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いろはきょうをこえていく  作者: 七瀬夏樹
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一章新しいお友達


〜1章〜

「今日はお疲れ様、特別クラス合格者は明日東棟の二階だからなー」

「はーい」

先生の号令そして受験者の返事とともに今日が終わった。

合否はその場で言い渡され、合格に当たる特別なバッジを受け取った。

花の形をしつつも真ん中に学校の紋章が入っていた。

「これ…桔梗の花か?」

「可愛い」

膝枕してくれた少女とともにその合格用バッジをもらい帰路につこうと準備する。

今日は学校の普通の部屋…ではなく、体育館に学校指定のランドセルが置いてありそれを回収し帰宅しよう…。

帰り道、バッジを一緒にもらったのもあり彼女とともに帰ることになった。

「そういえば自己紹介まだだったね、あたし、さやか、神楽坂 彩って言うの」

よろしくね、とにこっと無垢な笑顔を向けられる。

「よろしく神楽坂さん」

「さやかでいいよ!えへへ」

ちょっと照れた顔をする…そーいや彼女僕の名前知ってたよな…。

「なぁ、さやか、なんで僕の名前知ってたんだ?」

「ん?…実はね、いろはくんのお母さんを知ってるんだ」

「え?母さんを?」

「うん!そしてお話しした時にいろはくんの話聞いてね写真見せてもらったの同い年の男の子だって髪の色と目の色の特徴があったから君かなって」

「わぁそんなことが…もしかして、さやかの家もすごい家なの?」

「んーどうなんだろう?」

なぜそんなことを聞いたのか、それは今僕が住んでるところが、一般とはかけ離れてる生活をしているからである。

前世を断片的思い出したのもあって、どうやらお家の考えは非日常なのだと。

まず苗字から、僕の苗字は日野神。

もうこの時点で特殊な苗字である。

今は何もしてなくても昔何かしらした一族ではないかと思うくらい立派な苗字なのである。

名前はともかく見た目はそんなに変じゃないはずなんだけど…。

「髪色とか目の色そんなに特殊だった?」

染めたりしてないし自然な色だと思ってたけど。

「そんなことないよー綺麗な髪だし綺麗な目をしてるよ」

ずいっと顔を寄せてくる、結構グイグイくる子だな。

とか思いながらも他愛ない話をしていると、後ろから声をかけてくる女性。

この声…聞き覚えある。

振り返ると、私服姿の宇佐美さんの姿があった。

「坊ちゃんおかえりで」

「宇佐美さんお疲れ様です、今から出勤で」

「はい、坊ちゃんも本日の試験お疲れ様です…そちらのお方は?」

「はっはじめましてさやかっていいます!」

「はじめまして、宇佐美と申します」

ペコリと丁寧に頭を下げる宇佐美さん少し、カチコチになりながらも同じように頭を下げるさやか…なんか不思議な光景だな。

「まさか坊ちゃんがお友達と一緒に帰ってくるなんて、ゆかり様もお喜びになります」

「え?そんなに?」

「はい、さやかさん坊ちゃんとぜひ仲良くしてくださいね」

「うん、こちらこそよろしくおねがいします!」

そう宇佐美さんに言ったあとちゃんとこちらにしっかり向き直り

「改めてよろしくね、いろはくん」

「あっあぁこちらこそ」

勝手に脳内で友人ができたことに特別なSEが流れた、前世の僕はわりかしゲーム脳だったのかな…。

「…といけない、そろそろ向かわないと、にぶるさんに…」

「わたくしがなんですって?」

「ひっ!」

「にぶるさん」

「わぁまた増えた」

「坊ちゃん…と神楽坂家のお嬢さん」

こちらにも気づいたのかにぶるさんの目線がこちらに行く、さやかはちょっと怖かったのか小さな声で『ひっ』と出してた。

にぶるさんは目つきは悪いけどいい人なんだけどなぁ。

「ちょうどよかった、坊ちゃん、そして神楽坂家のお嬢さん、実はゆかり様からお迎えに上がるようおねがいされていたのです」

「え?母さんから?」

「はい、ゆかり様は神楽坂当主と話があるそうなので御二方のお迎えを頼まれました」

「お父様とですか」

「はい、なので参りましょう」

そういい先頭を歩くにぶるさん。

「そういえばお家に向かうの?」

こそっと僕に聞いてきたさやかの疑問に僕はこう返した。

「いや、行くのは母さんが経営してる

仕事場になると思う」

「仕事場?」

「母さん…宿屋のオーナーなんだよね」

「わぁ」

そう、僕のうちは一般とは変わってるんだよね。


〜続く〜


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