表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

5/11

手に入れたのは「10秒時間を巻き戻す能力」




白い床を、誰かが強く蹴った。


それを合図にしたみたいに、人々が一斉に動き出す。


「どけーーーーー!」


「俺が先だ!」


「くそ! 邪魔をするな!」


ざわめきが、叫びに変わる。


光る板へ。

全員が、同じ方向へ走り出していた。


私も、反射的に足を動かす。


――吟味する時間なんて、ない。


能力の一覧は、あまりにも多い。

文字を追う余裕も、条件を考える余裕もない。


――考えてる間に、いい能力を取られてしまう。


押される。

肩がぶつかる。

前に進めない。


体格のいい人たちが、先に前へ出ていく。


――まずい。


私は背伸びするように、必死に腕を伸ばした。


指先が、光に触れる。


その瞬間――

頭の中に、何かが流れ込んできた。


理解。


知識。


説明。


まるで、最初から知っていたみたいに。


《能力:時間逆行》

《効果:10秒前に時間を巻き戻す》

《クールタイム:10秒》


……え。


思わず、息が止まる。


――10秒?


――短すぎない……?


愕然とする。


攻撃でも、防御でもない。

派手さもない。


だが、私は必死に思考を巡らせる。

この能力でどうやって勝利すればいいのか?



――……待って。


私は、口元に指を当てる。


――10秒、戻る。


――クールタイムも、10秒。


――つまり……。


心臓の音が、少しだけ遠のく。


――使った後、10秒経てば、また使える。


――時間は……戻る。


周囲を見る。


人々は手に入れた能力に興奮している。

誰も、私を見ていない。


――10秒前なら……。


愕然としたまま、

でも、思考だけは止まらなかった。


――試すしか、ない。


私は、能力を使うことを選んだ。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ