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夏生詩集

季節外れの大掃除

作者: 夏生

季節外れの大掃除


あれもゴミ、これもゴミ


これは!


やっぱりゴミ



捨てられずとっておいた


物の山


あの日の思いが手を振ると


つい、振りかえしてしまう



いつかまた会う日がくる


かもしれない


かもしれない


かもしれない


そして、来なかった


の、繰り返し



長い間探し続けて


今さらひょっこり


再会できると


嬉しくて


やっぱりあなたは必要です!


なんて、長いこと放っておいた


クセにいい気なもの



久しぶりに使おうかと手にしたら


シミやらカビやら酷くなり


いつまでも変わらないなんて


世話もしないで都合がいいんだよ!


と、恨み節が耳に痛く刺さってくる



ふっと思い出したのは


彼のハンカチ


使用開始は中学一年生のとき


二十一年目突入とは恐れいった


下手くそな波縫いはハンカチの


ほつれを直した跡


結婚して最初の針仕事だった



彼のカバンも使用開始は十年以上前


切れた内側を縫って直したのは


彼の父と聞いて


驚き過ぎて目が回った



まだ使えるから、と


期待させて放っておいて


ボロボロにして捨てる私



まだ使えるから、と


丁寧に直して復活させて


使い続ける彼



物から見れば雲泥の差なんでしょう

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