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彼女ーミサキーがいた日々  作者: itako8
第一章 ミサキとの出会い
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第14話 アカリの厄介なお節介

1996年5月29日(水)


「あんた。なんで正直に話さないのよ!」

アカリに遠藤の告白計画を正直に話すと

彼女は図書室近くの廊下でこう言い放った。


「お前に話すと、全て無茶苦茶になるからだよ!」

俺は決して間違えていない。

現に俺と清水さんの仲は壊滅的になりかけた。


ただ図書委員さんと俺の説明を受けて

清水さんは少しホッとした表情を見せていた。

誤解が解けて本当によかった。


「じゃ。私たちも当日にお手伝いしましょ!」

清水さんを誘いながら告白の現場に立ち会おうとする。

お。おい。また引っ掻き回すつもりかよ。


「いらん!」

問答無用で断る。


「何で断るのよ! 人がせっかく手伝うって言ってるのに!」


「もう何も準備はいらん!」


アカリがそれを聞いた瞬間、清水さんにこそこそと耳打ちする。


「あいつ。あんなこと言ってるけど

本当はさっき私が言ったとおり、

あの図書委員さんと……で……な事するつもりよ」

その言葉を聞いてみるみる清水さんの顔が落ち込んでいく。

俺も清水さんも泣きそうだ。


だぁー。もう分かった。分かったよ。

「分かったよ。来ればいいよ。来れば!」

疑いを解くには当日立ち会わせるしかないようだ。


アカリがニヤリと笑う。

ぜってーわざとだこいつ!

「その言いぐさはないんじゃない! 来て手伝って下さい。でしょ!」

俺こいつ嫌い。

絶対嫌い。

顔が良くても、スタイル良くても駄目。

全身全霊で嫌いだ。こいつ。


……。もうどうしようもないから言う事聞くがね。


「来て。手伝ってください」

怒りの声を押し殺して、頼む振りをする。

おまけに頭も下げてやろう。

ココロん中ではこいつぶち殺すと思ってる。


「よろしい!!!」

アカリが文字通り胸を張って答える。

すんげーむかつく。




この怒りのせいでこの日の午後の中間試験も上手くいかなかった。


遠藤の告白まで上手くいかなかったら絶対アカリのせいだ。

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