12,真相と黒幕
俺がいる。傍らには、あの子もいた。
昔々、俺が何よりも好きだったあの子。俺が守りたかったモノがある。
これは、いつの記憶だろう?
いや、これは虚構だ。きっと、これは俺があの時に抱いた未来なのだ。
彼女との平和な日常。
そんなもの、あるはずがなかったのに。
彼女の名は何だったか。
たしか、――か…………
◆
意識が浮上する。
「おや、起きたかい?」
俺を覗き込んでいたテレサは、ほほ笑みながら聞いてきた。
「はい、あの……」
返事を返しながら、上体を起こす。つい一か月ほど前も世話になった医務室のベッドの感触は、以前より若干心地よい弾力さがあった。
「俺は、決闘で……」
敗北したのは覚えている。あの後、気を失ってしまったようだ。
「勝負は君の負けで間違いないわよ。今は放課後。リュウトくん、ずっと寝てたのよ」
「はあ、それは」
一応は予定通りと言えるか。
「それでね、リュウトくん」
テレサの声が、真剣さを増す。
「はい?」
「目覚めて早々で悪いんだけどね、君と面会したいって人がいるの」
そう言って、テレサはベッドを仕切るカーテンの向こうに声をかけた。
「…………」
カーテンが遠慮がちに開かれた。
開けられた先に立っていたのは、俺が意識を失う前まで対峙していた赤い長髪の少女だった。
「あの……」
イルサは気まずげに俺から顔をを逸らしながら、ゆっくりと近づいてきた。
「……ごめんなさい!!」
その頭が、がばっ!! といきなり下げられる。
「妹から聞いたの。あなたがカワキの神子じゃないって。それに、ユグシルナ見学の時に助けてもらったって」
イルサの頭は上がらない。誤解を解いてくれたのはいいが、なんだかやりずらい。
「あの、」
「わたしとんでもないことしちゃったわ!! ごめんなさい!!」
彼女の声音はとても辛そうで、涙声にも聞こえた。
「じゃあ、なんであんなことしたんだよ? リュウトをそいつの弟と間違ってたのはいいけど、じゃあなんだってカワキの神子を嫌うんだ?」
彼女の更に背後から、俺の良く知る声が問いかける。
イルサはゆっくりと顔を上げ、俺を見ないようにしながら振り返った。
「……ごめんなさい」
「謝るんならリュウトだけでいいよ。なんでそんなに嫌ってたのさ?」
顔を打つ向かせるイルサに、テラは容赦なく詰問した。
「……ごめんなさい」
「だから、オレに謝ったって意味ねえじゃねえか!! オレが訊いてるのは、何でそんなにカワキの神子を嫌うのかってことだよ!!」
テラの顔には、明確な怒りがあった。
ユグシルナでのリンと同様、彼はイルサを許す気はないようだ。
「テラくん」
頭を下げたイルサを見下ろすテラの横から、抑止の声がかかった。
「お姉ちゃんも、ずっと苦しかったの。おばあちゃんが……」
リンの声が、そこでくぐもる。リンもその先は言いたくないのだろう。
「ああそれかよ! 前から思ってたけどおまえらのばあちゃんがどうしたってんだよ!? そこわかんねえから何もかもわかんねえんだよ!!」
荒げられたテラの声が、未だ頭を下げたままのイルサへ浴びせられた。イルサの身体が、びくりと震える。リンに直接言わないあたりはテラなりの気配りなのだろう。……全部無駄な気はするが。
「そ、れは……」
イルサの声も震えていた。リンが顔を俯かせる。
「……うっ、うう」
イルサの声は泣いていた。俺の方からは見えないが、きっと顔の方もかなりの涙を流しているだろう。
「泣いてちゃわかんねえよ」
「テラくん、それは」
見かねて止めに入るテレサ。しかし、テラはそれでは止まらない。
「誰だって辛えことはあんだよ!! おまえらだけが悲劇じゃないんだよ。甘ったれてんじゃねえ!!」
どこかで聞いた台詞だった。
テレサは何も言い返せなかった。言葉に詰まっていた。
なら、俺が何とかするしかない。
「テラ、落ち着け」
「リュウト、おまえ、何でそんな平気な顔してられんだよ!? おまえだっておかしいぞ!? 弟と間違われてさんざん勝手に恨まれて、そうじゃなかったってわかるとただ頭下げて謝るだけなんだぞ!? 何でそれだけなんだよ!?」
「テラ、落ち着け。俺は気にしてない」
俺の言葉は、半分は嘘だった。
気にしてないんじゃない。気にも留めてないんだ。
あまりにもどうでもいいことすぎて、何も思うことがない。
そんな俺に、テラのあの情緒はあまりにも羨ましすぎる。このまま彼が怒り放していたら、俺はまた思い出してしまう。前世の記憶を。
世界の裏側を知って、全てが薄くなったあの世界を。
果ては…………。
「すいませーん」
医務室の外から男性の低い声がした。
「は、はーい」
テレサが、慌てたように扉の前まで行く。
カーテン越しに、会話が聞こえてきた。
「すいません、イルサ・ホルミナさんとリン・ホルミナさんはここですか?」
「はい、そうですけど」
「すいません。さっき外から話が聞こえてしまって、中に入ってもいいでしょうか?」
「え? はあ、いいと思いますが」
「失礼」
「失礼します」
男性の声と共に、丁寧な女性の声が聞こえた。
すたすたと医務室内を歩く足音が聞こえ、カーテンがいきなり全開に開けられる。
「こんにちは。えっと、あなたがリンさんで、あなたがイルサさん。他の二人は、友達、かな?」
背の高い男性だった。スキンヘッドに近い状態に茶髪を短く刈り上げ、グレーのスーツのズボンに上はワイシャツだ。年齢は三十代ほどだろうか。傍らに立つ女性の方は、ピッチリと背を伸ばし、紺のスーツを着込んでいる。年は、二十代ぐらいといったところだろう。
女性の方はともかく、男性の方はどこかで見たような気がしないでもない。
「誰?」
テラの遠慮のない問いに、女性はわずかに眉をひそめた。テラも今じゃなかったら、もっとましな受け答えができたんだろうど。
「こりゃ失礼。僕らはね、安全委員の者だよ。君たち、安全委員のことはわかるかな?」
男性の問いに、俺を除く三人が無言で頷いた。
「安全委員が何でここに?」
俺の問いに、男性は微笑みながら答えた。
「毎年この時期に来るのさ、仕事でね。今回は、ちょっと別の要件もあって来たんだけど。イルサさんとリンさんにちょっと話を聞いてもらうために来たんだ。でもその前に」
男性がしゃがんで目線を俺たちに合わせる。
「そこの坊やの疑問に答えようと思うんだけど」
男性の視線がテラへ向いた。
「うん、それでは自己紹介。僕はルーク・キミラ、こっちは僕のパートナーで補佐役のリミアン・ハルトイヤー。よろしくね?」
ルークと名乗った男性は、人の良さそうな笑みを浮かべて話を続ける。体格がデカいのに、実ににこやかな笑みだった。
「さて、君たちの話は廊下でもいくらか聞こえていたんだけど、たしか、ホルミナさんたちのおばあさんがどうなったのか、だっけ?」
その質問に、テラは何も言わずただ頷いた。
「ふむ、イルサさん、リンさん、僕らは仕事柄君たちが言いたくないであろうおばあさんのことを知っている。君たちが辛いなら、こちらで彼らに話すけど、いいかな?」
こくん、とイルサとリンは了承した。
ルークが俺とテラ顔を順に見る。
「一応君たちにも。僕らが話すけど、聞いてくれるかい?」
まず訊いたのはテラだ。テラは顔をわずかに曇らせながらも、ルークの目をまっすぐ見ながら頷いた。
「それでいい、です」
ルークの視線が、今度は俺の方を向く。
本当を言えば、俺は聞かなくとも既に知っていた。でも、常識に考えて六歳児がそれを知ってるというのはおかしいことだ。
だから俺は、何も言わずに頷いた。
「よし。と言っても、僕が復帰する前の話だからね。大まかっていうか、全部はリミちゃんが話すよ」
よっこらしょ、と声を上げて立ち上がり、ルークは傍らのリミアンなる女性に目くばせする。
彼女は一度俺たちを見て、やがて語り出した。
◆
イルサ・ホルミナとリン・ホルミナには祖母がいた。父方の繋がりで、名をミリー・ホルムナと言う。
ミリー・ホルミナ。かつては“ザーナの魔女”と呼ばれた魔法の天才で、安全委員の特別部長も務めていた。
老衰し現役を離れてなお、彼女の力は強大だった。
リンは魔法を姉であるイルサから教わったが、イルサ本人はミリーから手ほどきを受けていた。
ミリーは孫2人をとても可愛がった。二人もまた、そんな彼女が大好きだった。
半年ほど前のこと。メルーラ暦2305、その年の八月に、魔法の大会が開催されていた。
イルサはそのジュニアの部に出場することになっていた。イルサは、試合前日、ミリーにこう言った。
「おばあちゃん、わたし頑張るから。頑張って優勝するから、見ててね」
そして、大会。イルサは順調に勝ち進んでいった。準決勝まで来ると、彼女はもう優勝を確信していた。
しかし、結果はその準決勝にて敗退。
しかたない、みんながそう言った。イルサ自身でさえそう思えるほど一方的な試合だった。彼女の対戦相手は、まだ学校にも通っていないくらいの黒髪の幼い少年だった。
カワキの神子。すぐにわかったことだが、イルサの相手は百年に一人と言われた超の付く天才児だった。
けれど、イルサは仕方ないと思いたくなかった。約束したから。頑張って優勝すると、約束したから。
「仕方ないわよ」
そんなイルサを、ミリーは優しく慰めた。
「でも」
「努力すれば、みんな上手くいくってものじゃないわ。私たちが頑張るのはね、いつだって自分の理想のためなのよ。あの男の子は、それだけ頑張ったってことね。泣かないで頂戴。イルサちゃんだって頑張ったのは、おばあちゃんよく知ってるのよ。大丈夫、イルサちゃんだって十分立派なんだから」
その優しさが嬉しくて、そして悲しくて、イルサは泣いた。
泣き止んだのは、大会が終わった後だった。
そして、事件が起こった。
こういった大会には例年、少なからずあることなのだが、彼女たちが大会本部を出たすぐそばで、二人の男が言い争っていた。
彼らはこの大会の優勝者が誰になるかを賭けていたギャンブラーだった。
その結果に満足できず、ああした争いがよく怒るのだ。
「俺は認めねえぞ!!」
「うっせえ!! 何をどう言おうと俺の勝ちだろぉが!!」
その脇を、イルサとミリーが通ろうとした時だった。
「ざっけんじゃねえ!!」
怒鳴り声と共に、男の一人が魔法を発動したのだ。そのうちのひとつが、ミリーへと飛び、
「おばあちゃん!!」
その時受けた魔法が原因で、ミリーは亡くなった。
イルサの心は悲しみに打ちひしがれた。
あの大会で優勝したのは、準決勝でイルサを破った少年だった。
――じゃあ、あの子が優勝しなきゃ、おばあちゃんは死ななかったの?
イルサの中で、あの少年への怒りが膨れ上がっていった。許せなかった。ミリーとの約束を破らせたことも、ミリーを死に追いやったことも。
それが、単なる八つ当たりの理不尽な怒りだと理解するには、十歳の彼女はまだ幼すぎた。
それが、半年前のこと。
◆
あの青年の記憶は、間違いなく本物だったようだ。ということは、安全委員だという彼の発言も偽造の記憶などではなく(そもそも可能性自体低いが)、真実だったということだ。
医務室にはすすり泣く声が響いていた。イルサとリンが、亡き祖母を思い出して泣いていた。
「で、ここからが僕らの要件になるんだけど」
ルークの瞳が、イルサとリンを捉える。
「君たちは、あれが事故だったと思ってる?」
問いかけられた言葉は、イルサとリンを戸惑わせるのに十分な質問だった。
「え? どういう……」
イルサが涙に濡らした顔を上げる。
「あの事故でミリーさんに被弾した魔法、何だったか覚えているかい?」
「えっ、と、『レイ・ベルム』だったと……」
イルサの声を遮るように、ルークはそこで否の言葉を発した。
「いや、それがね、違うんだよ。あそこで使われたのは『レイ・ガンス』だった。『レイ・ベルム』の呪文式を改造して開発された「特化型」の魔法なんだけど。とりあえず言い争いで使うような魔法じゃないのは確かな戦闘用魔法でね」
え? と、その場の全員が呆然とした。俺自身は既に知っていたことなので、フリに過ぎなかったたが。
「あの時に魔法を放った男と、言い争っていた男を捕まえて尋問したんだ。そしたらいろいろと喋ってね。どうやら金で雇われて殺しを依頼されたらしい。初めからあそこで彼らが言い争うのは決まっていたことだったんだ。そして、争うふりをして、君たちのおばあさんを攻撃した」
ルークの言葉は、この上なく静かに語られた。
しばらくして、イルサが震える声で言った。
「じゃ、じゃあ、わたしの今までのは……」
イルサの視線が、俺の方を向く。
「あ……」
その瞳が、すべてを悟っていた。
彼女の憎しみは全くのお門違いだ。だから俺は、試合前に彼女に言ったのだ。子供じみた八つ当たりだと。
イルサはそのまま下を向いてしまった。
医務室には、しばらく嗚咽の声が止まなかった。
◇
ソージックから西に歩いて五分ほどの距離にあるレストラン。
注文したコーヒーに口を付けながら、ルークは向かいに座る自分の補佐役の彼女に言った。
「あの子たちは、これから大丈夫かな?」
その問いに、リミアンは同じく注文したコーヒーを上品に飲んでから答えた。
「私には答えられません」
「あらら。冷たいな、リミちゃんは」
「事実です。それより、私たちの本来の目的を忘れてませんよね?」
リミアンは眉をつり上げ、ルークを睨む。
「ないない。ちゃんとやってきたよ」
「では報告です。こちらが担当した7年生女子に、汚染者および変質者は出ませんでした。で、キミラ部長の方は?」
「うん、こっちも異常なしだった。おや、どうしたのさリミちゃん、不満そうな顔して。僕、何か嫌なこと言ったかな?」
リミアンはそこで大きく溜息をついた。
「違います。部長には今は不満はありません。あるのは今私たちがやってることです!!」
リミアンの突然の豹変は、ルークを一瞬でも怯ませるほどに剣呑なものだった。語気を荒げながら、リミアンは責めるように続ける。
「こんなことに意味ってあるんですか? Kr反応を示した生徒がいないか毎年全国の学校で検査するって、どう考えても……」
「リミちゃん」
リミアンの発言は、ルークによって遮られた。
「それ以上はここじゃまずい。一般人には聞かせられない」
ルークの言葉にリミアンはビクッ、とやや大げさな反応を示した。
「……すいません。つい」
「怒ると周りが見えなくなるのは伯父さんそっくりだね、リミちゃん。ま、気持ちはわかるよ。僕らがやってるこれってまるで『ヨミ』探しみたいなもんだしね」
ことさらにひそひそ声で、ルークはそう言った。
「そもそもそこです。Kr因子は本当に人体をカワサキへ変質させてしまうんでしょうか?」
ルークはすぐには答えなかった。コーヒーを1口含んでから、
「それに関しちゃ、昔の研究者たちの研究が既に実証してる。『ヨミ』が変質した原因はKr因子だった。僕らは二度とヨミのような人間を出しちゃならない。ガード博士が言ってたことだけど」
「……そうですね。『片目のヨミ』のようなカワサキ化した人間は2度と出せません。ヨミのせいで一体どれだけの災害が出たことか」
ルークの顔が苦そうな笑みを作った。
「だからそんなふうにはっきり言っちゃダメだって。一般人の中にはほんと鋭い人もいるんだから、ヨミの存在はカワサキが実在したっていう最重要機密事項に繋がるんだから。そんな事実、一般人に気付かれたりしちゃまずいでしょ」
小さくたしなめるその言葉に、リミアンは恥ずかしそうに顔を赤くした。
「別の話をしようか? たとえばさっきの話に戻るけど」
「ああ、そうですね」
赤面ながらも、リミアンは応答する。
「ミリー元特別部長の暗殺を依頼した組織の名、彼女たちに教えなくて大丈夫だったんでしょうか?」
「そんなことしたら彼女たちが、特にお姉ちゃんの方がその組織を潰そうとか思っちゃうでしょ。女の子が1人や2人でやったところで、あの組織はつぶせないよ」
またコーヒーを一口啜り、ルークは瞑目した。
「僕ら安全委員は、奴らの警戒を最優先事項にしてるでしょう? それだけ組織の力が強大なのに、そこにまだ学生、しかも低年部の姉妹を向かわせるわけにはいかないよ」
「そうですね。すいません私が軽率でした」
赤みが取れていたリミアンの顔が、また朱色に染まり始める。
「いいっていいって、まだ仕事に慣れてないんじゃ仕方ないよ。肩の力抜けるくらい慣れればいいさ。それにしても……」
頬杖をついて、ルークは溜息を吐いた。
「『ヘルヘイム』。どういう意味かはわからないけど、なんか不気味な組織名だね」
だんまりとした空気が、2人の間に漂い出す。
ルークやリミアンの所属する安全委員。その主な活動は国家間の紛争解決や国の脅威になりうる存在への対応。
彼らが今、安全委員として最優先で警戒している組織。それが『ヘルヘイム』。今回、ルークとリミアンがリュウトたちに話ていなかった、ミリー暗殺を依頼していた組織の名。
「そう言えば、ユハラくんが言ってたんですけど」
すっかり元の顔色に戻り、羞恥から脱したリミアンが、ふとそんなことを言った。
「彼が見ていた方の少年が変だったと」
「ユハラって、たしかリュウト・カワキくんの方を見てたっけ?」
「はい、5日ほど前に彼に監視に気付かれたとか、なんとか」
「まあカワキって言ったら『カワキの神子』でしょ。彼自身はカワキの神子じゃなかったっぽいけど、身近にそんな超天才がいたら影響されたりもするんじゃないかな? またはユハラが子供だって侮ってただけだったりして。あいつ最近入会ったばっかりだったでしょ」
「そう、ですかね。ドラグランくんの方のシリンさんは問題なかったらしいんですが、まあそうですね」
リミアンは無理矢理に納得した。もともとそんなに気になってたわけじゃない。ユハラ・インジケートの言葉はひどく要領を得ない内容だった。だからリミアンも、さして気にしないことにしたのだ。
「話を変えますが部長、Kr兵器の方は慣れました? たしか部長のってKD・タイプRの最新式ですよね?」
「ん? うん、まあ慣れたよ。この前やっと召喚式にしてもらったとこ」
「名前は何と名づけたんですか?」
「まあ、一応“ニグル”て読んでるんだけどね」
「ニグル……、もしかしてウバー神話の“グニグル”から付けたんですか?」
「ま、ね。僕神話って結構好きだし」
ニッ、と笑い、ルークは最後のコーヒーを啜った。
◇
どうも、第1章はあと1話だけ続きます。




