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「ジャナイ方」の異世界見聞記  作者: 那内(元ちみーば)


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25/28

25:鑑定してみた


「お前さん、自分の力をどれくらい把握してる?」


 昼食の山菜たっぷりシシ鍋を食べ終わった頃、ジオが自分のお腹を撫でさすりながら言った。


 森歩きの時は一日二食の節制生活だったが、食料が豊富な今は三食しっかり食べれている。体重もしっかり戻りつつある事は頭から追い出していた。

 ――それはさておき。


「? 一応、召喚された時に鑑定したけど。なに突然」


 あたしは例の薬草青汁茶を用意しながら問い返す。


「ん。会った頃より魔力量が増えてっから」


「マジ?」


 自分でもそんな気はしてたけど、確信はなかったんだよね。

 ジオは竜人の固有能力『竜眼』とやらで相手の魔力量や属性が分かるらしいから、確かなのだろう。


「マジ。……召喚の時ってぇとバランドルにある『鑑定水晶』か。アレ、簡易鑑定しかできねえだろ」


「そうなの?」


「二百年以上前にウチの国が贈ったヤツだ。その頃は国交が途絶えてなかったからな。鑑定が得意なエルフの製作だが、魔導具としては旧式のはずだ」


「エルフ! 前にドワーフの話が出て来たからもしやと思ったら、本当にいるの!?」


「……食いつくのそこ?」


 異世界モノをかじった現代っ子で『ドワーフ』や『エルフ』に食いつかない人はいないよ、多分。

 そしたら獣人や人魚もいたりして。イッツファンタジー!


「サク嬢ちゃんよ、何の話だったか覚えてる?」


「……鑑定の話です」


 浮かれて話が逸れるとこでしたね、すみません。

 興奮し過ぎて煮出してたお茶も沸騰させ過ぎ、濃くなってしまった。

 苦そう。こりゃ作り直しだ……。


 そんなあたしにジオは苦笑し、テーブルに麻袋を置く。小さい袋からは飴でも入っているような音がした。

 鍋のお茶を別の容器に移し、新たな葉と水を火にかけながらなんだろうと見ていると、ジオはその中から親指サイズの石を一つ取り出す。


「石に見せかけた飴」


「ハズレ。『鑑定石』ってヤツだ」


 真面目に訂正された。ちょっぴりボケただけなのに。

 それはいいとして、鑑定石とな。


「ウチの国の最新魔導具。高ランクの『詳細鑑定』とまではいかねぇが、旧式の簡易鑑定よか性能は保証するぜ」


「どう使うの?」


「一つ持って、対象を見ながら石にちょびっと魔力を流す。対象が自分の場合はただ集中するだけでいい。あとは勝手に割れて鑑定できる」


 目で窺うと、顎でしゃくられたので一つ取り出しす。

 言われた通りやってみた。


◇◇◇

名前:サク・マナベ

種族:ヒト族

年齢:22歳

ギフト:パーソナルエリア、言語理解

スキル:魔力操作

属性:無

魔法:生活魔法

魔力:8547

耐性:毒、瘴気、精神

◇◇◇


 ……………………。


 鑑定水晶のように半透明のボードが現れるのではなく、脳に直接情報が書き込まれた感じだ。


「どうだ?」


 と問われても、何と答えればいいんだろう……。

 とりあえず一番気になる事から訊くべきかな。


「こういった物を持ってるならとっくに知ってるんじゃないの?」


「まだ視てねぇ。誰かの能力を勝手に鑑定するのは御法度なんだぜ? 少し魔力のある相手にはバレるし、俺は敵認定した奴にしか勝手にはやらんよ」


「バレる?」


「体ん中を覗かれるようなイヤ〜な感覚がする。鑑定を仕掛けた相手より魔力が高ければ抵抗レジストできるが、いい気分ではねえな」


 バランドル国は勝手に、というか半分強制的だったけど、そこはあたしも半分同意してたから不問でも良いとして。

 イヤ〜感じ? あったようななかったような……うーん、あの場では人間と雰囲気全部がヤな感じだったからか、それに気を取られて覚えてないや。


 それにしても抵抗レジストかぁ。個人情報の守秘はしたい。魔力上げはこれから尚更、必須かも。

 そう考えつつ、他の気になる点を質問していく。


 まず、前々から疑問だった【ギフト】と【スキル】の違い。


 スキルは才能、或いは努力、或いは関連する行動で芽生える能力。

 例えば剣を扱いたい人がいて、努力すればスキルは芽生える可能性がある。芽生えなくても剣は扱えるけど、スキル持ちに比べれば訓練した際の身に付く早さや上昇度が雲泥の差だという。


 やったね! 魔力操作スキルが生えてるよ!

 ギフトや生活魔法の訓練をしたり、あとジオにも魔力を操るコツとか習った成果かな?


 そしてギフト。

 ギフトは、スキルのように才能や努力で芽生える能力ではない。

 この世界ファナガイアの神、女神ファニティが召喚された異世界人に授ける、己の力の欠片なのだとか。


 欠片とはいえ神の力の一部なので、あらゆるスキルや魔法の上位互換。

 あたしの魔力がどれほど少なくてもパーソナルエリアを使えば、他者のスキルや魔法はその守りを突破できない。


 例外は同じギフト持ちや、高位存在のスキルや魔法。僅かなりとも神気を帯びた攻撃はあたしの護り(バリア)を突破する可能性があるという。

 今のところ、該当するのは聖女ちゃんしか思い当たらないな。多くの精霊や妖精は格で言うと下位か中位なので、神気を帯びる程ではないらしい。


 また、あたしの【パーソナルエリア】はこの世界で言うと【結界】スキルに相当するようだ。

 けれどそれは保持者が起動して効果が出るもので、あたしのように常に(パッシブ)発動してたり、ましてや形状を変えたり等はできないらしい。


 うん、謙遜するのはやめよう。紛れもなくチートだ。


 ファニティ女神様とやらに感謝しようとして、ふと思う。

 あたしが転移する事態になったのも、元はといえば女神様が関わってるんじゃないの? と。


 そう考えたら、なんか礼を言う気も微妙になってしまった……。


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― 新着の感想 ―
「02:聖女の害になるから追放だってよ」の時より、主人公が強くなっていますね。
 すみませんジオ殿、私も「石に見せかけた飴」だと思っておりました。  エルフも今後出て来るのでしょうか、とても楽しみですね。  そして、ジオ殿がいてくださると本当に、世界の解像度が上がります。
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