけど……。

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