表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
偽りの群青  作者: まるだいず
3/6

第一章 3.

3.

 翌朝、室伏と野上はホテルの食堂にいた。朝食は、ビュッフェ形式で、並んでいたのはうどんやラーメン、寿司など当たり障りのないものばかりだった。

「で、今日はどこ回るんだ?」

 野上はトーストにかじりつきながらそう言った。彼は朝から不満そうだった。

「K商事と田中貿易だな」

 室伏はそう言った。彼の背後には池田満寿夫のリトグラフ「宗達讃歌」が掛けられていた。

「田中貿易か……。俺、あそこの社長、苦手なんだよな」

「そうか?」

「アンタは気に入られているからな。あまり気にしなくていいし、だから、そんなに呑気なんだよ」

 野上は不満そうに口をへの字に曲げながらそう言った。

「……次のニュースです。昨夜、すめらぎ市内で、高倉一郎さんが何者かに殺害される事件が起きました」

 ふと、テレビのニュースが流れる。その名前に室伏は聞き覚えがあった。

「どうした?」

 野上はスープのカップに口をつけながらそう言った。

「いや、昔の知り合いと似た名前の奴がニュースに出ていてな」

 室伏がそう言うと野上は「そうか」といった。

「聞かないのか?」

「別に?関係ないしな」

「そうか」

「さ、はやく食べちまおうぜ?あそこの社長、時間に煩いからさ」

 野上は、笑いながらそう言った。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ