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彼女ーミサキーがいた日々  作者: itako8
第二章三節 カズの告白 ~夏祭りにて~
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第6話 コンビプレー

1996年8月9日(金)


「みんな!! はやく食べちゃって。作戦会議よ。どこに行きたい?」

アカリがその明るさを取り戻し、仕切り始めた。

いや。お前はいいよ。俺と遠藤の飯を食って満足したんだろうから……。


それぞれが思い思いに行きたい夜店を述べていく。


「私は金魚すくいがしたいな」

まずアカリが口火を切る。


「あー。僕は射的かな」

遠藤が希望を述べる。


「私。20時からのダンスがみたくて、それにその前の手品も面白いかなって」

高宮は去年もこのお祭りに来ている。

だからこのお祭りの内容も知ってるようだ。


しかし20時か……。

まだ30分から40分は時間があるな。

それぐらい時間があれば夜店も2,3軒は回れるだろう。


「ここから見れるんじゃない?」

遠藤が付け加える。


「うん。この席で見るのがいいと思います。

その。前に行きすぎると。抜け出せなくて……」

以前にこのお祭りにきた経験があるんだろう。高宮が付け加えていた。


近くに薄暗くライトアップされたステージがある。

今は光量を絞っているようだけれど、

本番になればステージ上の演者達を煌々と照らすのだろう。


ここはステージの最も近い場所というわけでは無い。

だが、ステージが見えないわけでもない。

少し距離をとってステージ全体を見るにはちょうどいい場所だと思う。


トモサカはそれも考えて

この場所を取ったのかな? と思う。

こういうことがさりげなく出来る奴なんだよな。

ただし残念ながら人を弄ぶ"腹黒イケメン"でもあるのだが……。


「人に変に触られたり、押されたりするのが嫌ならここがいいと思います」

清水さんも同意する。


「私は前で見たいけど。浴衣が崩れちゃうかな?」

アカリはステージ近くで見たいようだ。

ま。こいつはこういう奴だ。


「やめといた方がいいと思います」

高宮が注意してた。

アカリはとにかく派手に動く。

手とか派手にふって声援とか送りそうなんだよな。こいつ。

そうすると当然まぁ浴衣がね……。


「崩れちゃうかなぁ……」

アカリがため息をついた。


うん。でも浴衣が崩れて肌が少しあらわになった清水さんをちょっと見たいと思った。

けど、同時に他の奴らには見せたくないとも思った。


「ここにまた集まって演劇をみるとして、

"続けて"僕が席取り続けるから、屋台行ってきなよ」

トモサカが言う。

あ。そういえば。

さっきも席取りトモサカに任せたんだっけ……。


「いやそりゃ。悪いだろ。俺が席取っとくよ」

流石にトモサカにずっと席取りさせてくのは悪い。


「じゃ。私も……」

清水さんも声をあげた。



えっ!



「じゃ。そうさせてもらおうかな?」

トモサカが前もって決まっていたかのように返答をした。

そして俺の足をテーブル下で少し小突いてきた。

トモサカの顔には笑顔が張り付いていた。



人を弄ぶ"腹黒イケメン"の笑顔だった。



突然の事態に頭が追いついていかない。


えっ。


なっ。


えっ。


これっ、どうなって……。


「じゃ。カズとミサキで席取りお願いね!」

そう言いながら、

アカリもアカリでこちらにしれっとウィンクしてきた。



お節介焼の"恋愛ますたー"のウィンクだった。



なっ。


なんだよ。お前ら。

わ、別れたんじゃねーのかよ。

こんなときだけ結託しやがって!!

なんだよ! 仲いいじゃねーかよ!!!


っていうかお前ら、

「二人きりにさせてあげたからね」

みたいなポーズ、止めろよな!


しかし……。


これって。


俺と清水さん、二人きりってこと!?!?

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