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彼女ーミサキーがいた日々  作者: itako8
第二章一節 カズの告白 ~期末テスト~
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第15話 アカリという天才

1996年6月20日(木)


「さてと方針が決まったわけだから、

次はそれをスケジュールに落とし込んでと……」

アカリはトモサカからもらった資料をパラパラとめくりながら呟く。


方針はアカリが先ほど示した7つ。

突貫で作った割にはしっかりした方針だと思う。

そしてこの方針に特に反対意見が出なかった。


方針

①勉強会参加者には担当科目を割り振り、その科目の教師役を責任をもって務める

②勉強会参加者は勉強会前に小テスト、過去問を前もって解いておく

③教師役は担当科目の小テスト及び過去問の説明が出来るようにする

④教師役の説明は参加者の正答率が低い問題を重点的に行う

⑤委員会や病欠等で勉強会に出席できない場合は出来るだけ事前に申し出る

⑥教師役が参加できない場合は、その科目を延期・中止するか、

又は教師役の代理を立てる

⑦本方針の変更・追加・改廃は勉強会参加者の多数決で決める


次はいつ、どれだけの量の小テストをしていくのか、

そのスケジュールを考えなければならなかった。


「しっかり単元毎それに時系列毎に分類されて保管されてる。

流石は"ユーリ"ね。

えーとこっちは小テスト、こっちが中間とか期末の過去問で……」

今、アカリは"ユーリ"という言葉を使った。

"ユーリ"はトモサカの名前だ。

勇理と書いて"ユーリ"と読む。

一時期、こいつらはお互いを名前で呼び合う関係だったと思う。

だが、今は苗字でお互いを呼んでいる。

外野の俺には何かあったんだろうと察する事しか出来ない。


「ちょっと考えましょうか!」

アカリがなにやらやる気を出している。


「エーと。テストの5日前には過去問をやり始めた方が良いし、

期末のテスト範囲は去年と同じと仮定すると……」

アカリは何やらブツブツ言いながら資料を改めてパラパラと確認する。


「何してるの?」

遠藤がアカリに質問する。


「ちょっと。集中してるから黙ってて」

アカリに一括されて、遠藤はすぐさま萎れた。


アカリは資料をざっくりと見た後、

100枚はあろうかという小テストの右下にそれぞれナンバーを入れはじめた。

……その資料、借りもんなんだがなぁ。

アカリも一応、シャーペンで書いているし、後で消せばいいか……。

俺はアカリの作業を見ながら何となしにそんなことを考えていた。

アカリはナンバリングの作業を終えると、今度はノートになりやら書き出した。

表が書かれる

横軸には日付、縦軸には科目が並ぶ。

……。日付があるからアカリが言ったようにスケジュールなんだろう。

その表に、先ほど資料に書き込んだであろうナンバーをアカリは追記していく。

遠藤、高宮、そして清水さんがアカリの行動にあっけに取られている。


「はい出来た♪ 小テストを少し前もってこの勉強会で進めて

期末の過去問をテストの5日前に出来るようにスケジュールを組んだわ♪」

アカリが満足そうに言葉を紡ぐ。

資料を見てからスケジュールを作るまでおそらく2分と掛かっていない。

遠藤、高宮、そして清水さんはその速さに茫然としていた。


そしてアカリは天井を見上げ、少し思案した後で切り出した。

「カズ。悪いけどちょっと確認してもらってもいい?」


「うん。何すればいいんだ?」


「この小テストに振ったナンバーと

スケジュールに書かれてあるナンバーで整合性が取れてるかどうか

見てもらえない。

時間掛かってももいいから、正確にね」


「分かった……」

まだ昼休み終了まで10分近くはある。


俺は小テストとスケジュールにあるナンバーを見比べはじめる。

俺にはアカリ達のような能力は無い。

ゆっくり時間を掛けて、間違いが無いかを調べた。

その間、遠藤、高宮、そして清水さんが俺の挙動を固唾を飲んで見守る。


「うん。数字は合ってる。

漏れとかダブりは無い。

それに各科目の最後の数字も勿論、合ってる。

ばっちりだ!」


その言葉に

アカリは満足そうに頷いた。

ただし遠藤、高宮、そして清水さんはただただ茫然としていた。


スケジュールが決まった後に

俺が心配していた各科目の担当はむしろすんなり決まった。


各担当

アカリ  現国、歴史

ミサキ  英語、化学

タカミヤ 古典、公民、生物

エンドウ 地理、物理

カズ   数Ⅰ、数A

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