今日は、エイプリルフール!
エイプリルフールと、いうことで、短編を書いてみました!
「今日は、四月一日、か・・・・」
「それがどうしたんだよ」
「いや、エイプリルフールだろ、今日は」
俺の親友と呼べる存在の真二が笑いながら、こっちを向いた。
「なんだよ、気持ち悪い」
「お、さっそく嘘か」
「いや、俺の本心」
「ははっ、まぁどうでもいいさ。・・・・それよりさ、お前告白しろよ」
「こ、告白!誰にだよ」
「何言ってんだよ、好きなんだろう?真奈美のこと」
「ッ!?」
真奈美とは、俺と真二の幼なじみだ。この三人は、小、中、高と同じ学校に通っている。
確かに、俺は真奈美のことが好きだ。でも、それを口にした覚えはない。
「・・・・なんで知ってんだよ」
「知らないほうが無理だって。お前を見てると真奈美のことが好きなの分かるもん」
「俺、そんなにわかりやすいのか?」
「分かりやすいな。真奈美以外のクラスメイト全員、知ってるぞ」
・・・・・そうだったのか。うまく隠してたつもりだったんだけどな。
「ま、告白頑張れよ」
「はぁ!?なんで告白しないといけないんだよ!」
「え、なに?真奈美のこと嫌いなのか?」
「・・・・・・・・・」
「大丈夫だって、今日はエイプリルフールだ」
「いや、エイプリルフールだからってなんで告白しなきゃならないんだよ」
「もし振られたとしても『今日は、エイプリルフールでしたぁ』って言えばいいじゃないか」
「それ、俺の告白が嘘ってことになるよな」
「大丈夫だって言ってるだろ。・・・・まぁ、今日はがんばれよ」
「はぁ?何のことだ」
「俺が今日の五時ごろ、いつもの公園で言いたいことがあるって言っといた」
「はぁ!?何してんだよお前!」
「人を呼んでおいて、もし来なかったら嫌われるんだろうな~。真奈美は悲しむだろうな~」
「なッ・・・・・」
「もう、そろそろ行ったほうがいいんじゃないか?」
今の時刻は四時五十分。今から、急いで行ってちょうど五時に着くぐらいだ。
「あぁ、もうマジかよ!」
俺は急いでいつもの公園に向かった。
公園に着いた時の時刻はちょうど五時。大きな木が特徴的な公園に、真奈美はいた。
「・・・・真奈美」
「え!?・・・ど、どうして」
真奈美は、少し驚いたような顔をして小さく何かを呟いたが、今の俺には何も聞こえなかった。
「・・・・・・」
「・・・・・・」
やばい、何も考えてない・・・・・。あぁ、もう俺の素直な気持ちをぶつけてやる!
「ま、真奈美!実は俺、お前のことが好きだったんだ!よかったら、付き合ってくれ!」
「・・・・・・」
真奈美の頬が紅潮したが、返事はなかった。・・・・・ふぉぉおお、やっぱ無理だったか。ここは、謝るべきか・・・・。
「ご――――」
「・・・・いいよ」
俺が、謝ろうとしたら真奈美の声に遮られた。・・・・・・え?今、いいよって言ったよな
「へ?・・・・いいのか?」
「・・・・うん」
「嘘だったりしないのか?」
「本当だよ。私もずっと好きだったし」
えーと、今俺は付き合ってくれと告白した。すると真奈美の返事はいいよ。ってことは、俺たちは晴れて恋人同士、ヒャッホォーー!ってことか。マジかよ・・・・・真二、お前に感謝するよ。
「――――やっとくっついたか」
俺、真二は少し離れたところで様子をうかがっていた。どうやら、告白は成功したらしい。まぁ、こんなの見なくても結果はわかってたけどな。
「別に呼び出したのはあいつじゃなくて俺だから、嫌われることはなかったんだけどな」
俺は、小さくつぶやいた。
「・・・・ったく、お前らの小学校のころからの両思いは、分かりやすすぎだよ」