第9話:もう一人の家族
「リョウ!今帰ったぞ」
騒がしくてすいません。
こんばんわ、リョウです。
また厄介なやつが増えました。
というより帰ってきました。俺の家族の一人です。
「リョウどうしたんだ?浮かない顔して」
あんたが帰ってきたかだよ!と言いたい
この、自分のことをまったく分かってない迷惑なのは俺の兄です。
兄の荻原 荘介。21歳。
職業不明〔ただ、こいつの財布にはいつも10万位は入ってる〕
いつも旅に出かけてるためあまり家にいない。
今日もよく分からない旅から帰ってきたところだ
「今度はどこに行ってたんだ」
今度はどんな無茶をしたのだろうか
「秋田県にな」
「・・・・・?なんで」
特にソウ兄〔そうすけの呼び名〕と関連が無いと思うんだけど・・・
「鬼退治しに行ってきた」
何やってんの!?
もうこいつ人間じゃねえよ。
鬼って幻想の中の生き物だろ、秋田にいねえよ
「ただ、倒したのに住人から文句を言われてしまった・・・・・・・」
ソウ兄はけっこう落ち込んでるようだ。
「それってどんな鬼?」
少し気になって聞いてみた。
「それが、おかしな鬼でな。わるい子はいねえかって聞くんだぜ」
「今すぐ秋田の人たちに謝って来い!!」
どうやら、ソウ兄が倒したのはなまはげのようだ。
秋田の人たちごめんなさい。
その後兄はまた旅に出た。
もう帰ってこないことを切実に願う。