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転生者の苦悩 ~呉呉末  作者: 近藤 了
第二部 第一章 業炎の序
55/102

5,放火魔事件(2)

 服屋を出た俺たちは、喫茶店で時間を潰すことにした。

 喫茶店「アイソレーション」の一角にて。

 俺たちは向かい合ってテーブルに着き、それぞれが注文した飲み物を飲んでいた。といっても、頼んだのは二人ともコーラだったのだが。

 透明なガラスコップの中に、シューッと音を立てる黒色の炭酸飲料。長いストローから口を離して、セイラが言う。

「ごめんなさいね。付き合わせちゃって」

 俺の知る限りではいつも無表情だった彼女にしては珍しいのだろう、少しだけ自嘲気味に笑う。

 さっきマーシーと会話してる時も、わずかに表情が動いていたし、全くの無表情と言うわけでもないのだろう。付き合いが長い間柄であれば、彼女も表情を漏らすのかもしれないし。

「いいよ。別に、予定なんてなかったし」

 正直に言ってしまえば、どうでもよかった。

 時間を無駄にしているという考えはあったが、しかしながら俺には時間を無駄にできない事情など無い。

 学校から下校した後は、普通の学生のように勉強するわけでも、友人たちと遊びに行くでもない。レンのように、自主的に訓練したり、魔法の研究・開発に精を出すでもない。

 下校後は、特に予定がなければ家の中で寝たり、最低限学校から出されている宿題をこなしたり、後は買出しに出たりだ。時折ふざけるようなことはあるけど、ありきたりな毎日。一人暮らしとなった今年からは、特にそれが顕著である。

 別に不満もないし、日常に刺激が欲しいとも思わない。平穏が続けば、それで何よりだ。

 だから、少しばかり面倒事に付き合わされても、俺が迷惑だと感じなければ別に構わない。

 自分でも、結構ドライだと思う。

 孤独が好きとか、一匹狼気質とかでもないのに。それに、本当に極稀に、暇を持て余すことだってある。

「カワキくん」

 セイラの俺を見る目が、やや上目遣いになる。

 彼女のその仕草が、俺に探りを入れようとしているように感じた。

「今日も泊めてもらっても、いいかしら?」

「ああ、いいよ」

 昨日今日と彼女と話したりしてみて、彼女が騒がしい女じゃないのは充分にわかる。家に泊めていても、別にストレスになることもない。

 どうやら彼女は、同年代の男の家に一人で泊まるということに大した抵抗を抱いていないようだし。

 でも、そうなってくると、また別の問題が出てくるわけだ。

 一体、彼女の両親はどう思っているのだろう?

 そもそも、彼女の両親はこのことを知っているのか?

「娘をよくもたぶらかしてくれたな!」なんて押しかけられてきても困るぞ。

 それとなく、彼女に訊いてみる。

「カミネさんのご両親はどうなの?」

「何が?」

 きょとんとした顔で、問い返してくる。

「カミネさんが俺の家にいること、ご両親は知ってるの?」

 ストローを弄んでいたセイラの指が、ぴたりと止まった。

 ――地雷を踏んでしまったのだろうか。

 セイラはふっと息を吐きだし、答えた。

「知らないはずだわ」

「それは、まずいんじゃない?」

「……そうでもないわ」

 彼女の口調は、ことさらにそっけなかった。

「もう、知ることもないと思う」

「…………」

 それは、もう家には帰らないということなのだろうか。それとも……。

「カミネさん、君の家は、どこ?」

 俺の問いに、セイラは沈黙を返す。

「……まあいいや」

 俺が詮索しても、利益はない。

 だから、彼女に質問するのはやめた。

「わたしの家、気になるの?」

 ――なのに、彼女は自分から話題を掘り返してきた。

「そりゃあ、ないわけじゃないけど」

「そう」

 彼女はそこで一息を吐くと、半目に開いたまなこで俺の顔を覗いてくる。

「君は何も言わないのに?」

 ……なんて?

「カワキくんの家って、どうしてあんなに物がないのかしら?」

 セイラは、探るような目つきだった。

 いつも無表情だった口許に、小さな微笑みを浮かべていて、俺をからかうように見上げてくる。

「……生活する上では、あれだけあれば充分だから」

 答えれば、彼女は何故かくすりと笑う。

「殺風景でつまらなすぎたかな、俺の部屋って」

「ううん。君の家は、なんだか落ち着くわ」

 自嘲気味の俺の言葉に、セイラはそんな言葉を返してくる。

 少し、意外だ。俺の家は、俺自身が思ってしまうほど何もない。生活するのに必要最低限の物しかなく、思春期の学生らしさなど欠片もない。

「落ち着く、かなあ……」

 俺にとっては自宅という安心感があるが、セイラにとっては一昨日初めて上がった赤の他人の家だ。洒落た内装でもない他人の家にいて、普通落ち着くだろうか?

 少なくとも、俺は落ち着けるとは思えない。他人の家があんなに殺風景だと、逆に不気味だ。

 セイラは、急に表情を静めて、言う。

「ええ。なんというか、カワキくんの家って、あの人・・・の家に雰囲気が似てて……」

「あの人?」

 誰のことだ?

 セイラは、しんみりとした表情から、またくすりと笑うような微笑みへと変える。

「ごめんなさい。昔、お世話になった人がいるのよ。その人の家とカワキくんの家って、結構似てるのよね。家具をあんまり置いてないところとか」

 何が可笑しいのか、セイラはくすくすと微笑わらう。無表情な彼女を見ていると想像できない、彼女の可愛らしい面だった。

「その人のこと、好きなの?」

 そいつ・・・の話をする彼女は、人が変わったようにとても楽しそうだった。

「えっと……」

 セイラは少し躊躇するように黙り込むと、やがて小さな声で言う。

「好き、だった・・・……かな」

「……だった」

「うん。あの人とはもう、二度と会えないから」

 なんだか、自分から地雷を踏んでしまったようだ。

 二度と会えないって、それはアレか。もう死んだって意味なのだろうか。そうとしか解釈できないぞ。

「カワキくん。君、結構、彼に似てるわよ?」

「…………」

 そんなことを言われても、応答に困る。

 故人に似てるとか言われてもなあ。

 第一に――、

「なら、俺はその人のこと、好きになれそうにはないかな」

「どうして?」

「俺、自分のこと嫌いだもん」

 自分に似ている人間など、それこそ吐き気がする。彼女の想い人が俺に似ているというのなら、間違いなく俺とそいつ・・・は仲良くなれない。

 すると、セイラは一瞬きょとんとした表情を作り、何を思ったのか、再びこらえるように笑いだした。

「自分嫌いなところまで、そっくり」

 肩を激しく震わせながら、彼女は言う。

 本格的に、そいつとは犬猿の仲になっていただろうな。

 セイラには悪いが、死んでいてよかったと思う。下手をすれば、冗談抜きで殺し合いな関係になるかもしれないのだ。

 吹き出すセイラを他所に、俺はコーラのストローに口を付けた。

「そりゃあ、何よりで」

 特に意味もなく、そう返すのだった。




 異変に気づいたのは、「アイソレーション」を出てすぐだった。

 時刻は六時四十五分。

 結局のところ、三時間も喫茶店で時間を潰すことになってしまった。行きつけで従業員とも親しかったからよかったものの、「アイソレーション」以外の店だったら絶対に周りから睨まれていたことだろう。

 ……考えてみれば、行きつけだからって店に迷惑をかけたのには違わないのだが。

 外気に触れた瞬間、俺は、俺たち――正確にはセイラに向けられる視線を感じた。

「カミネさん」

「うん」

 俺の呼びかけに、彼女はわかってると言うように小さく答えた。

 視線は、決して友好的には感じられない。しかも、おそらくは複数人だ。

「一昨日の連中かな」

「でしょうね」

 セイラも同意の言葉を発する。

 俺は、周囲を睥睨する。夜の街は、昼とはまた違った人通りだったが、相手方のなんとなくの位置はわかった。俺たちからすれば、ちょうど中央地区がある方向、つまり東の方角だ。だが、正確な距離まではわからなかった。こんなにもびんびんと視線を感じるのだから、それほど遠くから見ているわけではないと思うが。

 それに、例え向こう側の正確な位置がわかったとしても、俺の心情的に、それ以上は何もできないし。

 それにしても、しつこい連中だ。

 よほどセイラのことが魅力的だったのだろう。その気持ちは、よくわかるのだが。

「なんて執着心だよ」

「仕方ないわ」

 俺の呟きに、セイラも小さく応える。

 狙われている当人だというのに、彼女はあまりにも他人事のようだった。

「ドライだね」

「彼らがわたしを狙う理由も、わかる気がするから」

 どうして、こんなに無感情でいられるんだろう。襲われそうになった恐怖心とかは、ないんだろうか?

「痴漢が女の子を襲う理由なんて、ルックスくらいしかないと思うけど」

「あの人たちは、放火魔だから」

 ――なんだと?

「どういうこと?」

「最近起きてる火事は、あの人たちが魔法で起こしてるのよ」

「それは、初耳だな」

 今初めて言ったもの、とセイラは応える。

「あの人たちからすれば、自分たちが犯人だって知っているわたしは、目障りな存在でしかないんじゃないかしら」

 じゃあ、一昨日俺が見たあの光景は、強姦未遂現場ではなく、口封じの現場だったということか。

「連中の放火の手口、見たの?」

「ええ。火属性を付加した魔力で、家を覆ってい燃やしているみたいだった。数人がかりでやっていたわ」

 イソラの推理は、見事に当たっていたらしい。

 数人がかりか。さすがにこれまでの被害、一人分の魔力では無理があっただろうし、二人か三人ぐらいがいれば、どんな大規模な犯行だろうと可能、ということか。

 放火魔イコール単独犯という保証は、そもそもないわけだし。

「わたしが見たのは、十八件目の火事の時だった」

 淡々と、セイラは語りだす。

「そこであの人たちに気付いたんだけど、向こうも私に気付いたみたいで、一昨日の火事は、わたしの家だったの。わたしはその時偶然外に出ていたんだけど、父さんも母さんは家の中だったみたい。もう生きてはいないでしょうね」

 語る彼女の声に、彼女自身の感情は窺えない。両親を失っていたにもかかわらず、彼女は平然とそのことを俺に話したのだった。

「それにしても、困ったわね、これは」

「……ああ、たしかに困ったな」

 あの連中が放火魔だというのなら、彼らが狙っているセイラは今、不用意にマーシーの店に行くことができない。下手に店に入ったりすれば、彼らによって店ごと焼き払われてしまうから。そうなれば、マーシーまで巻き込んでしまう。

 別に、俺の知ったことではないが、彼女的には、知人を巻きこみたいと思わないのだろう。俺だって、自分が原因だったのなら、知人を巻きこみたくはない。

「仕方ない。シドー着は俺が取りに行くよ」

 俺がそう言うと、セイラは驚くように目を瞬かせた。

「いいの?」

「ああ。カミネさん、俺の家まではわかるでしょう? 先に行ってて」

 なんでそこまでしてやるんだろう、俺は。

 彼女は、遠慮するでもなく、首を縦に振った。俺なら巻き込んでも構わないということだろうか。まあ、実際彼女とは一昨日知り合ったばかりの仲だし。

「あの人たちはどうすればいいのかしら? わたしを狙ってるだろうから、君の家に案内しちゃうことになるけれど」

「撒くことができるんなら、撒いてから帰ってほしいかな」

 俺も、一応あの家が惜しいのだ。

 我ながら、損しかしないのにこんな提案するのはどうかしていると思う。第一俺らしくもない。

 でも、何故か彼女を拒絶できなかった。

 同情したわけでもないのに。だって、同情それこそ俺にはあり得ない。

「カミネさん、あいつら撒ける?」

 俺の問いに、セイラは考え込むように少し唸り、

「まあ、絶対にではないけど、自信はあるかな」

 と答えた。


 ――意外、だな。


 女の子って、こういうことはもっと怖がるものだと思っていたけど、存外に乗り気(?)な様子だ。一昨日も、放火魔に襲われそうになっても悲鳴一つ上げなかったし。

 まあ、深くは考えまい。

 追手を撒く自身があるというのなら、何も言うまい。

「じゃあ、とりあえず俺の家でまた会いましょう」

 そう言って、俺たちは別れた。

 俺は約三時間前に赴いた衣服屋へ、セイラは追手を撒きながら俺の自宅へ。何事もなければ、家で落ち合おう。




 ……何事もなかったので、無事、自宅で落ち合った。

 マーシーの店で、パーマ店長ことマーシーに何故かにやにや顔で渡してくるシドー着を受け取り、自宅についたのが八時頃である。

 セイラは既に着いており、リビングにて例のように正座していた。

 新しいシドー着をそのままセイラに渡し、夕食を手早く済ませ、今現在は夜の十時半。俺は、夜の賑わいを見せる街中を歩いていた。

 セイラは絶賛、家の中だ。

 俺一人で外を散歩しているということになるが、彼女は放火魔集団に狙われており、外に出づらいだろうし、そもそも彼女は居候のような存在だ。変に俺が遠慮する必要もないだろう。

 そんなわけで、家のことは彼女に任せたのだった。

 もし彼女が全てを欺く凄腕の泥棒で、今まで隙を窺って俺の家から高価品を盗もうとしていたのだとしても、俺の家には消失して困るような物品は置いてない。寝室のベッド下に隠しているコレクション・・・・・・が、少し惜しい程度だ。

 ……それにしても、損だらけなのに彼女を家に置いていることに、我ながら驚きを禁じ得ない。

 もし連中があの家に気付けば、間違いなくセイラを消すために放火するだろうに。家ごと彼女を抹殺してしまえば、一連の家事に見せかけることもたやすいからだ。

 そして、そうなれば俺の自宅は跡形もなく消し炭にされる。それをわかっていながら、どうして俺は彼女を拒絶しないのだろう?

 だって、万が一にそんなことが起これば、俺は住を失うことになる。セイラに責任を負わせたとしても、実質文無しの彼女ではすぐに解決してくれるとは思えない。

 最終手段として実家に帰るという手はあるが、そうなった際の状況をどう説明したものか。

 他人の問題の巻き添えで家を失った、だけでは俺の家族は納得してくれはしないだろうな。それは別にいいとしても、せっかく成人祝いとして買ってもらった家を、わずか二か月ほどでおじゃんにしたという結果は、俺としても少し気にしてしまう状況なわけだ。

 彼女を家に泊め続け――もとい匿い続ければ、そうなる可能性は大いに高い。


 ――なのに、

 わかっているのに、セイラを追い払えない。


 美人だとは思う。

 不意を突かれて、胸の鼓動が速くなる瞬間だってあった。

 非日常でない場で、思考の波があれほど乱れたのは、久しぶりな気がする。

 世間一般的に見れば、同情されるのが当然なくらいの境遇でもある。

 でも、だからってどうして、俺が彼女を受け入れる理由になるんだ?

 彼女を家に置いていいことがある可能性より、不運に見舞われる可能性の方がよほどはっきりしている。

 自分の不利益をわかっていながら道を変えないなんて。

 それは、もう俺には理解できない感情だった。

 どうしてだろうか。


 ――何かを感じるのだ。


 そう。

 彼女と縁を切ろうとすると、何かを感じる。

 何か、厭な予感が生じるのだ。

 そんなあやふやな何かが、彼女への拒絶を抑え込んだ。

 昔から、俺は直感は鋭い方だと思う。

 ――莫迦な。

 彼女を匿っていれば、俺にとっていいことがこの先あるとでも言うのか?

 彼女と袂を分かてれば、俺にとっての不利益が待ってるとでも言うのか?

 理解不能だ。

 ――なら、わからないままでもいい。

 今はこのあたりで妥協しておくとしよう。

 その時、周囲がふっと暗くなった。街灯が並ぶ大通りから、薄暗い路地裏に足を踏み入れたからだ。

 場が変わると、途端に周囲の音量も急変する。路地裏をこつこつ歩く俺の足音が、闇の中に響いていく。

 二月の十一の日も、あと一時間と少しで終わる。

 そういえば、前世むかしで換算すれば、もうすぐ二月十四日バレンタインデーではないか。

 言うまでもないが、ネワギワにはバレンタインデーという概念はない。

 チョコレートは存在するが、女の子が男の子にチョコを渡す日はないのだ。

 だから、これまで二月の十四の日に女の子からチョコを貰ったことなんてない。まあ、チョコをあげるなんて風習は前世でも日本限定なのだが。

 そこそこに幅がある通り道を、歩く。

 路地裏に入った理由なんて、さしてない。ただ、なんとなくで通った。

 曲り角を、右に曲がる。

 すると、「アイソレーション」の裏口が、遠くに見えた。

 どうせだし、訪問してやろうか。

 そんなことを考えていると――、


 ……俺の背後で、

 …………魔力が揺らぐ気配が生じた。


 魔法を発動させることにより、魔力が活性化する証拠。

 つまりは――魔法が行使されたということ。

 続けて、ピリッとした感覚がうなじを奔る。

 俺が振りかえるよりも早く、視界が、火炎に包まれる。

 熱い――っ! と感じるのに、一秒か二秒の時間差があった。

 熱い。

 身体が燃えるように熱い。

 いや、身体が燃えている。

 まるで、炎でできたコートでも着込んでいるようだった。身体にぴっちりと張り付き、俺の身体を、豪っと焼却してくる。

「――あっ」

 堪らずに、膝を着く。

 身体が焼かれる。

 人体自然発火現象――なわけがない。

 ……あいつらか。

 顔を合わせたのはほんの数分で、しかも一昨日きりだったが、セイラを狙う連中の顔がしっかりと思い出された。

 散歩中の俺を見つけて、さらに人気のないこの場所だから始末してしまおうと考えたか。

 何故、始末されなければならない?

 ――当然、俺も奴らが放火魔であると知ってしまったからだ。

 奴らがそんな詳細なことを知らなかったとしても、セイラと一緒にいた俺を危険視するのは当たり前の道理。

 こんなやり方もできたのか。

 対人戦闘としては、そこそこに効果的だと思う。特に不意打ちであれば、効果はてきめんだろう。

 俺は、先ほど魔力の揺らぎを感じた方角に意識を向ける。

 あそこから、魔法を唱えたか。

 全身を包んでいる灼熱の痛みは、この際無視して、奴らのいる方向へ片手を向ける。

 頭の中にある、魔法発動のための呪文式を引き出す。

 自分の中の魔力が活性化を始めるのが、こんな状況なのによくわかった。

 ――あとは、呪文を唱えるだけだ。


「『ウィルベルム』!」


 掌から、風属性の魔力が奔流となって放たれた。

 風は炎を一瞬吹き散らし、放火魔がいるであろう方角向かって荒れ狂う。

 派手な音が、響き渡る。


 ――そして、つかの間の静寂があたりを満たした。

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